パフスタッフが綴る何気ない日常。日々感謝をこめて。「パフ・ザ・マジックドラゴン 執務室」

土田です。

先日、岡崎塾の卒塾式に出席した。
(※岡崎塾は土田が学生時代から御世話になっている
学生と社会人があつまり勉強会を行っているコミュニティーです)

http://www.okajuku.jp/

2010年度からあらたな生活をスタートさせる8名(学部4年・修士1年)の皆さんが
卒塾生として、先輩社会人と現役大学3年生から祝福を受けた。

その後の懇親会で気になる話題が出たので
ここで取り上げることにしたい。
それは、「就職活動が営業活動化」しているのでは
ということであった。

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卒塾生の一人にK君という学生がいる。
国公立大院に通い、体育会系出身、地元の小学生サッカーチームのコーチを務め、
子供たちからの信頼も厚い。
容姿もさわやか、元気で性格もまっすぐ、人間くささも持ち合わせる人だ。
就職活動をする前には、パフでインターンとして社員とほぼ同じように営業活動にいそしんでいた。

私が就職活動をした09年度採用だと、どこからでも内定が出たような学生だと思う。
しかし、彼は結局1社からも内定が出ず、教員採用試験を受けるために大学院に残るという決断をした。

先日の卒塾式では「(内定が出なかったのは)あらためてなんでなんだろうね?」
という話になった。

そこででたのが、
「第一志望ではない会社には、第一志望だというウソはつかなかった」
「会社はどこでも一緒だから、素の自分をさらけ出して、評価してもらった会社に入って
 目の前の仕事を一生懸命やりたい、と面接官に言っていた」
ということだった。

K君の同期の女子学生・Oさん(彼女も経営者の勉強会に参加したり、ベンチャー企業で週5日インターンをして社長に実務能力を評価されたという、本当にツチダなんかよりもよっぽど優秀な学生です)も、5月のGW明けまでは、上記のスタンスで臨んでいたところ、最終面接まで行くが、内定が出ない
というケースが相次いだという。

そこで、夏以降の面接では、妥協案として
「この会社に入りたい、入ったらこんなことがしてみたい」
ということを事前に考え、面接で言うようにしたところ、すんなり内定が出たという。

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私が就職活動していた09年度だと、
私の周りにもK君のようなスタンスでも内定をもらう学生はいた。
商社・メーカー・コンサル・金融と引っ張りだこ状態の学生もいた。

「俺はこういう人間です。どこの会社に入ってもがんばります。
 必要だと思ってもらえるなら内定をください。」
という、どこの企業にも同じことを言う・正直で、迎合しないスタンスが通用した時代だった。

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いまや、状況は変わり、上記のようなスタンスは評価をしない会社が
増えてしまったようだ。

企業も厳選採用で内定者数が減る中、
内定辞退や、早期離職のリスクを重く見るようになったのであろう。
辞退しそうな人をわざわざ引っ張り込むところに労力をかけたくないという声も聞く。

「たしかに、人間的には魅力のある学生だけど、
 どこでも会社は一緒、といっているし、内定辞退するかもな・・・
 入社してからも、すぐやめちゃうんじゃないか」

そんな状況の中「内定を出してもどうせ他社に行くだろうな」
というようなK君のスタンスは敬遠されがちになってしまったのだ。

他方で、割り切って要領よく企業ごとに志望理由を
うまくアピールしていた学生がすんなり内定をもらっていた印象がある。

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しかし、個人的にはK君のようなスタンスの方が健全だと思うし、
自分も就職活動ではそうしてきた。
勿論、志望動機は伝えたが、企業に迎合したことは一切言わなかったし、
それが評価をされていた。

「働く」ことにおいては「どの会社に入るか」が本質ではなく、
そこで「自分がどう働くのか」が大事なんだ、という意味では、会社なんてどこでも一緒だし、A社に入ったから幸せな未来が待っていて、
B社に入ったらお先真っ暗、なんてことはありえないと今でも思う。
だから、A社にもB社にも同じ志望動機を言い・同じ自己PRをしていた。

このまま、「就職活動が営業活動化」してしまうと、どうなるのだろう。
ますます「ノウハウ」系の話題がフォーカスされてしまい、
「内定もらうためだから、しょうがない」と割り切る学生が増えるのではないだろうか。

勿論そういう強かさが社会に出てから必要なのは
営業をやっていて身にしみて感じている。

でも、学生のときから、自分の就職先を決める場で
「駆け引き」みたいな事を意識するのって、何か気持ち悪い。

———–

私の考えが甘いだけなのかもしれないが、
もっと学生と企業が真正面からガチンコで臨めたらいいんじゃないか。

「僕はこういう人間です。こんな長所もありますが、実はこんな欠点もあります。
 御社の役に立ちますか?役に立つなら採用してください」
「うちはこういう会社です。こんないいところもありますが、実は課題も山積しています。
 いっしょによりよい会社にしていきませんか。もし興味あるなら入社してください」

