パフスタッフが綴る何気ない日常。日々感謝をこめて。「パフ・ザ・マジックドラゴン 執務室」

内定クロージング最前線

2014年4月10日 (木曜日)

こんにちは。マジックドラゴンの土田です。

いよいよ内定クロージングが本格化しました。

先日某お客様企業にて、最終選考合格者に対する「意思決定イベント」を実施
してまいりました。

<イベントの概要はこちら

このお客様とは、昨年も「意思決定イベント」を実施していまして、以下学生
と接した所感をまとめてみました。

===============================================

【最終選考合格者と接した所感】

・昨年と比べ、そもそも就職活動に対する危機感がなく、企業選びの軸が曖昧。

 →企業選びの基準は?と聞くと、給与、福利厚生といった「外部要因」ばか
  りが目立つ。

—–

・就活に苦戦していないからか、いわゆる「人気有名企業」から内定が出ると
 あっさり就活を止めてしまう傾向。意思決定イベントも24名の参加枠に対し、
 最終的な参加者は12名だった。

 ※ここ数年は、たくさん内定を保持して、複数社内定者イベントにも参加
  して綿密に企業を比較してから決めるという傾向が見られた。

 →大手人気企業が、最終合格通知と同時に「今入社意思を表明すれば内定を
  出す」という、強気なクロージングをかけているとのこと。

 →「今決めろ」と言う企業に対し「待ってくれ」と言うと、内定を取り消さ
  れると思っているとのこと。クロージングの際には要注意。「内定が取り
  消されることはない」「正当な理由があれば待つ」「今すぐ安易に決める
  必要はない」と伝える。

—–

・自己承認欲求、自己有効感志向が強く「面接で評価してくれた企業、人事が
 熱意をもって口説いてくれる企業がいい企業」と感じている。極端に言うと、
 そこそこの有名度の企業に「あなたが好きだよ」と言われると一瞬で落ちる。

 →「愛されるよりも愛したい」というKinKi Kidsの歌がありましたが、その
  逆で「愛するよりも愛されたい」という欲望が垣間見えます。

—–

・なぜ、外部要因だけをみてきめる傾向が強く、自己承認欲求が強いのか

 →そもそも、就職活動に対する危機感が薄い。
 →社会人と接触する量が減っている。社会人サンプル収集経験が少ない。
 →「企業で働く」ことの実態理解が薄い。

—–

・ただ、大学生の性質はそんなに急に変わるはずもない。本質は一緒なはずだ
 が、いかんせん採用する企業側の視点が薄い。ただ、それは単純に社会人と
 の接点が少ない「世間知らず」なだけ。質が低下したとかいう類の問題では
 ない。

 ―自己承認欲求強い → よく言えば自己実現志向が強いということ。
 ―外部要因の比較  → よく言えばしたたか。

—–

・世間を知らないゆえに、会社選びの軸を考える際、表現の仕方が「自分本位」
 に聞こえてしまう。

 ○ 若いうちから裁量の大きな仕事ができそうな会社が良い
 × 若いうちから裁量を与えてくれる会社が良い

 ○ 自分を鍛えたい、成長したい
 × 自分を鍛えてくれる会社、成長させてくれる会社が良い
 
 ○ 「自分にしかできない」仕事を作りたい
 × 「自分だからできる」という特別感を感じられる仕事をさせてほしい

 ○ 上司や先輩社員との距離が近く、意見を言いやすい会社が良い
 × 上司や先輩社員が面倒を見てくれ、意見を聞いてくれる会社が良い

—–

【では、どうすればよいのか】

・内部要因(内的動機)的な「企業選びの基準」は、明確でない学生がほとん
 ど。基準を一緒に考えていくカウンセリングの様なスタンスで信頼関係を築
 くとよい。

・対話を通して「どの会社に入ったら幸せにしてもらえるか」と言う発想から
 「どの会社であれば自分が納得するか」という発想にシフトさせていく。

・信頼関係を築き、「企業選びの基準」が合意できたら、「企業選びの基準」
 に即して「説得材料」となる情報をぶつけて口説く。

・信頼関係ができていれば、強い口説きが通用する。社会の現実を知らない故
 に軸が無い。また利害関係なく就職活動の相談ができる社会人が周りにいな
 い。それゆえ信頼した社会人の言うことに影響を受けやすい。

・口説いて承諾した後は、内定承諾後~入社までの期間に覚悟醸成を行えばよ
 い。入念に入社前フォローを行わないと、入社後ギャップを感じる恐れ大。

———-

本当に採用は水物だと毎年感じます。

もちろん科学的に自社の採用活動の勝ちパターンを確立する必要はありますが、
一方で、個々の学生の志向に合わせて説得材料を臨機応変に提供できる「土俵
際のクロージング力」は、採用力向上を考えるうえで、まことに大きなファク
ターだと痛感します。

説得材料を提供するには、前回と重なりますが「(他社と比べた)自社の特徴
を熟知している」ということに尽きます。

弊社もお客様の特徴を捉え、採用力向上に貢献してまいりたいと思います。