パフ代表の徒然ブログ「釘さん日記」

きょうの日記は、珍しく真面目なことを書こうと思う。

しかも、「某大手就職情報会社」とか「某R社」といった暈(ぼか)した呼び名ではなく、実名で「リクルート」という社名を使う。リクルートの社員たちに、出来る限りの愛情を込めて書こうと思う。

厳しいことも書くが、業界の将来のことを考えたうえでの苦言である。どうか許してほしい。

—–
リクルートは今年で創業50周年を迎えた。奇しくも僕と同い年だ。

創業以来、企業の新規学卒者採用と学生の就職活動に多大なる貢献をしてきた同社に、尊敬の念を込めてお祝いの言葉を贈りたい。本当におめでとうございます

同社のことを尊敬するのは、就職や採用を大きなビジネス市場として創造し、育ててきた功績に対してだけではない。

この50年間、一般の企業では考えもしなかった(考えたとしても勇気がなくて実行できなかった)ような、奇想天外な事業や組織や仕組みを、これでもか!というくらい生み出してきたこと。同時に、その事業や組織を通じて、普通の企業に勤めていたら凡人(あるいは変人や奇人)で終わっていたであろう人材を、世の中に有為な人財として輩出してきたことに対してだ。

僕も、このリクルートに、かつてお世話になった人間のひとりである。

ただし僕の場合は、中途半端な年齢(22歳。大学4年生)で、中途半端な期間(一年弱)を、中途半端な立場(A職と呼ばれたアルバイト営業マン)として、働いていたので、有為な人財として輩出されたわけではなく、中途半端な人材として放出された、まさにハンパ者である。

おっと脱線しそうだ。元に戻す。

たった一年間ではあるが、リクルートで学んだことはたくさんあった。リクルートが縁で出会った大切な人たちは数限りない。また、リクルートでの一年間の経験がなかったとしたら、僕の人生はきっと平凡で退屈なものになっていたのではないかと思うし、パフという会社は絶対に生まれていなかった。それだけは断言できる。

そんなわけで(ハンパ者の僕ではあるのだが)、リクルートに対する尊敬の念や感謝の念は一般の方々よりも遥かに大きいのだ。

だからこそ、最近のリクルートの社員たちには、つくづくガッカリさせられる。

昨年の今ごろも憤慨して、こういう日記を書いた。(クリックするとリンクされます)⇒ ナビに頼らない(騙されない)ことが必要だと痛感した日

この日記を、就職ジャーナリスト(でいいのかな?)である常見陽平さん自身のブログで取り上げてくださった ことがきっかけで、僕と常見さんが知り合い、「破壊と創造の採用会議」なるものを立ち上げたのは、リクルートにとっては皮肉な話であったろう。

余談だが、僕らが執筆したブログは、リクルート内部で(ごく一部の部署だったのかもしれないが)「要注意人物の要注意ブログ」として印刷され回覧されたらしい(苦笑)。

そして、昨年の夏の(2011年度新卒企画=リクナビなど新卒採用企画の)営業シーズンでは、さらにガッカリさせられることが起きた。

就職ナビではリクルートに追いつくほどに勢力を増してきた毎日コミュニケーションズ(マイコミ)の「マイナビ」との仁義なき戦い、いや、見苦しい戦いを演じてしまったのだ。

具体的に書くと、マイナビとぶつかった場合、際限のない値引き合戦を繰り返したのだ

「自社の商品価値を損なうようなことをなぜするんだ?」と現場のマネジャーに問うたことがある。その返事にさらにガッカリさせられた。

「だって、あちら(マイナビ)が先に仕掛けてきたことですから……」

市場を創造し、業界をリードしてきた会社の営業マネジャーの発言として、最低最悪のものである。本当に嘆かわしい。

地方の同業者から聞いた話では、リクルートの直販部隊がマイナビと営業でぶつかった場合、「無料でのリクナビ提供」も認められていたそうだ。・・・終わっている。

いま就職情報誌業界は、かつてないほどの激震に揺れている。多くの同業者(特にリクナビやマイナビの代理店)は瀕死の状態で喘いでいる。

この業界の特異性として挙げられるのが、代理店が多数存在するにもかかわらず、直販(媒体社であるリクルートなど)の営業部隊も多数存在していることだ(テレビや新聞などのメディアでは、媒体社の営業マンは広告代理店をサポートするだけで、自分たちが直接広告主に売り込むことは稀だ)。

(リクルートやマイコミなどの)直販部隊は、値引き合戦を行ったとしても(情報メディアは利益率が極めて高い商品であるため)、全体でみれば赤字に陥ることはない(実際リクルートは、これだけ売り上げが落ち込んでいても、相変わらず高収益を維持している)。