こんな、きれいごとみたいなことが実現するといいんじゃないか
と思う今日この頃である。

———–

以上、長文失礼致しました。
分不相応なことを申し、かつまとまりのない駄文で恐縮ですが、
ぜひ学生の皆様や、企業の人事担当者様のご意見をいただけますと幸いです。

次は、平原です。

これまでに頂いたコメント

4件コメントがあります

  • たちのさん

    2011年度就活生です。
    就活真っ最中です。
    そうなんです。
    薄々気付いてきましたが、選考が進んでくると
    現在の就活の状況や入社希望度について必ず聞かれ、
    馬鹿正直に答えた瞬間(第一志望ではないことを仄めかす発言で)撃沈しています。
    それだけが不採用の原因ではないとも思いますが。
    質問の回答にお決まりの答えを求められているようです。
    「正直者が馬鹿をみる」という実体験によるノウハウが蓄積されていきます。
    自分の短所もありのまま話してはいけないようです。
    なんなんでしょうね。
    これが大人への入り口なのかな、と感じています。

  • ADさん

    「パフも大手R社も会社はどこでも一緒だと思っています。入社したら頑張るので気に入ったら採用してください。」
    「パフに入社して日本中の学生を幸せにしたい、それが実現できるのが御社です。」
    採用したいと感じる学生は後者だと思うけどなー。
    恋愛でも惚れた相手に対しては必死で口説くでしょw
    担当者の独り言でした。

  • 株式会社パフ 土田 歩さん

    AD様
    独り言ありがとうございます。
    どなたでしょう・・・お会いしたことのある方かな・・・
    と思いをめぐらせております。
    >「パフも大手R社も会社はどこでも一緒だと思っています。入社したら頑張るので気に入ったら採用してください。」
    >「パフに入社して日本中の学生を幸せにしたい、それが実現できるのが御社です。」
    >採用したいと感じる学生は後者だと思うけどなー。
    はい。おっしゃるとおりだと思います。
    企業が内定を決める理由も、学生が入社を決める理由も、
    「感情」が大きな影響を与えると思います。
    私が担当者の立場でも感情的に後者を選びたくなります。
    しかし、上記に上げていただいた言葉も
    「パフの選考しか受けていない学生」が言うのと、
    「パフもR社もその他20社くらい受けている学生」が言うのではまったく意味が異なる、
    ということをここでは問題にしたいです。
    「内定をたくさん取りに行く」のであれば、会社ごとに言葉を変えて
    A社でなければならない理由を伝えるべきだと思います。
    でも、これって営業活動っぽくないか?というところが今回私の挙げている問題点です。
    営業活動は複数の相手と成約しても何の問題もありません。むしろそちらが喜ばれます。
    就職活動は複数の企業に内定しても悩み苦しむだけです。1社に絞らなくてはなりません。
    なのに同じやり方でいいのか、と。
    言葉は悪いですが、効率よく内定をもらいたい学生と
    効率よく採用をしたい企業がマッチングする。
    就職活動が今後そういう場になってしまったら、この国はどうなるんだろう、と。
    分不相応にも、こんなことを考えての日記でした。
    文字だけでは、お互いの意図が伝わりにくかったり、意味を曲解してしまいやすいと思いますので、
    ぜひ直接議論させていただける機会があればと存じます。

  • 株式会社パフ 土田 歩さん

    たちのさん
    もしかして、あのたちのさんでしょうか???
    先日はお世話になりました!
    苦悩されている様子が伝わってまいります。
    >馬鹿正直に答えた瞬間(第一志望ではないことを仄めかす発言で)撃沈しています。
    AD様のコメントにもあるように、
    じゃあどっちの学生を採用したくなるんだ?
    といったらそりゃあ答えは明確なんですよね。
    >質問の回答にお決まりの答えを求められているようです。
    >「正直者が馬鹿をみる」という実体験によるノウハウが蓄積されていきます。
    そうですねえ。
    もちろん、第一志望が本心なら層伝えればいいんですけどね。
    それが「本心」なのか、「お決まりの答え」としていっているのか、実は採用する側はわからない場合があるのだと思いますよ。
    >自分の短所もありのまま話してはいけないようです。
    >なんなんでしょうね。
    そうですねえ~。非常に共感します。
    でも、これも逆の立場に立ってみたらわかるんです。
    「この料理においがきついんですよね・・・」
    「この料理においはきついけど、めちゃくちゃおいしいですよ」
    どっちを食べたくなるかは自明です。
    これも人の感情です。
    >これが大人への入り口なのかな、と感じています。
    最近は、私もそう思うようになってきました。
    学生にも、ノウハウに走るのはよくないけど、
    馬鹿正直ではなく、人事がどんなことを考えているのか、どんな人がほしいのか、逆にどんなことを恐れているのか(心配しているのか)を考えるようにいうようになりました。
    また、テクニック的ではあるけれども、どうやったら自分が相手に自分の意図が伝わるのか、考えるようアドバイスするようになりました。
    でも、「相手の気持ちを考えて、それにあわせる」とか、「相手に自分の意図を明確に伝える」っていうのは社会人として生きていくうえでは必要なんですよね。
    ほんと、何なんでしょうね。
    よかったらまた直接お話しましょう。
    またパフに遊びに来てください。