パフ代表の徒然ブログ「釘さん日記」

昨年の12月19日(日)に開催された、「職サークル」(NoWorkingNoLifeWeek)の活動報告イベント。職サークル参画企業の人事担当者の皆さんと、学生の皆さんと、パフのスタッフたちとで創りあげたイベントだった。

その、笑いあり涙ありのイベントの模様が、本日Youtubeにアップされた。

「私たち大人には、キミたち若者と正面から向き合い、社会で働くということを伝える義務と責任があるんだ!!」

・・・というメッセージを世の中に発信したイベントです。皆さん、ぜひご覧ください!!

 

 

 

 

さて、あす月曜日の夕方から、福岡だ。とんぼ返りだけど、せめてラーメンくらいは食べてこよう!

 この日記の読者の皆さんの中で、山崎ハコのことをご存じの方はどれくらいいるだろうか。

僕より3歳年上の個性的なフォークシンガーだ。

出身地は僕が育った大分県湯布院町のそば(といっても結構遠いけど)の日田市。僕が中学3年生のころにデビューした。出身地も年齢も近いので注目はしていたのだが、暗い曲が多かったため、それじゃなくても貧乏で孤独で暗かった10代の頃の僕は、ちょっと距離を置いていた。そして最近では、その存在さえも忘れかけていた。

ところが本日、実に久々に(30年ぶりくらい?)、山崎ハコの歌声を聴いた。

先週の土曜日のBS2で放送されていた、「大集合!青春のフォークソング」という番組に出演していたのだ。

南こうせつ、イルカ、泉谷しげるの3人が司会の(僕ら世代にとっては)贅沢すぎる演出。出演者は他に、山本潤子、ばんばひろふみ、杉田二郎、遠藤賢治、そして、まさかの小椋佳など。すごい番組だったのだけれど、先週は途中からしか観ていなかった。

それで、今夜あらためて録画しておいたものを最初から観たのだが、前半に登場した山崎ハコの歌う姿に、思わず身震いしてしまった。

最初は、「あれ?山崎ハコだ。久しぶりだなあ。歳とったけど、なんだか雰囲気あるなあ」と思いながら、司会者とのやりとりを眺めていた。

何を歌うのだろうと思ったら、なんと阿久悠が作詞した「ざんげの値打ちもない」。1970年に流行った唄で、北原ミレイという歌手が歌っていた。ジャンルはフォークではなく、いわゆる歌謡曲である。天才・阿久悠が生みだした詞の中で、僕がもっとも好きな唄なのだ。

山崎ハコがギターを抱えて歌う「ざんげの値打ちもない」は、女の情念と切なさと悲しさとやるせなさみたいなものが、これでもかというくらいに込められており、ほんとうに「凄い」としか形容のしようがない。昔は敬遠していた歌声だったのだが、30年の歳月を経てあらためて聴いてみて、その素晴らしさに初めて気づいた。

歌も素晴らしかったのだが、ギターの音がさらに素晴らしかった。ギターを弾いていたのは安田裕美。小椋佳の昔のレコードは安田裕美が編曲とギターを担当しており、僕は35年前から、いいミュージシャンだなあと思っていた。そして今夜、(wikiで調べて)初めて知ったのだが、安田裕美は、山崎ハコと結婚していたのだ。いやー、びっくりした。

そんなわけで、今夜はyoutubeで、山崎ハコを探しては聴いていた。

お気に入りに登録していたら、知らぬ間にtwitterにも自動ツィートされてしまったようだ。「釘さんって、いつもこんな暗い唄ばかりを聴いているの?」と思われたかな(苦笑)。

著作権の問題でいつか削除されるのだろうが、Youtubeで見つけた以下の2曲を貼り付けておこう。

僕が身震いしてしまった「ざんげの値打ちもない」。そして、オリジナル曲の「ひとり唄」。

夜、部屋を暗くして(あるいは裸電球ひとつで)お聴きください。酒を飲みながらだと、さらによいと思います^^。

 

昨日は、ライフネット生命の出口社長と、昨今何かと問題視されている新卒者の就職・採用に関する意見交換を行なった。

出口社長には、昨年の秋、パフの若手社員向けに講演を行っていただき、その後いっしょに食事をさせていただいたことがある。出口社長は、僕よりも一回り(12歳)上の人生の大先輩。日本の生命保険業界を牽引してこられた、業界の第一人者でもある。つまり、スゴイ人なのである。

