パフスタッフが綴る何気ない日常。日々感謝をこめて。「パフ・ザ・マジックドラゴン 執務室」

ちょっと真面目な話

2020年5月1日 (金曜日)

おはようございます!5月になりましたね!

ローテーブル&座椅子での在宅勤務がとっても辛くて、最近リビングデスクと椅子に買い換えました、サトミンです。

東京での粗大ごみの出し方を調べなくては・・・と毎日考えています(苦笑)

私も高校時代のバドミントン部のコーチに言われた言葉は、ずっと心のなかにあります。

「己のスタンスと立ち位置を考えろ」という言葉で、励まされる、とはまた違った感覚なのですが。

バドミントンは個人競技ですが、団体戦もあります。ざっっくり言うと、自分は団体メンバーじゃないからと練習をさぼったり、チームの士気を下げる行動を取るのではなく、今の自分の役割やポジションでできることをやれということです。部活のメンバーは今もこの言葉を覚えている人も多いと思います。

 

 

さて、本日は新型コロナウイルスの影響で皆さんも聞いたことがあるのではないかと思います「PCR検査」について、書きたいと思います。

実は、私は医療系大学で臨床検査技師(以下、検査技師)になるための勉強をしていました。(けっきょく民間に就職したいという思いが強くパフに内定をもらい、資格も取らなかったのですが。)

そのため、大学の同級生のほとんどが検査技師として病院や保健所で働いているのですが、Twitterで「コロナ報道とPCRと検査技師」という動画が流れると共感の嵐で拡散されるくらい、現場の検査技師の立場というのはとても低いのです。

ですので、少しでも多くの人に知ってもらえたらと思い、このテーマを書くことに決めました。

少し偏った見方かもしれませんので、不快になる方がいらっしゃいましたら申し訳ございません。

また、参考に友人に話を聞いたり調べたりしましたが、私の知識が約1年前の大学卒業時のものだということもご了承ください。

 

PCR検査ってそもそも何?

PCR検査とは、Polymerase Chain Reaction(ポリメラーゼ連鎖反応)の略です。

少しの検体から、ウイルスなどの一部の特異的なDNAを増幅させることで、検出を可能にします。

さらに、この増幅させたDNAを分離して染色することで、陽性か陰性かを判断しています。

 

検査を行うのは医者ではありません。

当たり前ではありますが、医者は検査をオーダーしますが、検査を行うのは検査技師です。

そのためにいるのでそれが不満なわけではありませんが、ご存じない方も多いのではないでしょうか。

そして、検査技師は血液検査、微生物検査、エコーや心電図、輸血のための検査や病理検査など、日々様々な検査業務を行っています。

コロナウイルスがなくても、現場は毎日(病院にもよるとは思いますが)検査で忙しいのです。

 

PCR検査はとても高度な検査です

そして、ぜひ知っておいていただきたいのはこれです。これに尽きます。

PCR検査は、普段の検査では最後の関門のような検査です。専門の病院以外では、1日の検査数はそんなに多くはありません。

長くなるので詳細は省きますが、PCR検査は採取してきた検体を機械にかければ終わりではありません。

先ほど書いたように、DNAを増幅させることは機械が行いますが、その下準備は多くの場合手作業で行います。この手作業の処理によって、正しいDNAを増幅させることができるかどうか決まるので、とても神経を使います。

検体を入れれば、あとはほぼやることがない類のものではなく、μリットル単位で何種類もの試薬を、順番を間違えずに加えていく、技術力が求められる検査である。一つの間違いが数十件あるいは数百件の偽陽性を生じることすらある。そこまでいかなくとも、一つの入れ忘れが簡単に偽陰性を作り出す。そして、もしそれが起きてもそれをその場であるいはその後に確認する手立てはない。専門性が必要である。整形外科の先生に眼科の手術をやらせるわけにはいかない。(引用:PCR論争に寄せて─PCR検査を行っている立場から検査の飛躍的増大を求める声に

このような検査は誰にでもはできないのです。

そしてPCRの増幅の機械にかけるのですが、この増幅作業がとっても時間がかかるもので、下準備から合わせると結果が出るまでに2時間以上かかります。

よって、「PCR検査を増やせ」と言われても機械もなければ、それを行うために時間を割くことのできる検査技師もいません。まずは検査技師の人数を増やさないと、とても今の現場は回らないというのが現状です。

 

今、増えているのは検査数ではなく採取数

「検査数を増やせ」という声を受けて国が「検査する場所を増やしました」のようなパフォーマンスを行っていますが、あれは検査ではありません。

すごく嫌な感じだなと個人的に思ったのは、採取するだけなのに「PCR検査室」のように堂々と書いてあることです。こういうのが勘違いを生む原因なんだなと。

そういうのを見たら何も知らない人は、できるならもっと早くやってよと思いますし、もっとやってよという圧力にもなります。

あれは、あくまで検査のための検体を”採取”しているだけです。とくに病院(検査側)の能力(機械や人手含む)が大して変わらないのに、今までより大量に採取した検体を誰が検査するのだろうと思うとゾッとします。

これは主観なのですが、今は現在の感染者の経過観察のためのPCR検査に手一杯だと思います。潜伏可能性のある人たちの検査を国を挙げて行うなど不可能です。韓国のような検査体制は、残念ながら今の日本にはありません。

 

とはいえ、簡易キットが登場している?

調べてみると、島津製作所さんが96検体を90分以内でできる簡易キットを開発したみたいですね。

ぜひ、本当に使える精度の高い検査キットが開発されて、現場の検査技師の方(もちろん採取してくださっている医師の方も)の負担が減ることを願うばかりです。

 

以上です。4月上旬ころからずっと考えていたことだったので、今日、書けてスッキリしました。

簡略化して書いたので、話が飛びすぎていたらごめんなさい。

よく分からん!という部分があればお気軽にコメントや感想のメールをいただければ嬉しいです。

 

少しだけ自分が勉強していたことをメディアがあんなふうに取り上げてくれると、ほかの報道の私に知識がない事がらをいかに鵜呑みにしてはいけないかが良く分かりますね。(笑)

もちろん私の知識が乏しい部分も多々ありますので、いち意見までにとどめていただき、これをきっかけに皆さんが少しでも”検査”に興味を持っていただければ嬉しいです。

 

お次は、大学時代は国際系を学んでいた、山下さんです!