ゴリラ的読書日記之14
2016年6月1日 (水曜日)
こんちには。14回目となりました。
常々執筆していて思うのですが、この前座が一番筆の進みが悪く、いつも何を書こうか考えて込んでしまいます。
余りに書くことが思い浮かばず、社員のBlogを閲覧し、模倣してしまおうかとDarksideの誘いを覚えるほどです。のこったのこった。
別に前座…要らなくない?という意見も…のこったのこった。
前座が得意そうな人にネタを拝借することをお願いしてみれば…のこったのこった。
Titleを「ゴリラ的読書日記」から「ちゃんこ的どすこい日記」に替えてみれば…のこったのこった。
週中なのに日本酒を頼んでみたら…のこったのこった。
今日も自堕落な性分との悶着がありましたが、何とか前に進みそうです(笑)
■帝国データバンク編(2009)『百年続く企業の条件』朝日新聞出版。
■動機:
企業の持続的競争優位は存在するのか。
誰しもが関心を持ちつつも、何処か捉えどころのない、フワッとした印象を受けるテーマではないでしょうか。
私もまさにフワッとする印象を抱いている第一人者であり、関心が人一倍強いが故に多くの書籍を読み漁りましたが、読めば読むほどフワフワしてきてしまい、大気圏突入直前で読むことを意識して止めた、そんな経緯がございます。
理由は単純で、読んでいて楽、で何となく得た気持ちになる。でも本質を掴まえていない気を片隅で覚え、実践しようという気になれない。結果、無味乾燥な時間が流れる。やめよ、といった按配です。
未だに本質は何処ぞにあるのか皆目見当もつかない次第ですが、直感的にこの本のTitleを目にした時に、そのヒントになると感じ、購入を決めました。
何故ならこの本の中には「事実」しか記載されていないだろうと思ったからです。
■所感:
皆さんは「老舗」と聞くと何を連想しますか。
職人気質。
揺るぎない伝統。
確固たる技術。
究極のニッチャー、などなど。
私はどちらかというと、上述のようなフワッと系の印象を今までは老舗に対し抱いていました。
この本ではそのような解釈からは一線を画し、ゴリゴリに老舗2,000社近くを集め、財務分析をドンとしてしまいました。夢の無い…でも非常に興味深い分析でした。
結論は本書に譲り、印象的な「事実」を一つだけ。
老舗の特徴を一言で表すと…「売上高経常利益率の際立った高さ」にある、とのことです(売上高営業利益率は全業種平均とさほど変わらない)。
すなわち「老舗は保有株式や土地・建物などの蓄積した資産を活用して、本業外で儲けを恒常的に出している」可能性があるとの仮説です。
私(達)は上述したフワッと系の要因が作用して、持続的競争優位を生み、結果的に生き残っていると老舗に対して勝手な印象を抱いてしまいがちです。勿論それは誤りではなく、多分にそれも一部には該当するやもと思いますが、本質は本業における収支が多少グラついたところで、営業外からの恒常的な儲けが充分にカバーしてくれる。だからこそ本業に集中できる。そして今に至る、が「真実」に近しいのではないのでしょうか。
何だかピ●ティが登場してしまいそうな勢いですね。結局はカネかいな、と。
でも冷静に考えてみて、至極当然のことに思えます。幻想を抱くことは個々の自由ですが、現実とは単純な仕組みで構築されているのかもしれません。老舗って、奥深い。
■おススメ本
野村進(2006)『千年、働いてきました-老舗企業大国ニッポン』角川グループパブリッシング。
関満博(2012)『10,000社歩いた到達点 見つけた!最高の経営戦略』日経BP社。
リタ・マグレイス(2014)『競争優位の終焉』日本経済新聞出版社。