パフ代表の徒然ブログ「釘さん日記」

50年間生きてきても、まだまだ経験したことのないことが、山のようにたくさんある。行ったことのない場所も、たっくさんある。

(特に少年時代)興味・関心があり、一度ぜひ行ってみたかった場所がある。でも、なかなか機会とお金に恵まれず、今日まで行けずにいた。昨夕は、そこに生まれて初めて行くことが出来た。面白かったなー、楽しかったなー、幸せだったなー、リッチだったなー。

詳しく書くことはできないのだが、まあ一種のライブである。テレビで観るのとは大違い。テレビカメラには映らないものがライブにはたくさんある。特に「空気」ってやつだな。やっぱりライブはスゴイ。機会をくださったMさん、ありがとうございました!!

ところで先週(5月13日)は、我々の業界最大手であるリクルートが、第50期の決算を発表した。

(詳しくはこちら⇒ http://www.recruit.jp/company/data/result/year50.html )

予想通りではあるが、人材領域の業績は前年比で相当に落ち込んでいた。激減といってもよい。

とはいえ、やっぱりすごいのは、あそこまで売り上げが減っても、きっちりと利益を確保していること。もともと(単体としての事業は)高収益体質なので、売上が激減しても赤字には陥りにくいのだ。また、前期に特損を一気に吐き出していることで、今期の最終利益では、むしろ昨年を上回っている。なにより現預金と純資産が厚いのが羨ましい。でも、だからこそ、心ある社員たちは危機感をもつんだろうな。個人的には、いつまでも憎いほど強いリクルートであってほしい。全盛期の北の湖や朝青龍みたいにね。

一方で、我がパフも、リクルートの決算発表の翌日、第14期第3四半期決算を株主の皆さん向けに発表した。パフの場合は、昨年の9月に市場への登録を廃止したので一般の方に決算内容をご覧いただくことはできないのだが、まあ時節柄、好決算とは言い難いかな。でも、風向きはまちがいなく追い風になってきている。この一年間は守りに徹してきたけれど、そろそろ攻めに転じる時機のようだ。本決算まであと一ヶ月半。これから最後の追い込みなのだ。

#株主の皆さんは、こちらからログインしてご覧ください。⇒ https://peac.jp/pmgroup/

で、本日ご紹介したかったのは、これ。⇒ http://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2009/index.html

経済産業省が昨年発表した「通商白書2009」である。昨年はこの白書の作成を、僕のお友達でありパフの応援団でもあるSさんが中心になり行った。

Sさんとは、もう10年以上のお付き合いで、当時Sさんは、旧通産省から旧労働省に出向していた頃だった。やたらと批判されることの多い官僚のなかで、古い枠組みや組織に囚われずに、新しいことにチャレンジしている志高きキャリア官僚のSさんに感動させられたものだった。

以来、年に1、2回会うくらいの緩いお付き合いではあるのだが、要所要所では必ずパフに顔を出してくださる。3年前の10周年式典のときなどは、当時の赴任先の仙台から駆けつけてくださり、滞在時間30分ほどで、(大事な会議に出席するため)すぐに仙台に戻って行った。パフの式典に30分間参加するためだけに仙台と東京を往復してくれたのだ。Sさんとは、そんな(情に)厚くて(ハートが)熱い人なのだ。

そのSさん。僕が先日、社会人向けに描いたメルマガのコラム「どげえするんか」(「効率、効率、効率ばかりで寂しくならんか?」というタイトル)に対して、感想を寄せてくださった(先日の日記でも、そのことは書いた)。

その感想というのが次の内容(一部抜粋)。

> いつも楽しいメルマガをありがとうございます。

> 「どげえするんか」

> 効率だけでええんかい。

> そうですよね。

>

> 昨年私の書いた通商白書2009では「人」こそ大事とのパフの精神を引き継ぎ、

 > 人本主義を謳っております。よろしくです。

 > (第3章 コラム2631

 

Sさんが上に紹介している「コラム26」と「コラム31」というのが、すこぶる感動する。経済産業省の白書って、なんだかとっつき難いと思っている人も多いんじゃないかと思うのだが、このコラムを読めば、きっとそんな先入観も吹っ飛ぶと思う。

