タイガーマスクと就職人気企業ランキングでアクセスが多かった日
2011年1月12日 (水曜日)
いま「釘さん日記」の管理画面をみてみたら、昨日から急にアクセスが増えていた。何があったのかなとアクセス元を調べたら、常見陽平さんが僕のブログを紹介してくれていたのが原因だった。
常見さん、影響力あるなー。AERAにも美人妻とのツーショットがいい感じで掲載されていたし。いや、まじめに素晴らしい写真でしたよ。
常見さんが紹介してくれたのは2つ。ひとつは昨日徹夜明けに書いたタイガーマスクのコラムに関すること。もうひとつは、昨年の今頃、就職人気ランキングのことを批判したこの日記 ⇒ 「就職人気企業ランキングのことを書く日」
あいかわらず就職人気ランキングを高めることをモチベーションにしてらっしゃる採用担当者も多いのだけれど、そして気になるのも分かるのだけれども、みんなで無視する(あるいは、あんなの意味がない!と声を上げる)のもいいんじゃないかと思う。
ところで、タイガーマスクのことを書いたコラムを以下、転載しておこう。
コラムの中では書けなかったのだが、タイガーマスクをはじめとする昔のヒーローたちに僕らが共感したのは、単に正義の味方だったり、カッコよかったりという理由だけではない。
彼らは皆、「苦悩」していたのだ。人間の弱さと必死に戦っていたからなのだ。だから僕らは感情を移入しながら、頑張ってくれ、勝ってくれ!と応援しながら観ていたのだ。
では以下、「どげえするんか?」よりの転載です。
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【01】釘崎の「どげえするんか?」
第47回 タイガーマスクを、見習ってみんか?
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パフ代表釘崎が、現在の採用市場、就職活動、世の中のあれこれについて、
日々感じることを徒然なるままにお届けします。
※「どげえするんか?」=大分弁で「どうするんだ? どうしたいんだ?」
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寒い日が続いていますが、心の温かくなるニュースが、この3連休のテレビ
や新聞で報道されていました。
そうです。タイガーマスクです。
養護施設で暮らす児童たち。特にこの春、新小学一年生になる子供たちに、
ランドセルや文房具やお金を寄付しているのです。
しかも、全国いろんなところで……。
昨年のクリスマスに、群馬県前橋市で確認されたのを皮切りに、これまでに
全国14か所で確認されているそうです。
全員がタイガーマスクである伊達直人(だてなおと)を名乗っているという
ことですが、もちろん全員、本名ではありません。
また、全国14か所のタイガーマスク(伊達直人)は、(たぶん)同一人物で
もありません。
前橋の「タイガーマスク第一号」に影響を受けた全国のタイガーマスクたち
が、続々と立ち上がったのでしょう。
昨年のクリスマスのニュースを聞いたときにも、「へー、なかなかやるなあ」
と感心したものですが、この連日のニュースを聞くにつけ、感心から、すっ
かり感動に変化しました。
☆☆☆
この(タイガーマスクが全国各地に続出しているという)ニュースを聞いて
すぐに思い浮かんだのが、『ペイ・フォワード』という映画です。
・・・・・
人から受けた親切を、その人に返す(Pay Back)のではなく、次の人
に渡す(Pay it Forward)ことで、次々と善意の輪が広がる。自分が
行った親切に対して見返りを求めるのではなく「次に渡してほしい」
と、ただ願うだけ。
そうすることで、ついには世界をも変えることができる。世界中を温
かい人の善意の心で包み込むことができるはず。
・・・・・
『ペイ・フォワード』は、こう信じた主人公の少年が、心に傷を負った大人
たちを癒していく、という映画でした。
☆☆☆
私たちは、何か行動を起こすとき「それは自分にとって、どんな見返り(メ
リット)があるのか」と先に考えてしまうことが多いのではないでしょうか。
効率的な仕事や、合理的な考え方が求められるビジネス社会において、それ
はある意味、自然な思考なのかもしれません。
しかし、それが行きすぎると、「私は、あの人にこんなによくしてあげてい
るのに、あの人は私に何も返してくれない…」といったような、恨みや怒り
にも似た、寂しい感情に支配されることになります。
ひょっとすると、いまの世の中を支配している閉塞感は、こういうところか
ら生み出されてしまったのではないかと思えてきます。
「行動しても見返りがないのであれば、何もしないほうが得だ」という考え
が、私たちのどこかに巣食っているような気がします。
☆☆☆
そんな私たちに「爽快なる往復ビンタ」をくれたのが、今般のタイガーマス
クでした。なぜなら今般のタイガーマスクは、完全なる匿名での行為で、何
の見返りも求めていないからです。
推測ですが、全国に続出中のタイガーマスクは、私とほぼ同年代(あるいは
少し上)ではなかろうかと思います。
私たちが小学生だったころ、クラスのほぼ全員がブラウン管に食い入るよう
に、タイガーマスクのテレビアニメを観ていました。
毎週、番組最初のテーマソング(行けっ行けっ、タイガー、タイガー、タイ
ガーマースークー♪)に胸躍らせて、番組最後のエンディングテーマ(温か
いー人のー情けーもー、胸を打つー熱いー涙もー♪)で涙を流していました。
私たちは、このテレビアニメで、人が人を思いやる大切さを学んでいたよう
に思います。
「強いものは、弱いものを助けるものだ」
「大人たちは、子供たちを見守り育てるものだ」
「何よりも大切にしなければならないのは、正義だ。どんな苦境に陥っても、
フェアプレイだけは失ってはいけない」
そんなメッセージを、このテレビアニメから強く受け取ったのが私たちの世
代なのです。
だから、今般のタイガーマスクたちは、40代後半から50代半ばくらいの年齢
なのではないかと思うのです。あのころ、私たちに夢や希望を与えてくれた
タイガーマスク。私たちに、人としての大切なことを教えてくれたタイガー
マスク。そんなタイガーマスクを、もういちど世の中に復活させたいと考え
たのではないかと思うのです。
私も、いつかどこかで、タイガーマスクになってみたいと思うこのごろです。
☆☆☆
【今回のどげえするんか?】
いやあ、素敵やのう、タイガーマスク! 本当に偉いで、タイガーは……。
タイガーの今回の善意によって、ランドセルや文房具をもろた子どもたち
は、きっと大人になったら、タイガーのような優しくて勇気のある大人に
なってくれるんやないかと思うよ。
そういう意味では、40年前、テレビアニメの制作に携わったスタッフの皆
さんも偉かった。あん人たちがおったけん、今般のタイガーマスクがおる
んやもんな。いやあ、40年の歳月を経て繋がるもんやのー。
さあ、あんたはどげえする?どげえするんか?
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