志望動機を聞く前に、やるべきことがあるんじゃないの?
2013年2月15日 (金曜日)
先日の日記で、「ES&志望動機撲滅同盟」というタイトルの記事を書いた。
「企業の採用選考から(意味のない)エントリーシートをなくしてほしい」そして「志望動機なんか聞かないでほしい」という、切なる願いを持った2名(曽和さんと僕)が同盟を立ち上げた、という記事である。
とてもたくさんの反響をいただき、この「釘さん日記」史上最高である133個の「いいね!」をいただいた。同じ考えを持っている方々がとても多かったことに、ちょっと安心した。
ところで、日ごろ愛読しているメルマガがある。執筆者は、弥永尚(いやながたかし)さんというコンサルタントの方。以前、某社の人事採用担当者を務めておられ(僕が知り合ったのはこのとき)、その後独立し「合同会社 中小企業のための人材研究所」を設立。現在その代表を務めておられる。
一昨日配信されてきたこのメルマガのコラムに、僕らの主張と同様のことが書かれていた。
ご本人に許可をいただいたので、以下、原文のまま転載する。
■ 代表コラム ━━━━━━━━━━━━━━
「選考早期段階で志望理由は必要ない。」
エン・ジャパン様が先日発表した「2014年度新卒採用 就職・採用活動 1月度調査報告」によると企業のエントリー受付開始率は77.0%で前年より5.4ポイント増加、セミナー開始率、選考開始率ともに前年を上回る結果となったとのこと。前年より企業の動きは早くなっています。
皆様の中にも、エントリーシートや面接等の選考を開始されている企業さまもいらっしゃることと思います。
ところで、選考の際の質問項目の代表的なものとして「志望理由」があります。
しかしこの「志望理由」を中堅/中小企業が選考の早期段階で問うのは全くもってナンセンスです。
人気企業や有名企業ならともかく、中堅/中小企業はもともと応募者の認知度は「ゼロ」です。よって選考早期の段階では企業理解が浅くて当然でしょう。
そのような段階で志望理由と問うたところで、当たり障りのない一般的な理由や取り繕った理由しかでてきません。
それに対して「それだったら別にウチの会社じゃなくてもよいじゃない。」などと評価するのはこの段階では酷というものです。
早期の段階で志望理由を聴かれる学生にとっては「通り一遍のセミナーで話を聞いただけで御社ならではの志望理由を聴かれても困るよな。」というのがホンネ。
「御社を志望しています。」という応募者の言葉を聴いて安心したいならば、こちらが応募者に対して十分理解していただくだけの情報や機会を提供してからの話でしょう。
選考の早期段階では、「我が社はこういう会社です。」、「あなたはどのような方ですか?」という相互理解を深めることに傾注すべきです。
いたずらに「志望理由」を聴くのではなく、応募者の「持ち味」、「価値観」を理解するための質問をするようにしましょう。
— 転載以上 —
僕の日記では乱暴にしか書けていなかったことが、弥永さんのコラムでは、とても丁寧にわかりやすく書かれている。読んでいて思わず嬉しくなった。
ということで、心ある採用担当者のみなさん。(とくに選考の初期段階で)志望動機を聞くのは、そろそろやめにしましょうね。
あ、それからついでにもうひとつ。
「当社は第一志望ですか?」って聞くのも、やめたほうがいい。
純粋な学生に「嘘をつくこと」を強要してるようなものだ。志望順位と「仕事ができる/できない」は一切関係ないし、そんなこと聞くひまがあったら、学生の志望度を上げる努力をしたほうがよっぽど有意義だ。
と、今朝はちょっと毒舌を吐いてしまったかな(苦笑)。
さて、本日は、ふるさと就職応援ネットワーク(Fネット)の2か月に一度の例会だ。全国のオヤジ社長たちとの久々の情報交換。楽しみなのである。
では朝食後、いつもどおりのウォーキングで行ってきます!