「就職活断層」というコトバを世の中に発表した日
2010年6月9日 (水曜日)
昨日は、HRプロさんの「HR戦略総合セミナー」でのパネルディスカッション開催の日。
HRプロの寺澤社長、就職ジャーナリストの(昨日は「変人の」って書いたな…)常見陽平さんと、就職/採用の問題について語り合うという企画だ、
下の写真は、開始前の常見さんと僕のツーショット。睨みあってるみたい。なんだかプロレスが始まる前の風景のようだ。
左:常見陽平(一橋大学プロレス研究会) 右:釘崎清秀(湯布院中学校柔道部)
実はこのディスカッション、以前三人で鰹のたたきを食べながら、就職・採用問題について、ああだこうだ大議論したことがきっかけで実現した。
三人とも知り合ってからまだ一年程度なのだが、ずっと昔からの同志のようだ。
僕は常見さんと、「破壊と創造の採用会議」なるものを主宰しているが、差し詰め今回のパネルディスカッションは、その番外編のような感じだった。
打ち合わせはほとんど何もやっていないのだが、ひとつだけ決めていたことがあった。
それは、このパネルディスカッションの最後に、「就職氷河期」ではない言葉を提案するということ。
そもそも、現在の就職難の状況は、ひと昔前の「就職氷河期」とは異なっている。「就職氷河期の再来」などとマスコミや採用コンサルタントの類が安易に言っているが、それは本質を理解していないことの証左だ。現在はたしかに就職難ではあるのだが、同時に採用難でもある。学生は就職に苦労しているし、企業は採用に苦労しているし、人材業界はビジネスに苦労している。すべてがまったく噛み合っていないのだ。
我々3人は、この現象を、その原因からこう名付けることにした。
それは、
『就職活断層』
である。
活断層とは、地震や地滑りを引き起こしている根源。学生と企業のずれ、大学と企業のずれ、時代の変化とのずれ……。このまま放っておくと、そのうち大きな惨事となってしまう。
なかなか、うまい!(と自画自賛)。
特別に、この名前が決まった歴史的瞬間(3人のメールのやりとりの中身)を公開しちゃおう。
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Sent: Wednesday, May 19, 2010 10:48 PM
To: '常見 陽平(Yohei Tsunemi)'
Cc: 'k.terazawa'; Puff Kugisaki(Office)
Subject: RE: Re: セミナータイトルについて
常見さん、(cc:寺澤さん)
お疲れ様です。釘崎です。
3人のパネルディスカッションのセミナーのタイトル、どうしましょうかね。
(中略)
3人で行うパネルディスカッションは、その分(?)少し尖ってもいいかもなぁと
思っています。
寺澤さんの、「就活断層」をみて、そうだ!と思ったんですが、
「活断層」って、地震や地滑りを繰り返し引き起こしている諸悪の根源ですよね。
「就職活断層」(略して就活断層)って、なんだか素敵ではないかと。。。
なので、たとえば、寺澤さんの案とミックスして、
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現在の新卒採用システムはもはや限界か?
就職/採用問題のスペシャリスト3人によるパネルディスカッション
企業と学生のミスマッチを引き起こす「就職“活断層”」の正体を暴く!
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なーんていうのは、いかがでしょう?
(以下、省略)
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もともとは、HRプロの寺澤社長の発案で、そこに常見さんと僕がかぶせながら完成していったのだった。このメールの段階では、パネルのタイトルだったのだが、パネルの最後に、どーんとキーワードを発表しよう、ということになったのだ。
この活断層こそ、現状をみごとに表した言葉である。
この日記をご覧のみなさん、特にマスコミの皆さんには、ぜひこの言葉を今後はご利用いただけたらと思う。
さて。ところで本日は、いよいよ僕のパフ社長としての講演の日。プレゼンする内容は「職サークル」で決まりなのだが、具体的にどんなお話をするかは、今現在、まだ決めていない。講演の開始時間まで、あと8時間。もう少し考えてみることにしよう。