パフ代表の徒然ブログ「釘さん日記」

『YAWARAちゃん』というのは、ご存じ、柔道の谷亮子選手のこと。日本国民のヒーロー…、あ、女性だからヒロインだ。

僕らの世代にとっては、谷亮子よりも、田村亮子のほうがしっくりくる。また、現在の姿よりも、中学生、高校生、大学生のころのYAWARAちゃんの姿がいまでも鮮烈に記憶に残っている。「こんなに強い選手がいるのか」というくらい強い女子柔道家だった。

#ちなみにYAWARAちゃんという愛称は、浦沢直樹の漫画『YAWARA!』の主人公、猪熊柔にちなんでつけられている。

 

きょうは、このYAWARAちゃんの5回目のオリンピックの日。一回戦から、ずっとテレビで観戦していた。

「ママでも金」と自分自身にプレッシャーをかけて臨んだ今回の北京オリンピック。しかし、テレビを通して見えるYAWARAちゃんの顔色はなんとなくさえない。一回戦、二回戦、三回戦と順当に勝ってはいたのだが、なんだかいつもの彼女の顔ではない。なんというんだろう。全身から漲るオーラが感じられなかった。昔はテレビ越しであっても、ビンビンに伝わってきていたのだが。

 

不安は的中してしまった。準決勝の残り30数秒のところでくらったまさかの指導。YAWARAちゃん本人だけでなく、この試合を見ている誰もが「え?」という判定ではなかったか。

結局、この指導のポイントだけの差で、YAWARAちゃんの金メダルは消えてしまった。

残念無念。負けたのが対戦相手にではなく、審判だったというのが悔やまれる。釈然としない。

だが、さすがYAWARAちゃん。三位決定戦では、鮮やかな払い腰を決め、一本勝ちした。堂々たる銅メダルだ。この勝ち方をみても、実力差は他の選手をまだまだ圧倒しているのは歴然であろう。

 

おそらく今回のオリンピックを最後に現役を引退するのではないかと思われるが、20年近く日本の柔道界を盛り上げてくれたYAWARAちゃんに、最大限の敬意をもって、「おつかれさまでした」と言いたい。

さて、そうはいっても、ひとつの時代が終わってしまったという喪失感は消えない。次なるヒーロー、ヒロインが生まれるのはいつになるのであろうか。我々を夢中にさせてくれるヒーロー(ヒロイン)の登場を切望する。