電卓さん、30年間ありがとう!
2013年12月3日 (火曜日)
僕が昔SEだったことを知っている人は、いまはもう少なくなってしまった。
が、20代のときは(信じてもらえないかもしれないが)かなりイケてるエンジニアだった。難しいプログラムもビシバシ組んでいた。
で、昔のSEにとって必携だった武器が、16進数や8進数や2進数を扱える電卓。そして、僕は計測制御系のシステムを組むことが多かったので、三角関数や対数を扱える電卓も必要だった。
いまから30年前の話である。
そのような機能をもった電卓は、かなり高価だった(といっても、2万円前後だったと思うけど)。
仕事に必要なものなのだが、そんな高価なものを買ってもらえるほど会社も裕福ではなかった。というか、先輩エンジニアのみなさんは全員自腹で買っていたので、自分だけ会社に買ってもらうのも気が引けた。
大学を卒業して、システムの仕事を始めて、半年ほど経った頃だったと思う。寸志程度の賞与(2~3万円くらいだったと記憶している)をもらった。
その賞与のほぼすべてをはたいて買った電卓がコレ。
すごいっしょ。
BIN(2進変換)、OCT(8進変換)、HEX(16進変換)、DEC(10進変換)は当然として、三角関数、(逆)双曲線、常用対数、自然対数、(使ったことはないけど)複素数計算までできてしまうのだ。
23~24歳のころ、なけなしのお金をはたいて買ったこの電卓が、昨日、ついに壊れた。
電源を入れても液晶に数字が表示されなくなってしまった。
数日前から表示が薄くなってきたなあと思っていたのだが、本日ついに逝ってしまったのだ。
辛いときも悲しいときも。そして、嬉しいときも楽しいときも。30年間ずーっと苦楽をともにしてくれた電卓。
この20年間くらいは、三角関数のボタンや対数のボタンはもちろんのこと、16進数のボタンさえも押すことはなかったのだが……。
たかが電卓、されど電卓。
僕の若い時の仕事を、コンマひとつの計算間違いをすることもなく(あたりまえか?)サポートしてくれた電卓に、最大限の感謝をしよう。
電卓さん、30年間ありがとう!
<追記>
いまこの日記をプレビューしてビックリしたのだが、なんと上の電卓の写真、消えていたはずの液晶に「0」の数字が浮かんでいる(゚д゚)!
でも、手元にある電卓はやっぱり表示されないまま。
写真を撮った瞬間、電卓さんが最後の力を振り絞ったのだろうか。不思議な現象。オカルトというかファンタジーですね、これは(;^ω^)。