「原作者」の苦悩と「制作者」の苦悩
2016年10月5日 (水曜日)
近頃漫画原作の映画が次々に実写化されることが決定し
次はだれがバッシングの犠牲になるんだと友人とよく話している皐月です。
さて、今回はそんな話題に合わせて
実写化についての私なりの考え方を。
よく見る映像化の弊害といえば
・描いてほしいシーンがなくなっていた
・重要だと思っていた設定が消えている
・キャラクターの再現クオリティの低さ
などなど
言及するのは原作者の方はもちろん、
ファンの方々も「こんな感じじゃない!」と
結構頭を悩ませてしまうもの。
愛着のある作品ほどそうなってしまうのはわかるんですが
私自身は、映像化することで内容がガラッと変わることが
悪いことだとは思ってません。
むしろ私の場合は、
映像にするなら、原作と違ってしかるべき!くらいの気持ち。
なぜなのか?
それは、映像から見た人も原作から見た人も
同じ内容を2度体験するよりも
違った見方、違う世界として楽しんでほしいから。
映画が面白かったから小説を買ってみたら
うん、面白いけど映画と同じ内容だから
結構飛ばして読んじゃった。
漫画が面白かったから映画も見てみたら
好きなシーンが削られていてショックだった。
いや、一応面白かったけどさ・・・
上の二つのようなパターンは
本来面白いはずのコンテンツが、
重複により死んでしまう例。
それって、心血注いでつくったものがなくなるようで
なんだか寂しいなと思います。
実写化する映画だけじゃなくて
原作だって、時にはものたりないと思われてしまうんですから。
以上が私の
実写化・映像化はむしろ全く違う話を作れ!
と思っている理由です。
さて、そんなもの実際にあるの?と思われそうなので
わかりやすいもので一つ。
ウルトラマンや仮面ライダー
ゴレンジャーなどの特撮もの。
こちら、毎年制作されていて
スーパー戦隊ものは40作目にもなります。
もともとゴレンジャーを考案した石ノ森章太郎氏のアイディア。
クレジットにも「原作:石ノ森章太郎」と必ず書いてあります。
もとは同じゴレンジャー。
設定を広い、時代に合わせ、人に合わせ、予算に合わせ
つくりあげられた作品の結晶が40作。
今見ている作品が面白いと思ったから、昔の作品に思いをはせる。
こんな原作としての連鎖反応こそ
実写化・映像化の醍醐味だと思います!
さあ長々と個人的な話をしてしまったのですが
これってビジネスにも言える気がしていて。
もともと会社にある商材を、
実例があるから、この方法が正しいんだ!と思ったり
他の会社があの方法で成功したならうちも!と言われてそのまま売ったり
ある意味「原作そのままリリース」をしてしまうのは、
なんだかもったいない気がします。
今あるサービスも、もとは一つの悩みを解決するために
創られたものだと思うんです。
だから、もともとすべてのケースに対応できるわけじゃない。
だから、お客様にはきっと
「A社は●●をそのままつかったけど、
御社の場合は○○のコーナーをちょっといじって
運営したほうが、より効果的になるかも」
という提案ができるのが理想。
うん、頭ではなんとなくイメージできた気がするので
あとは営業同行・自分で営業、バリバリ頑張って
イメージをものにするように、頑張ります!