パフスタッフが綴る何気ない日常。日々感謝をこめて。「パフ・ザ・マジックドラゴン 執務室」

神は細部に宿る

2019年6月28日 (金曜日)

おはようございます。阿久根です。
ブログをアップする本日、パフでは今期の最終日です!

私にとって今期は、社会人一年目をまるごと過ごした
はじめての期でした。

一年働いてみて感じた営業という仕事の素晴らしさを
書こうと思ったのですが
それよりも書きたいことが出てきてしまい…(笑)
今日は思い切ってそちらを書いてみようと思います!

*****

先日、神奈川芸術劇場で劇団四季の『パリのアメリカ人』を観劇してきました。

単なるお芝居だけではなく、
舞台芸術の美しさや音楽の素晴らしさもあいまって
この公演自体が一枚の絵画のようでした。
立派な額縁に入れて飾っておきたいくらいです。

実はこのミュージカルの原作である
映画「巴里のアメリカ人」(監督:ヴィンセント・ミネリ、1951年)が前から大好きだったんです!!

今回は、あえてミュージカル版ではなく
映画の「巴里のアメリカ人」が好きな理由を
3つ書いてみようと思います。

1.出演者が「本当に楽しんでいる」のが分かるから!

歌の中のちょっとした息継ぎの合間や、振りと振りの合間の
ふとした瞬間に、「この役を心から楽しんでいるんだな〜」と感じさせる場面が
いくつもあります。
主人公ジェリーを演じるのは、ミュージカル映画のレジェンド・ジーンケリー。
彼は劇中のダンスの振り付けも担当したそうで、
やらされる踊りではなく、
自然と「自分たちが楽しめる」踊りをつくろうと
考えていたのかな??と思いました。

2.言葉で表せない”情感”をダンスで表現しているから!

こちらはジェリーが恋した女性・リズの性格

“おしとやかだけど大胆なところもあり、シャイだし物想いに耽るところもあるけど今風(だけどレトロで可愛い)”

をダンスで表現しているシーンです。
まるでそれぞれ別の人が踊っているかのような表現の幅の広さ。衣装も音楽もセットもとっても可愛い!!
リズを演じたレスリー・キャロンはこの時10代だったというから恐ろしい、、、

また、この映画で一番有名なのは

パリでの思い出、ジェリーとリズの忘れられない恋、切なさ高揚感を全てない交ぜにして一つの作品にした場面です。(全部で16分くらいあります)

その時の感情が、振りとなって、セットの色合いとなって
衣装のスタイルとなってめいっぱい表現されている。

含みをもたせた構成だからこそ、各場面でどんな意図を持って作られたのか
想像することも出来る。

そんな「奥行き」があるところも、この映画が好きなところです。

3. 過去の芸術に対するリスペクトを感じるから!

 

 

ロートレックやデュフィの絵画のオマージュがとにかく最高なのです!!
(言葉で表すのが難しいです!笑)
芸術への愛の深さを感じます。

現代はテクノロジーが発達し、「それっぽく見せる」事が簡単になっています。
だからこそ、この映画を見ていると、「人の手で作る」ことの醍醐味をひしひしと感じるのです。
また「人の手でつくる」からこそ、関わる人が才能を発揮しやすくなるのかなとも思います。

一瞬しか出演しないキャストの衣装でさえも、主役級のクオリティで作られている。
一瞬の場面でしか登場しないセットでさえも、まるで今までも存在していたかのように作られている。

一瞬一瞬に想いを込めて、輝いた瞬間をこの映画に閉じこめている。

 

「神は細部に宿る」。この映画はこの言葉を体現しているなと思います。

私もこの映画のような人になりたい…!頑張ります!

 

 

次は石河さんです。