昨年の秋、いっしょに食事をしながらお話ししたときの印象を、僕は次のような言葉で日記に残している。

とても、ざっくばらんで竹を割ったような性格の出口社長。難しく複雑な話を、とても分かりやすく、シャープに論じてくださる。僕らは、スッキリさわやかだったのだ。

カッコつけず、偉ぶらず、物腰も柔らかく、でも、悪いものは悪いと、ずばずばとハッキリとした物言いをする。発想は柔軟で、視点と志はものすごく高い。

読み返してみると、我ながらよく表現していると思う^^。

以来、僕はtwitterでも出口社長をフォローさせていただき、日頃どんな発言や行動をされてらっしゃるのか注目するようにしていた(出口社長は精力的に全国を飛び回りながら講演活動をしてらっしゃるのだ)。

数週間前のこと。企業の新卒採用に関しての“つぶやき”を目にした。企業が学生を「青田買い」し、学業を阻害していることに対する批判だ。

出口社長は、「大学生は大学を卒業したのちに就職活動をすべきであり、企業は大学生が学業に勤しんでいる期間は、(採用を前提とした)接触を一切行なうべきではない」という意見を持っておられるのだ。

僕は、そのつぶやきに対して、「僕は少し違う意見を持っているので一度議論したいですね」という、生意気な意見を書き込んだ。

すると、すぐに出口社長から直々にご連絡をいただき、「ぜひお会いしてお話ししましょう」というお誘いをいただいたのだ。

本来ならば僕の方から訪問のお願いを差し上げるべきところを、逆にお誘いいただいてしまった。これだけ多忙で、かつ重要な立場におられる大先輩が、僕ごとき(出口社長から見れば)若輩者の意見に耳を傾けてくださるという。とても恐縮する一方で、とても嬉しく感動した次第だ。

 

・・・前置きが長くなってしまった。

上のような経緯があって、昨日の午後4時。半蔵門にあるライフネット生命の本社にお邪魔したのだ。

社長室に招かれ、椅子に座るやいなや(余計な時候の挨拶や雑談もなしに)本題の、就職と採用に関する話が始まった。

出口社長は、僕の日記やコラムもちゃんと読んでくださっており(それもまた感動なのだが)、最初の話題はつい先日の「就職人気企業ランキングの愚」に関することだった。この(企業と学生の両方にみられる)愚かさについては、出口社長も同様のご意見であった。

そして話題は、問題の「青田買い」や「採用の早期化」について。

僕も基本的には、日本の(それこそ人気企業ランキングの上位に入るような)大手企業や人気企業が、学生を早期から拘束したり、扇動させたりするようなことがあってはならないと思っている。

しかし一方で、学生にはもっと早い段階から、社会(経済)のことや、業界のことや、企業のことや、働くことを、リアルに知ってほしいと思っているし、その機会を、企業は提供すべきだと思っている。そうすると、学生と企業との接触は、超早期化するわけで、その結果としての「青田買い」が行なわれることも、是としたいと思っている(もちろん、そこには企業の良識が当然求められるわけだが)。

僕は、なにより大切なことは、企業が学生に求めていること(企業で活躍するために必要な、具体的な学力・能力レベル)を明らかにし、大学時代に修めなければならないことをキチンと謳うことだと思っている。そうすることで、学生は、間違った就職活動対策に翻弄されることなく、学問や課外活動にも励めるのではないかと思う。学生が勉強しないのは、必ずしも「青田買い」や「採用の早期化」が原因ではないと思っている。

これに対し、出口社長の意見は、先にあげたとおり、「大学生は大学を卒業したのちに就職活動をすべきであり、企業は大学生が学業に勤しんでいる期間は、(採用を前提とした)接触を一切行なうべきではない」という内容である。

理由も明快で、「大学は学生に勉強をさせるために、国から年間1兆5千億円もの助成を受けているのだから、それを企業が妨害するのは、犯罪に等しい」というものだ。また、「大学は、学力が一定レベルに到達していない学生を卒業させるべきではない」というご意見だ。

