新卒採用ビジネス事業者の倫理観
2019年8月7日 (水曜日)
これは僕の自宅の卓上カレンダー(ProFutureさんから年末にもらったやつ)に載っていた今月の川柳です☟
「頑張れど減ってく一方 内定者、唯一増えるは 採用コスト」
タイムリーというかなんというか。ちょっと笑えない感じですね。
『リクナビDMPフォロー』というサービスがあることを今回の一連の報道で初めて知りました。38社もの大企業が、うん百万円という大金を払って、自社の選考を受けている学生の「辞退確率データ」を購入していたということです。
その38社からは「内定辞退率が高そうだから採用しない」といった合否判定を行わないよう同意書にサインをもらっていたらしいですが、まあ、疑わしいですよね。
それよりなにより今回の問題を「プライバシーポリシーの表記」や「同意取得不備」といったことにリクナビが矮小化しようとしているところに疑問を感じます。
「え?問題はそこじゃないっしょ!」と、僕は思うわけなのであります。
リクナビを利用する際、長ったらしいプライバシーポリシーを隅々まで読んでいる学生がどれだけいるんでしょうか。おそらく多くの学生は「まさかリクナビが学生の不利益になるようなデータの扱いをするはずがない」という信頼のもとに「同意する」のチェックボックスを盲目的にクリックするのではないでしょうか。
とすれば、今回のことはその学生の信頼を裏切ったことになります。
「あなたの内定辞退確率をあなたの行動履歴をもとに算出して企業に伝えます」といった文章がプライバシーポリシーにあれば問題なかったんだよねー、なんて思わないでほしいのであります。
手前味噌ですが、パフのコーポレートサイトに載せている「代表あいさつ」の冒頭では次のような一文を載せています。
「まだ社会で働いたことのない若者たち」を対象とするこのビジネスには、高い倫理観や道徳観が求められています。
このビジネスを行うものは皆、若者一人ひとりの人生に重大なる責任を持たなければなりません。ウソをつくのは問題外。決して不誠実であってはなりません。
新卒採用ビジネスに従事する者たち、そして企業の採用担当者たちに有していただきたい当たり前のスタンスを書いたつもりです。
さらに次のようなことも書いています。
私たちパフは、創業時から「顔の見える就職と採用」というポリシーを掲げて事業を営んでまいりました。就職ナビの普及によって「本当の姿」が見えづらくなってしまった就職の現状に、一石を投じたいとの思いからでした。効率性のみを追求し、人間性を失ってしまった採用の現状に、警鐘を鳴らしたいとの思いもありました。
「世界で、たったひとりのあなたのために」という企業理念は、人間の一生を左右する大事な局面に携わるものとして、「一人ひとりの幸せを追求する事業者でなければならない」という私たちの決意でもあります。
今回のリクナビが引き起こしたことを目の前にすると、なんだか皮肉なメッセージのように見えますが、これはもう10年くらい前に書いた原稿です。
「どうだパフすごいだろ」って言いたいわけではなく、我々自身、いま一度ここに書いているスタンスを忘れちゃいかんぞ!ということを内外に表明するために紹介させていただきました。
ということで、年に数回だけマジメなことを書く「釘さん日記」でした。
実は本日、倫理的に問題のある、とある企業の人事担当者と代表者宛てに訪問することになっています。パフの仕事抜きで。
話がちゃんと通じればいいのですが……。
あ、その前に、きょうはパフの8月度キックオフミーティングでしたね。では、前月までの業績データをまとめたうえで行ってきます!