パフスタッフが綴る何気ない日常。日々感謝をこめて。「パフ・ザ・マジックドラゴン 執務室」

キャンバスに絵を描く

2018年10月18日 (木曜日)

ようやく提案活動が一段落し、でも一段落してる場合じゃない業績なのでまだまだ頑張らねば、な大岡です。
最近頻度も落ち、人生がかなり仕事寄りになってきているので忘れられがちですが、私はずっと舞台に関わってきておりまして。
あ、忘れてませんか。ありがとうございます。
最近は役者としてしか関わってないのですが、実は演出の経験も意外と多くあります。
この演出、さまざまな要素をまとめて一つの舞台を作り上げる責任者のような立場ですが、その要素の中でも大きなものに小屋=劇場のサイズがあります。
観る側としては、好みは大小でわかれるので大きい方がいいというわけでは全くありません。
しかし、作り手目線で言うと、舞台上の密度を保ったまま、大きな空間を埋めるというのはやはりとても難しい作業で、小さな劇場であれば、役者の集中力はお客様にダイレクトに伝わり、また、お客様の目線も意識せずとも見て欲しいところが視界に入るのに反して、大きな舞台ではそれを戦略的にお届けするという工程が必要になります。
役者の演技に本人が意図しない範囲で作為的な動きをさせたり、お客様の目線を恣意的にある部分に集中させたりといった、小さな舞台では必要とされない要素が演出に求められます。
だからこそ、大舞台で見事な演出が出来る演出家というのはとても限られていて、仲間内ではそういう演出家のことを「大きなキャンバスに絵が描ける演出家」などと言っていました。
私は演出家としては最大でも200名くらいのキャパの劇場しか経験がなく、そんな小さなキャンバスでも手一杯でした。そんな自分からすると大きな絵が描ける演出家はもはや憧れとかでもなく、別世界の能力を持つ人としてただただ、すごいなぁと感心するしかないわけです。
でも、大きな絵が描ける人が「大は小を兼ねる」となるかというとおそらくそういうことではなく、きっと演出家によって、適切なサイズのキャンバスがあるのではないかな、などと考えています。
なんで唐突にこんな話を持ち出したかというと、最近「未来のパフの理想像を描く」という大仕事を頂戴いたしまして。
仕事においてもそのミッションはキャンバスの大きさに例えられるよなぁなどと真っ白な大きなキャンバスを見ながら途方にくれているからだったりするわけです。
例えばパフの仕事であれば、
・目の前のお客様に向き合って課題解決に取り組む
・複数のお客様を対象にしたイベントや企画を考え、運営する
・一定期間のミッションのリーダーとしてミッション達成と部下育成を担う
・年間のチーム戦略を考えて実行する、させる
・事業計画を立てて会社を運営する
・会社を経営する
などと言ったキャンバスの大きさの違う仕事が存在していて、そのどれが得意かということは人によって違うと思うので、その適正サイズに合った仕事はきっとその人が成果を出しやすいのではないかと。
ただ、そのキャンバスの適正サイズいうのは自分で決めちゃダメですね。
いろんなチャレンジをして、まず周りが認識し、結果的に強みとして適正サイズが決まるというのがいいんじゃないかななどと思います。
私自身ははっきり言って、仕事においても決して大きなキャンバスに絵を描いてはきませんでした。
描きなさいとも言われませんでしたし、描きたいとも思いませんでした。
適正サイズもなんとなく自分で決めていた部分も否めません。
とりあえず描いてみないと何ができるかわからないので、ひどい作品が出来上がるかもしれませんが、保坂のいう「いくつになっても伸び代」。
ありがたいチャンスとして頑張ってみます。
明日は伸び代で出来ている石上です。