そして、「学生の親たちは、(大学卒業後は)子供を家から追い出すべきであり、経済的援助を一切すべきではない。そうする(経済的援助をしない)ことで、子供は食べるために、必死になって(夢や憧れだけではない)足元をみた就職活動を短期間に行なうようになる」というご意見もあった。

まとめると、

●企業は、大学在学中は学生に一切接触しない。採用活動は、学生が卒業したのちに行なうべき。

●大学は、学生にちゃんと勉強させる。勉強のできない(学士としての学力・知識・教養レベルに到達していない)学生を卒業させてはならない。

●そして親は、子供が大学を卒業したあとは(経済的自立を促すために)突き放す。

という内容だ。

たしかにその通りだ。出口社長のご意見に、思わず共感してしまう。

しかし、現実には大学での勉強だけをしていても、社会や企業に適応できない(結局は就職できない)学生もたくさんいる。過保護な親たちに、子供を突き放すことなんて(よほどの強制力がない限り)簡単にはできない。大学も、それ以前の問題(たとえば本来大学生とは呼べない子供を大量に入学させてしまっているなど)を抱えたところが多すぎる。

僕はそのように考え、「現実に、いま取り組める最善のことを我々は行なうべきであり、むしろ企業(社会人)と学生との接点は早期に創りだすべき」という主張をしている。

それに対して、出口社長のご意見はさらに明快だった。

「僕は、あくまで理想論や原則論を主張している。そうじゃなきゃいけないと思っている。一方で、釘崎さんは日々現場に携わっており、理想だけでは済まされない現状をたくさん見ている。だから現実論を展開されて当然。でも、理想や原則を掲げ続ける人がいないと、理想への架け橋(ブリッジ)が危うくなってしまう。理想論と、現実から理想に向けてのブリッジ論が、両方が存在することが望ましいのではないですか?」

なるほど。思わず唸った。

学生の就職と、企業の採用の問題には、なかなか簡単に「ここをこうすればいい」というものがないのだが、「理想の姿」を描き続けることの大切さを、あらためて教えていただいた気がする。

うわ。なんだか、たくさん書きすぎてしまった。

僕の拙い文章力と表現力では、なかなか出口社長の真意が伝わりにくかったと思うが、ぜひまた別の機会をご用意して、多くの企業(経営者や人事責任者)の方々のまえで、自論を語っていただけたらと思う。そして、僕は、いまいちど理想の姿と、現実を理想に近づけるための施策(もちろん正しいビジネスとして成立するもの)を考えていきたいと思う。

出口社長、お忙しいなか、貴重な意見交換の機会をいただき、本当にありがとうございました!!

そうそう、余談をもうひとつだけ。

帰りのエレベーターのところまで出口社長にお見送りいただいたのだが、そのときの丁寧な(僕に対しての)お礼の言葉と深いお辞儀。エレベータが閉まったあとに、ジーンと感動が込み上げてきた。本当にスゴイ人というのは、礼節をもっとも重んじる。相手がどんなに年下の人間であっても、顧客であってもなくても(僕はもちろん顧客ではなく業者なのだが)、ビックリするくらい謙虚で腰が低いものなのだ。

2月最後の週末の日

2011年2月25日 (金曜日)

つい先日2月が始まったばかりだと思っていたら、本日はもう2月最後の金曜日。2月は28日までしかないので、来週の火曜日からは、もう3月。月曜日は夕方から福岡に飛ばなければならないので、実質的に東京で過ごす最後の平日だ。

早いなあ。まずいなあ。間に合うかなあ……と、ざわざわしてくる。

いま実は、5月以降のことについて、あれこれ思案をしている。

いくつかの選択肢のなかから何を選ぶか。そもそも、その選択肢でいいのか。もっと他のことを考える必要はないのか。できるのか。資金はどうする。人はどうする……。

明日は丸1日休もうと思っているので、熟考してみようと思う。

きょうは、午後から夜まで、社外の方々との打ち合わせがびっしり。僕とは全然違う思考や思想や経験やスキルを有している方々だ。刺激をたくさんいただいてこようと思う。

大阪に向かっている日

2011年2月24日 (木曜日)

いま大阪に向かう新幹線の中(朝6時ジャストの始発、のぞみ1号に乗った)。

そして、先ほどまで約30分ほどかけて日記を書いていた。

ところが!