しかし代理店はそうはいかない。仕入れ価格が定価の○○%と決められているので、値引き合戦にひとたび巻き込まれると、利益が出るどころか逆ザヤになってしまうのだ。それでも取引先を失いたくないので代理店は赤字を覚悟で値引きをする。結果として自ら会社に致命的な打撃を与え、悲しい末路を辿ってしまうのである。

リクルートは、この節操のない値引きによって、自らの価値を貶めたばかりか、(今までリクルートの媒体を販売し利益貢献してくれたはずの)同業者を崖っぷちに追いやってしまった。

「だって、不況で雇用環境が急激に悪化したわけですから。企業の値引き要請も半端じゃないですから……」と言い訳するのだろうか。

二番手、三番手の会社ならば、そういう言い訳も許せるかもしれない。そして、定価を改定するのならばまだ許せる。不況で苦しんでいるユーザー(採用を行う企業)にとっても、採用コストが安くなるのは喜ばしいことだし。

しかし、定価があってなきがごとしの値引き合戦は許せない。業界のリーダーたるリクルートは、決して行うべきことではなかった。

パフは幸い(大きな母集団を形成することだけを目的とした)自社媒体から撤退しているので(母集団が必要なお客様には、そのお客様にとって本当に必要なメディアを考え、選んで、提供することにしているので)、この節操の無い値引き合戦には巻き込まれずに済んだが、仲のいい同業者の恨み節を聞くたびに虚しさと怒りがこみ上げてくる。

実は、同様の愚を、リクルートはいまリクナビ以外の営業でも犯そうとしている。

これは、我々パフが、いままさに害を被りかけていることである。

長くなってしまうが、この際だから説明しよう。

—–

パフがいま多くの企業に提供している内定者向けのコミュニティシステム(PNCSという商品)を、リクルートも今週のアタマから正式に提供し始めた。つまり競合になったわけだ。

「え?なぜパフの商品をリクルートが売ったりするの?」と思われるかもしれない。

実はこの内定者向けのシステムというのは、商品名は異なるものの、パフが売っている商品と、リクルートが販売しようとする商品の開発元は同じで、まったく同じ仕様のシステムなのだ。

つまり我々(パフやリクルート)の自社開発品ではなく、開発元からのOEM商品なのである。

これを、我々の営業先に対して、節操のない値引きでリクルートが仕掛けてきたのだ。

 

「パフから買っても我々から買っても同じシステムですよ。だったら私たち(リクルート)から買ってください!」

「次年度のリクナビ(などの商品)から(通常の値引き額に加えてさらに)このシステム導入分の費用を割り引く。結果としてタダで提供するのでパフからは買わないで欲しい」

たまたまこの話を持ちかけられた企業の人事担当者が、こっそりパフの営業マンに教えてくれたことで発覚した。

さらにリクルートの営業マンは、事実とは異なること(つまりウソ)を人事担当者に伝え、商談を有利に運ぼうとしていたことも分かった(事情を知らない人には分かりにくいことなので説明しないが顧客に迎合した大ウソだ)。

ついに地に落ちたか、リクルートの営業マンよ……。

この話を聞き、怒りを覚えるというより悲しくなってしまった。本日、このような日記を書こうと思ったきっかけでもある。

この日記を読んでくれているリクルートの心ある社員たちに言いたいことがある。

業界のリーダーとしての責任や誇りを失ってはいけない。

キミたちが今すべきことは、節操のない値引き合戦をして、自らの商品価値を貶めることではない。商品を適正な価格で販売し、適正な利益をあげ、その利益を使ってこの商品をさらに磨きあげて、ユーザーを幸せにすることだ。

OEM商品とはいえども、リクルートのブランドで販売するキミたち自身の商品なのだ。

そして自社の商品には、誇りと同時に愛情を持たなければいけない。

僕たちパフは、このシステム(内定者コミュニティ)を今から10年前に自社開発し、当時は存在しなかった市場を創造してきたという自負がある。

開発費やシステム保守の負担を軽くするために、今でこそ開発会社からOEM供給を受けているが、このシステムには我々の長年の血と汗とノウハウがたっぷり詰め込まれている。

システムの仕様は、キミたちが販売するものと寸分たがわぬものかもしれないが、このシステムに込められた我々の想いは、キミたちの想像を遥かに超えるものがある。そして、我々のシステムを導入してくれた企業(利用者である内定者や社員)を十分満足させるだけの運用ノウハウを、我々は提供する自信がある。

もしキミたちがタダでこのシステムを企業に提供したとして、我々と同じ価値をキミたちは保証できるのか?

