パフスタッフが綴る何気ない日常。日々感謝をこめて。「パフ・ザ・マジックドラゴン 執務室」

こんにちは。伊藤です。

企業セミナーに参加すると、社員の人が複数登場するケースが多いと思います。そこで!

「ステキだな」という人ばかりではなく、「あの人とは馬が合わないだろうなぁ…」と
いう人もいる企業にこそ、就職を考えてみませんか?というご提案です。

今回は、ちょっと長いです。

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企業にはそもそも、創業者がいます(当たり前ですね)。
創業者は優秀です。だって、創業者には「独立心」があり、既存の企業が試みなかったビ
ジネスを生み出すという「発想力」「工夫力」があり、顧客からの信頼・支持を獲得する
「誠実さ」もあって、企業を成長させてきたのですから。

企業が成長すると、人を採用します。
この、企業の黎明期に入社した人たちは「創業者の描くビジョンに懸けてみたかった」とか
「創業者の人柄に惚れた」とか「よくわからないけれど、ワクワクした」とか、そういう
入社理由をクチにします。まだまだ、企業が自分に与えてくれる分かりやすいもの(たと
えば、お金とか休日とか)がしっかりしていない段階で入社しているのですから、それが
本音です。

(稀に「本当は大企業(ある程度、完成された企業)にいきたかったけれど、ダメだった」
という人も、それはそれで「この会社に拾っていただいた」という、強い、“仕事頑張り
動機”になっていくのですが、それはまた別の話として…)

優秀な経営者と、目に見える報酬以外を求めて入社した黎明期社員。

そのメンバーが同じ方向を向き、苦楽を共にしながら、企業としてさらに成長軌道に入る
と「もっと働きやすい会社にしよう」という意見が生まれます。当たり前です。

すると、よく言えば「賢い人」、悪く言えば「この企業って自分にとっておいしそう、と
いう魂胆の人」が入社志望者に増えてきます。そして「賢い人」は面接で「自分の人生に
とって、御社に入社するのがお得だと思ったので、志望します」とは言いません。賢いか
ら。

こうして「黎明期メンバー」と「賢い入社志望者」とのギャップが生まれます。

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私が言っているのは、創業からの年数や、企業規模のことではありません。

創業数年・10人でもそういう問題が出始めている企業もあれば、100年以上の歴史があり、
1,000人を超えてもそういう問題が発生していない企業もあるでしょう。(いま仕事でお付
き合いしている企業の人事マネージャーは「10年前の、社員3,000人だった時代と比べて、
社員4,000人の今、会社に熱っぽさがなくなってきているかもしれない」という課題感をク
チにしています。その方から見れば、3,000人の頃は、熱っぽかったのです)

多くの採用担当者の方々が、学生の皆さんから福利厚生や研修制度の質問ばかりを受ける
と辟易する理由はこのあたりにあります。必死に、頑張って「今の状態」を先輩や仲間と
ともに築いてきたのに、見ず知らずの学生から「御社に入ると、私にどんな“おいしいこ
と”がありますか?」と真顔で聞かれている気持ちになるのです。

皆さんだって、「あなたと付き合うと、私にどんな“おいしいこと”がありますか?」と
聞いてくる相手と「仲間になりたい!」とは思いませんよね。

一方、企業説明の際、理念やビジョンから話し始めるのも、そういう理由です。

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「賢い人たち」ばかりを採用した企業は没落への道を辿ります。「創業者や黎明期メンバ
ー(や中興の祖)が描いたビジョンに懸けてみよう!」と思う人たちを採用している企業
は、継続します。歴史が教えてくれます。

「賢い人たち」ばかりを採用すると、均質性が生まれます。いや、「賢い人」が入社する
からというよりは、企業に求めるものが似ているので「働き方(自分とビジョンとの距離
感)」が似るからかもしれません。

「理念やビジョンに懸ける人たち」を採用すると、多様性が生まれます。理念やビジョン
実現のためのアプローチは多様ですから、多様なビジネスパーソンが出現します。

明治維新以来、続いてきた「右肩あがりの時代」が終焉する(した)日本において、「会
社に目に見えるものを求める人たちの均質組織」と「ビジョン実現のために集まってきた
多様なるメンバー組織」のどちらが生き残るか-。後者です。

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就職セミナーに出てくる「先輩社員」は仕事ができる人(あるいは期待されている人)ば
かりです。その人たちの「多様性」こそ注目すべきではないでしょうか。皆さんは「未完
成」ゆえの「感性」という武器があるのですから(オヤジギャグの域だ)、「馬が合わな
そうという社員がいるから志望企業から外す」というのは、まるで逆なんじゃないかな、
と思うのです。いま「安定」していても、近い将来の没落可能性が高い組織に入り
たいのではないですよね?

で、冒頭の【「ステキだな」という人ばかりではなく、「あの人とは馬が合わないだろう
なぁ…」という人もいる企業にこそ、就職を考えてみませんか?というご提案】になりま
す。

提案にしては分かりづらすぎますが、世の中、分かりづらいことだらけ。
自分で自分の考えを整理して、行動し、決断するしかありません。

ちなみに、この話で伝えたかったもうひとつは「本当に入社したい企業であれば、複数の
人と会いましょう」ということでもあります(機会は待つのではなく、自分でつくりましょうね)。

次回は、イベント担当もすっかり板についている岩崎さんです。

これまでに頂いたコメント

2件コメントがあります

  • 大月陵さん

    目から鱗が3枚くらい落ちました。
    この話、これから就職活動を始める後輩たちにもしてもいいですか?
    願わくば、僕も就職活動を始める前にこの話を聞きたかったです。

  • 伊藤さん

    コメントありがとう。目に3枚も鱗があったんだね。
    どうぞどうぞ。