あーあ。消えちゃった。

LANの接続が切れてしまって、投稿途中のものがすっからかんになった。投稿前にメモ帳に保存しておけばよかった(涙)。

もういちど書きなおそうと思ったんだけど、同じことを二度書くのは、どうも気が進まない。

ということで、きょうはグレて、日記はお休み!

これより新大阪まで、読書モードに入ることにしましょう。

いやあ、昨日はいろんなことがあった日だった。

午前中は、地味な事務作業。銀行さんの対応を済ませ、社員の給与改定(パフは年に2回の昇給があるのだ)のための作業をやっていた。

これら作業が終わり、大急ぎで五反田へ。

五反田にある(人気企業ランキングでは健気な努力で上位に入っていた^^)某BtoB超大企業にお邪魔した。

以前の採用担当者で、現在は営業部門のマネジャーを行なっている方が、とある催しものに、僕をVIP待遇で招いてくださったのだ。差し障りがあるかもしれないので具体的には書かないが、素晴らしい催しものだった。こういう体験ができたのは(その瞬間に限っては)、世界のなかで僕だけだったらしい(!)。

その後、そのビル内にある広々とした(庭園も見えたりする)ロビーで、ゆったりとコーヒーを飲みながら打ち合わせ。なんだか本当にVIPになった気分だった。超大企業恐るべし。すっかり大企業志向になってしまった(苦笑)。

 

そして、途中は割愛して夜のこと。

某大手人材系企業の社長との会食。これからの就職と採用や、新卒採用領域のビジネスの在り方について、貴重なご意見をいただいた。ビッグニュースもお聞きした。時が来るまでは絶対誰にも言えないけど(!)。

 

昨日の予定は、ここまでのはずだった。

しかし!

ここから、思いがけず長い夜が始まったのだった。

実は五反田でVIPな待遇を受け終わった後に、手元のiPhoneでTwitterを覗いてみたら、常見陽平さんから「釘さん、私の番組に出て頂けますか?」というお誘いが入っていたのを発見したのだった。

夕方の4時くらいだったかな。そこから「いっすねー」とつぶやき返したら、すぐに常見さんから電話が入り、あっというまに夜の11時から対談を行なうことが決まってしまったのだった

場所は、立石方面にある常見陽平宅。

お邪魔すると、常見さんの美人妻(いわゆる奥さんですね)が気持ちよく出迎えてくださった。奥さんには、前々からいちどお会いしたかったのだ。感激だった。

常見さんのことはそっちのけで、しばし、奥さんとの会話を楽しんだ。二人の馴れ初めなど含めて、いろんなお話をお聞きした。この奥さんがいるからこそ、常見さんはストイックに頑張れているんだろうなーと思った。本当に、できた奥さんなのである。

話し込んでいるうちに放送時間が来てしまった。「く、釘さん、そろそろ!」と、常見さんが書斎から僕に声をかける。僕は慌てて常見さんの書斎に駆け込む。

ほとんど打ち合わせらしい打ち合わせもしていないのだが、テーマだけは決まっていた。

「就職人気企業ランキングのバカヤロー!」である。

いやあ、緊張した。というか、恥ずかしかった。というか、落ち着かなかった。

だって目の前に誰もいないのにもかかわらず、正面を向いて笑顔で話さなければならないのだ。33年前、ザ・ベストテンに初出場したときの松山千春を思い出した。それまでは頑なに出演を拒んでいた松山千春だったが、スタッフの熱心な誘いを断り切れず、「一度だけ」という約束の出演だった。カメラに向かって、「おれ、(カメラに向かって歌うことが)寂しいよ…」と、松山千春はつぶやくのだった。

※そんな常見さんとの緊急対談は、こちらからご覧いただけます。

 

そうか。こんな風に映っていたんだな。いやー、恥ずかしいなー。でも、なんだかとても楽しかったな。

どうやら、僕はこれから準レギュラーになるらしい。

「破壊と創造の採用会議ustream版」でも面白いかもしれない。

ともあれ、ご招待くださった常見さん。そして美人妻の奥様。昨日は深夜までありがとうございました。また次回、がんばりましょうね!

