パフスタッフが綴る何気ない日常。日々感謝をこめて。「パフ・ザ・マジックドラゴン 執務室」

おはようございます。土田です。

「自分にしかできない仕事がしたい」
「これは、私だからできた仕事だ」
そう思って仕事がしたいと、人間は思っている。

 

しかし、

「自分しかできない仕事」「自分だからできた(他の人にはできない)仕事」
の存在は組織で仕事をするうえでは、重罪である、と思う。

そして、究極の自慰行為ではないか。

 

「○○さんだから、お願いしました」
「○○さんにお願いしてよかったよ」

と私たちの上司やお客様は言ってくださるが、
こんなものは、ウソなんだと思う。

いや、上司やお客様がウソで言っているという意味ではありません。
心底本心で言ってくださっていると思います。

 

しかし、「ああ、これは私にしかできない仕事なのだ」と
受け取る側が真に受けてはいけないと思うのです。

「ああ、そう言ってもらってありがたいな」「恩返ししよう」と
思いながらも、

「自分がいなくても回る状態」を作るために仕事をする必要がある。
「自分でなくてもだれでも同じ品質でできる状態」を目指す必要がある。
と思うのです。

 

そりゃあ、人間だれしも

「私の介在価値が感じられる仕事をしたい」
「私だからこそできる仕事をしたい」と思います。

そして、それができていると実感すると
幸せになります。それが普通です。人間ですから。

 

私なんかは、新入社員~3年目くらいまで
「自分にしかできない仕事をしたい」欲求が
過剰なくらいに強かったように記憶しています。

自意識過剰な、痛々しい若手でした。
(今も自意識過剰ですが)

 

しかし、ふと宇宙の彼方から地球を見下ろすとき、
「自分にしかできない仕事」など、あろうはずもないという
事実に気付いた気がします。(それともこれは、諦め・妥協なのか?は置いておいて…)

そう思うと「自分がいなくても回る状態を目指して仕事する」
「誰でもできる状態にする」の方が高次元でカッコいいと思うようになりました。

 

自分がいなくなったら、分かる人がいない。
ブラックボックスなので、自分以外の人は何もわからない。
ずっと自分一人で担当していると、新しいアイディアを取り入れにくくなる。

人は、ずっと同じ部署や会社にいるわけではないので、
結果的には、後任の人や、会社全体、何よりもお客様に多大な迷惑をかける。

「自分にしかできない仕事」は組織にとっては危険です。

そもそも、
「自分にしかできない」
「自分だからできた(他の人だったら無理だった)」
「他の人には任せられない」
これはすべて、ある意味、己の驕り・傲慢です。
(一方で、私たちの自尊心を満たし、自己承認感を得るためには必須のものです)

 

自分にしかできないことなど、あるわけがないという前提に立ちながらも
「やっぱり、○○さんに任せてよかったよ」
「これは、○○さんにしかできない、お願いしますよ」

と言ってくださる方々の存在に感謝する。
(ここで、自尊心を満たせるので、モチベーションは保持できる)

感謝はするが、「自分にしかできない」と真に受けず、

「誰でもできる状態」
「自分がいなくなっても回る状態」
を目指してやる。

 

「個人の快楽」に思いっきり振り切って仕事をしている組織人はカッコ悪いし、
「組織の利益」のみに振り切って、自己犠牲している人もカッコ悪いです。

自尊心を満たしながら、組織の全体最適を実現する、
そんな人になりたいものです。