そんなわけで、以下このコラムを転載する。もちろんSさんにも了承をいただいている。休日でもありますので、皆さん、どうぞじっくりお読みくださいませ。

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コラム 26

寛容な社会、効率的な社会、幸福な社会

 敗戦後の日本が焦土から「奇跡の復興」を遂げたことは、多くの途上国の人々に希望を与えた。1988年から2000年までは、1人あたりのGDPでも米国を凌駕した(1998年の景気後退期を除く)。安物の代名詞だったMade in Japanは、今では高品質の象徴になっている。
 戦後の経済成長の過程で、日本社会はどんどん効率的になった。工場には次々と機械が導入され、電車は秒単位で正確に運行され、ムリ・ムダ・ムラは削られていった。経済成長、社会の効率化と言い換えても良いだろう。
 一方、近代化によって、社会の多様性と寛容性は失われていった。「Winner takes all.(勝てば総取り)」で、最も効率的なシステム・サービスが日本全国で採用されるため、日本中で同じような商品やサービスが提供されるようになり、地域の伝統文化や街並みも姿を消していった。同時に、地域のコミュニティーも失われ、昭和30年代の東京を描いた映画「ALWAYS 三丁目の夕日」15(中国・台湾では「幸福的三丁目」)にあるような牧歌的で寛容な社会も失われていった。

15 配給:東宝株式会社

 グローバリゼーションにより、新興国がいま日本と同じ道を歩もうとしている。人々は豊かさを求め、効率性を求めて、忙しい毎日を送るようになった。グローバリゼーションは、ちょうど水の上で大きな丸太を転がしているようなもので、誰かがその転がすスピードを上げると、自分も同じスピードで転がさないかぎり丸太から振り落とされてしまう。
 今回の金融危機を引き起こしたいわゆるウォールストリートの「マネー資本主義」は、まさに効率性の象徴であった。世界的な投資資金は、より効率的な運用を求めた結果、リスクが低く利回りがよいと評価された米国住宅投資証券に殺到したのである。金融立国である英国が、1人あたりGDPで2004年に日本を抜きかえしたのは、「ものづくり」より「マネーゲーム」の資本効率が良かったことを象徴している。
 日本は、「効率的であり、かつ多様な社会」を目指すことができる。すでに生産工程は少品種多量生産から他品種少量生産に変化しており、サービスも多様化して一人一人にあった旅行プランなどもネットで予約できるようになった。日本社会の世界最高レベルの効率性と社会の多様さ・寛容さが両立し、一人一人の個性が尊重される「幸福な社会」を創ることは決して不可能なことではない。これは、公害やエネルギー問題を克服した日本の新たな挑戦であり、グローバル化・近代化により社会のアイデンティティーを失いつつある世界の国々への貢献でもある。
 
コラム第26-1図 効率的で多様・寛容な社会へ

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コラム 31

「人本主義」の復権へ向けて

 今回の世界金融危機では、金融工学を駆使し徹底的に資本効率を高めた「金融資本主義」の限界が露呈した。しかし、世界が効率性を追求し、かつ資産超過が存在し続けるかぎり、「金融資本主義」は再び力を取り戻し、成長の源泉となる可能性がある。
 今世界で求められているのは、幸福の追求の「手段」であったはずのマネーが「自己目的」化してしまった「金融万能主義」に対抗する新たな軸である。それは、「人間中心の経済システム」=「人本主義」でなくてはならない。日本は「人本主義」による企業経営と社会運営の経験と実績を持つ世界でも希有な国であり、今こそ日本から「人本主義(人間中心資本主義:Human centered capitalism)を世界に改めて発信しなければならない。
 かつての経営家族主義による日本型雇用慣行、すなわち「長期雇用慣行」「年功賃金」「企業内組合」は、キャッチアップ型・途上国型の経済システムであり、経済成長率の低下に伴い人件費の高騰等さまざまな問題に直面した。1990年代後半からの日本経済の失速により、こうした日本的経営は世界的に注目されなくなったが、その中心にある「人こそが経営資源であり、企業は株主だけのものではなく、地域社会を含めすべての利害関係者を幸せにするために存在すべき」という経営哲学・モラルは、依然として日本のみならず世界で通用するものである。これは、短期的な資本効率を過度に重視するのではなく、長期的な企業の発展と持続性を重視する「株主」「経営者」「従業員」「消費者」「政府」の組み合わせでもある。
 少子高齢化が進む日本にとって、一人一人が貴重な資源である。だからこそ、日本は「世界一、人を大切にする社会」「一人一人が持てる能力をすべて発揮でき、イノベーションを進める社会」「一人一人が生きていて良かったと思える社会」に挑戦する必要がある。