さて、本日は(僕にとって)今シーズン初の、(職サークル協賛企業の)正式な会社説明会コーディネートである。これから4月まで断続的に全国各地に飛んでいく。

まずは本日は東京。

すべらないように頑張ろう。では、そろそろ(ご飯を食べて)行って来ます!

就職人気企業ランキングの愚

2011年2月22日 (火曜日)

昨日の日経新聞第二部は「広告特集」。この特集の第一面に掲載されている広告(しかも【全面広告】)は、就職情報サイト「日経就職ナビ2012」が、昨年の11月から今年の1月にかけて調査した、「就職人気企業ランキング」であった。

就職人気企業ランキングの愚かさについて、僕は、毎年この季節になると、少なくとも一度はブログやコラムで書いているのだが、僕に影響力がない(><)こともあって、なかなか世の中から消えることがない。でもまあ、本日の日経新聞は、【全面広告】として扱っているので少しはマシかもしれないな(笑)。

学生の皆さんには、このランキングが、企業の実力を評価したものではないことを理解しておいていただきたい。就職情報各社が発表しているランキングのほとんどは、その就職情報会社のメディアに出している広告量と広告タイミングと広告予算と密接な相関関係がある。そういう性質のものであるということを、冷静な目で見てほしい。

「就職人気企業ランキング」を分かりやすい言葉で表現するならば、こうなる。

 

「業界のことも会社のことも仕事のことも、まだ全然理解できていない時期の学生が、ちょうどアンケートが送られてきたタイミングで目にすることの多かった広告に左右されながら、イメージ先行で『入社したい』と回答してしまった会社のランキング」

 

ということである。

このランキングは、お金さえあれば(そして少し優秀な広告プランナーがブレーンとしてついていれば)、操作可能なものなのである。

「この時期は、ちょうど就職人気企業ランキングの調査の時期ですから、集中的に調査対象の母集団に対してDMを打っておきましょう」というのは、就職情報会社の営業マンのよくある提案である。

就職人気企業ランキングとは、所詮、その程度のものなのである。

もっとも、アンケートと連動した広告の効果だけではなく、最終消費者向けの商品やサービスを提供していて、テレビCMなどが上手な会社もランキング上位に入りやすい。逆に、どんなに会社としての実力があろうとも、業界や市場の評価が高かろうとも、日頃、一般消費者向けに広告を打たないBtoBのメーカーなどは、ランキングに入りにくい。もし、一般に知名度のない会社でランクインしているところがあれば、それはその就職媒体(あるいは媒体読者)に、相当量の広告を、集中的に打ったのだろうということが推測できる。

そもそも、この手のランキングは、会社の経営者や役員クラスが、やたらと気にするから厄介なのだ。そして、発表されたランキングがライバル会社に負けていようものなら、採用担当者は経営者や役員から、こっぴどく怒られてしまう。

嗚呼、悲しきかなサラリーマン。怒られると自分の評価や出世に響くので、ランキング対策に相当な予算を申請してお金を使う。そして、ライバル会社よりも上の順位を獲得して、ほっと胸を撫で下ろす。その姿をみて、広告営業マンたちは、「いやー、良かったですねー。今年は一気にランキングが上がりましたよ。しかも、ライバル会社に10位以上引き離しましたよ。来年はぜひベストテン入りを目指しましょうね(イヒヒ)」と、採用担当者に囁くのだ。

もちろん、こんな就職ランキングでも、「上位に来ることが会社のブランディング戦略として正しいこと」とするのは、その会社の考え方次第なので、文句を言う筋合いではない。

ただ、学生の皆さんには、このランキングの構造をよく理解しておいてもらいたい。決して、このようなランキングに惑わされないでほしい。ランキングに登場しない会社のほうが圧倒的に多いということを理解しておいてほしい。世の中の(新卒採用を行なっている)会社の99%以上が、ランキングに登場しない会社なのである。そこにこそ、皆が入社後、活躍できる会社が隠れている可能性が高いのだ。

 

※ちなみに、昨年はこんな記事を書きました。⇒ 就職人気企業ランキングのことを書く日

「こんなくだらないものやめちまえ!」…なんて吠えてます。昨年は今年よりも口が悪かったんだな(笑)。