新卒採用のために昔のコラムを掘り起こしてみよう(1)
2015年3月4日 (水曜日)
パフ自身の新卒採用をやるにあたって、やはり創業者である僕自身の原点や思想といったものを学生に伝えることは大事だと思っている。
そう思って、久々に昔書いていたコラムをザーッと眺めてみた。
僕は、創業2年目くらいから、学生向けのメルマガ(昔は『パフのメーリングニュース』と命名していた)を毎週月曜日に配信していた。
企業向けには、創業したばかりのころから(当時はメールがまだ普及しきっていなかったので)FAXをつかって、コラムというか、青臭い意見書のようなものを、採用担当者に一方的に送り付けていた。
不思議なもので、見ず知らずの起業したばかりの若輩者(当時僕は37歳だった)の偉そうな意見書を読んで、職サークルへの協賛を決めてくれる会社も少なからずいた。何を隠そう、いまでも協賛を続けてくださっている講談社もその1社だ。
ということで今日からしばらくは、パフを志望してくれる学生に読んでもらいたい昔のコラムを掘り起こして、転載していこうと思う(手抜きじゃないからね!)。
残念ながら、ホントの創業期(1997年末から2000年まで)のコラムはほとんど手元に残っていないのだが、それでも10年くらい昔までは遡ることができるので、目についたものからランダムに載せていこう。
まず第一回目は、2009年12 月10日 (木)に企業向けに配信した『どげえするんか』というコラム(5年間ほど連載していた長寿コラムだ)。
この回では、現在の職サークルや職サークルアカデミー(ウルトラインターンシップ)の原点に触れている。
応募者の皆さんにはぜひ読んでもらいたいコラムだ。
では、以下どうぞ!
【01】釘崎の「どげえするんか?」
第34回 『道』を教えんで、どげえするんか?
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パフ代表釘崎が、現在の採用市場、就職活動、世の中のあれこれについて、日々感じることを徒然なるままにお届けします。
※「どげえするんか?」=大分弁で「どうするんだ? どうしたいんだ?」
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冒頭で『論語』のことを杉平が書いていましたが、今ほど「人として」の教育が必要な時代はないのではないかと思います。
人々が、人として大事にすべきことを忘れ去り、自分自身のことだけで汲々としてしまっている状況が、世の中のあちらこちらで散見されます。
企業経営者も、政治家も、役人も、すぐ目の前のことには真剣に、そして懸命に取り組んでいると思います。しかし、それが本当に5年先、10年先の日本を見据えたときに、取るべき行動であり、進むべき方向であるのかという視点でみると、がっかりすることがあります。目的が自己の保身であったり、単なる“ええかっこしい”であったりすることが多いからです。
特に今の政治家たちには、しっかりしてほしいと思います。
たとえば、金融や経済や中小企業のことを理解していない大臣が、我こそが正義だと言わんばかりに、意味のない法案や政策を無理やり通そうとしている姿を見ていると、寒気や嫌悪感に襲われてしまいます。
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私は、中学生のときの3年間だけですが、部活で柔道をやっていました。
(さほど強くはなかったのですが、3年生の時に講道館柔道初段の段位をいただきました)
講道館柔道の創始者、嘉納治五郎(かのうじごろう)師範は柔道の目的を、「人間形成」と位置づけました。
そして柔道修行の究極の目的は、「己の完成」と「世の補益」であると定義づけました。
つまり、「心身を鍛えあげることによって社会に役立つ人間となる」ということを大事にしていたわけです。
すなわちこれは「道」であると考え、それまでの「柔術」という呼び名から「柔道」という名前にあらためました。このような高邁な理念があったからこそ、講道館柔道が世界に急速に広がっていったのであろうと言われています。
ちなみに、国際柔道連盟の規約では、
「国際柔道連盟は嘉納治五郎によって創設された肉体と精神の教育体系を、柔道と認める」
と、最初の第一条で定めています。
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そんな柔道であっても近年は、ただ単に勝ち負けだけに価値を置く風潮が強まってきていました。柔道ではなくJUDOに成り下がってしまった現状を、往年の柔道家たちは嘆いていました。また柔道選手たちのマナーの低下も著しくなってきていました。勝った者だけが偉く、負けた者は発言できないような空気もあったそうです。
そのことに危機感を覚えた柔道の指導者たちは「いま一度、柔道を通しての人間教育を徹底していこう」という声をあげ、取り組みを始めました。
その取り組みが「柔道ルネッサンス」というものです。ルネッサンス…。まさに「失われた古の素晴らしきものを復興していこう」ということです。
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就職や採用の世界も、柔道とまったく同じことが言えると思います。
この業界の古くからの創業者には、高邁な精神や理念のある方々が多かったと思います。「就職や採用を通じて人を育てる」という考え方を持った人事部の方々もたくさんいました。
ところが現在の就職情報業界が、就職と採用を大きな装置型ビジネスとしてしまったことから、人を育てるどころか、人をベルトコンベアで効率よく一括運搬できる「商品」として扱うようになってきましたし、企業(人事)側も、ベルトコンベアの途中で効率よく選別された、姿・カタチの整ったキュウリやトマトにだけ手を伸ばすようになってきました。
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このコラムでも何回も書いてきていますが、今こそ我々は、「若者を社会共通の財産」と捉え、すべての会社が自社の採用の枠組みを超えて、「若者を育てながら社会に送り出す」という気概を持つことが必要であると考えます。
まさに「就職・採用ルネッサンス」なのです。
我がパフでも、いまいちど、職サークルの理念を高らかに掲げながら、理想的な就職と採用の姿を追求していこうと考えています。
以下に、創業時に掲げた「職サークル協賛基準」を記します。
※職サークル協賛基準=我々が学生に推奨する会社の基準
●世の中に新しい価値を提供すべく努力している会社であること
●熱き思いでミッションやビジョンを語ることのできる会社であること
●道義を重んじ、ウソのない誠実な採用を行う会社であること
2010年を「職サークル・ルネッサンス」の年と位置付け、協賛企業の募集をあらためて行っていきたいと思っています。
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【今回のどげえするんか?】
いま我々が学生に説かなければならないのは、『術』ではのうて『道』なんじゃないかのう?
嘉納治五郎先生が仰った「己の完成」と「世の補益」。ここを目指して行きたいもんじゃ。
・・・あんたは、どげえ思う?