パフスタッフが綴る何気ない日常。日々感謝をこめて。「パフ・ザ・マジックドラゴン 執務室」

答えを言わない

2016年6月6日 (月曜日)

こんにちは、吉川です。
私は、事が起きた時は、すぐに怒りを感じず、15分後、半日後に
「あれ、やっぱり変だよな、おかしい!」と後から怒りが
こみ上げてくる鈍いタイプなので、瞬間沸騰する大岡さんが
うらやましいです。

私が入社2年目の時にお客様だった方で、採用活動をする中で
「もっと日本の若者を自分で考えて決められる人材にするためには
小学生ぐらいからの教育を変えていくべきだ!」と子供向けの
塾事業の運営に転身した方がいます。

今もつながりを持っていて、その方から送られてくるメルマガが
とっても素敵なので、本日はそれを転載します。
*ご本人の許可はいただいています*

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私は、今から10年ほど前に、はじめて塾業界に転身してきました。
それまでは、大手企業で営業、人事をやってきたので、子どもに
勉強を教えるのは、はじめてのこと。

当時勤めたのは、フランチャイズチェーンの個別指導塾でした。

個別指導塾の売りは、集団の授業ではついていけない子に、個別
にわかりやすく丁寧に教えてあげること。

当初は、はじめに研修で教えてもらったマニュアル通りに、生徒
の疑問に、わかりやすく丁寧に説明することを心がけ、アルバイト
講師にもそういう授業をするように指導していました。

生徒:「先生、ここわかんない。教えて!」
先生:「ここ、こうやって、こうやるでしょ。わかった?」
生徒:「うん、よくわかった!」

今の子ども達は、わからないことがあるとすぐ聞いてきて、答え
をすぐに知りたがります。

「ちょっとどうやるか考えてみて~!」と言っても、

「そんなのどうでもいいから答えだけ教えてよ!」

というような子が、とても多いです。

でも、そういう場面に接していてすごく違和感がありました。

「わからない時に、すぐに教えてもらって、本当にこの子の力が
つくんだろうか?」

なぜ、そう思ったのかと言うと、人事で採用担当者として、大学
生に関わっていた時、あるいは新入社員研修で指導をしていた時
の体験からです。

人から言われたことはできるが、自分から考えて行動しようと
しない人がとても多く、

「おいおい、こんなんでこの先本当に大丈夫なのか?」

と思うことがしばしばでした。

そして、子どものこういう状況を見て、

教えれば教えるほど、自分で考えることをしなくなる。
そして、学生時代にずっとこういう習慣を続けて大人になった時
には、全く自分で考えて行動することができなくなる。

と強い危機感を持つようになりました。

じゃあ、どうすればいいのか?

ひとつのヒントとして、我が家の妻と娘との会話を紹介します。

娘:「あ~、めんどくさい。もう勉強わかんない!」

妻:「めんどくさいよね~。どれどれ。」
  (内容を見て)「あ~、昔やったやった!」
  (と言いながら、実は全くわかっていない(笑))

  「これ、どうやってやるんだっけ?」

娘:「これは、こうやって、こうやって…」

妻:「そうそう!そんな感じだったね。
   ちゃんとわかってるんだね。」

というような、やり取りをいつもしているようです。

実際にうちの妻は、学生時代あまり勉強をしてこなかったので、
娘の聞いてくることはほとんどわからないようです。

だから、実際にやっていることは、

①子どもの気持ちを受けとめる

②聞いてあげられる範囲で、ちゃんと聴く

③質問する

たった、これだけです。

でも、こういうやりとりで、思考習慣をつけていけば、自分で
「考える力」や「問題を解決する力」がついてくるのだと思います。

<一歩塾ブログ>
http://www.ippo-juku.com/blog
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学生さんの就職相談に乗るとき。
お客さまの仕事の課題を聞くとき。
後輩たちに仕事指導をするとき。
自分の今後を考えるとき。

自分の経験で答えられそうなときはどうしても答えをすぐに
伝えてしまいがち。

でも長い目で見たらそれは、最終的に相談してくれている
ご本人のためにならないのかもしれません。
誰でもマネできる小手先のテクニックを教えているだけなのかも。

 ■気持ちを受け止める
 ■話を聞く
 ■質問する

これを続けることで、その人にしかできないオリジナルの答えに
近づくのだと思いました。

仕事を通じて、素敵な皆さんと出会い、関係が続いていることに
感謝しつつ、答えをすぐに出すことをやめようと誓いました。

明日は、たくさんの学生さん、企業さんとの関係が続いているホサカです。