平均年齢80歳超のコミュニティのなかで過ごした日々
2012年3月27日 (火曜日)
先週末の土曜日、羽田発早朝6時過ぎの飛行機で大分に飛んだ。
ソラシドエアという格安航空会社で、搭乗口は空港の隅っこ。しかも飛行機のあるところまでバスに乗って行かねばならない。
飛行機は小さな機体で、まるで昔のプロペラ機みたい。
雨の中、タラップを使って乗り込んだ。
2時間後。
大分空港に降りるときにはビビった。
機体が小さかったからなのか風が強かったからなのか、滑走路に着陸する寸前激しく揺れた。着陸の瞬間にはドスンとワンバウンド。いやあ、さすがにたまげたな^^;。
大分空港から高速バスに乗って、わが故郷の湯布院へ。
今回は、いつもの帰省とはちと違う。
母親を、別府の高齢者施設に引っ越しさせるための帰省だったのだ。
母親は昨年の秋に脳梗塞で地元の厚生年金病院に入院。大事には至らなかったものの、その後ずっと病院でのリハビリ生活を続けていた。
そしてこのたび、めでたく退院の運びとなったのだが、もはや一人で暮らすのは危険との判断で、高齢者施設に移り住むことになったのだった。
母親は熊本で生まれ育ち、湯布院に引っ越してきて早45年。人生の半分以上を過ごした町を去るわけだから、思いは複雑だろう。
とはいえ感慨にふけっている暇はない。
身の回りの荷物をまとめ、(ご厚意でお手伝いを買って出てくださった)社会福祉士さんのミニバンに積み込んで、いざ出発。
別府の施設は、別府港から九州横断道路の坂道をえっちらおっちら車で15分ほど登った、坊主地獄、明礬(みょうばん)温泉という別府の観光地の傍にある。別府港から登る朝日も拝める、眺めのいいところだ。
土曜日の午後から月曜日の夕方まで、母親の新たな暮らしを始めるための、準備、準備、準備で丸三日間を過ごした。
坂道を徒歩で下って30分のところに大きなホームセンターがあるのだが、いちどに全部のものを買うことができず、3往復もしてしまった。両手にたくさんの荷物を抱えての坂道歩行は、マラソンのいい練習になったかも。
この3日間、僕も母親の部屋で寝泊まりし、施設の食堂で、他のご老人達と一緒に食事をした。
日曜日は、たまたま月に一度の「お誕生日会」が催されており、ご馳走を食べながらのカラオケ大会などにも参加させてもらった。
80歳を超えるおじいちゃんやおばあちゃんも元気に唄を歌っており、うちの母親もいい刺激をもらったのではあるまいか。
先に入居している先輩のおじいちゃん、おばあちゃん。施設の職員の方々。みんな親切な人ばかり。
高齢者施設というと、なんだか辛気臭いイメージがあるかもしれないが、そんなことはまったくなく、明るく爽やかな雰囲気に包まれた場所だった。
もちろん、住みなれた町を離れることになった母親の心中を想像すると辛いものはあるのだが、一日も早く新しい環境に慣れて、このコミュニティに溶け込んでくれることを願うばかりである。
そして昨日の夕方、ホームセンターから買ってきたホワイトボードに、上のようなメッセージを残して大分空港に向かったのであった。別れ際、母親のちょっと寂しげな顔が切なかったな。
これからしばらく、格安飛行機に乗っての大分往復が続く。
ソラシドエアさん、実は僕、高所恐怖症なので、飛行機をあんまり揺らさないでね(汗)。