キミたちは業界のリーダーである。業界のリーダーには、リーダーとしての役目があるはずだ。

そのひとつは業界を健全な形に育てていくことだ。

強大な資本力を笠に、節操のない値引合戦を仕掛け、正直なビジネスを行っている同業社を潰すことがキミたちの仕事ではないはずだ。

もちろん、正々堂々とした戦いは歓迎する。値引きも場合によっては必要なこともあるだろう。

しかしこれは、倫理観や道徳観の問題である。姑息な手段や、ましてや営業トークを逸脱した「ウソ」はついてはならない

キミたちの誇り高き先輩たちは、値引き販売を「恥ずかしい行為」として認めなかった。僕もリクルートで働いていたころは「値引きをするということは、自分たちの商品価値を自ら下げているということと同じで、実に愚かな行為である」と教えてもらった。その時はよく分からなかったが、自分で会社を興し、自社商品を持つようになって、そのことの大切さがよく分かるようになった。

とても長くなってしまったが最後にひとつだけ。

リクルートが創ってきた就職と採用の仕組みは、多くの学生や企業の役に立ってきた。リクルートのおかげで多くの人たちが幸せになった。

一方で、最近では少々行きすぎたのではないかという気がする。弊害を多く生んでしまったのではないだろうか。

ここらで、本気で学生と企業のために、いまの仕組みを変えてみないか?

キミたちには、お金も人材(知恵や営業力)も情報もある。いま欠けているのは志だけだ。

もういちど高い志を取り戻し、この業界を健全な状態に戻し、手前勝手ではない世のため人のためのビジネスを創ってみないか?

創業50周年の今年、ぜひ真剣に考えてほしい。

—–

本日の日記は以上です。

長文ならびに独善的な言葉づかいで不快になられた方もいらっしゃると思います。たいへん失礼しました。

しかしながら、ぜひ本日のこの日記を、多くのリクルートの社員・役員・関係各位にお読みいただければと思っています。そして、皆様のご意見を、ぜひともこの日記の下のコメント欄に書き込んでいただければと思います。

これまでに頂いたコメント

27件コメントがあります

  • atsuroさん

    元R、常見くんの同期の者です。
    ブログ、とても共感致しました。
    昔は値引きなんて許されなかったんですけどね、
    JJと同じように(Y社の雑誌に対して行ったように)
    すれば、勝てると思っている?
    所詮、愚行でしかありません。
    価値を発揮するDNAが日増しに弱まり、
    いつか手痛いしっぺ返しを受けることになると
    私は思っています。
    採用会議、頑張ってください。
    鹿児島より応援しております。

  • cashflow109さん

    元リクでHR畑を歩んできたものです。
    文末で独善的な言葉づかいをしたという事で、謝罪していますが、どうしても納得できない表現があるので、コメントさせて頂きます。
    >”中途半端な立場(A職と呼ばれたアルバイト営業マン)”と記載されていますが、この表現は不快です。
    Rで働く人の多くは、各々の立場で目的・目標を持ち、自己実現する為に、Rという場所を自ら選んで一生懸命働いています。そこに雇用形態の違いは関係ありません。
    A職=中途半端な立場という表現は、A職で働いてきた方・働いている方に対して、失礼な表現で、不愉快極まりないです。
    中途半端だったのは、あなたが中途半端だっただけで、
    A職=中途半端な訳ではありません。
    瑣末な事と思われるかもしれませんが、
    即刻、発言を取り消して下さい。

  • くぎさんさん

    cashflow109さん、丁寧かつ愛あるコメントをありがとうございます。
    誤解を招く表現でたいへん失礼しました
    cashflow109さんの仰る通りですね。「A職=中途半端な立場」では決してありません。正しくは「僕が、一年足らずで脱走した中途半端なA職だった」ということで、表現したかったことです。
    それにしてもA職というのは良い制度でした。僕が働いていた神田営業所には営業正社員は3名だけでA職が(入れ替わりはあったものの)5名ほど働いていました。Rに社員として入社した人(いまやRグループの社長)、他の会社に新卒一期生として入社した人(いまや某大会社の社長)、僕のように脱走しちゃった人、後に起業した人。能力も人格も胆力も抜群なA職ばかりでした。

  • くぎさんさん

    atsuroさん、励ましのコメントをありがとうございます。リクルートってやっぱり愛すべき会社ですよね。OBたちがここまで愛をもって注目している会社って、世の中にそうはないんじゃないでしょうか。それだけに、いまの若い社員たちには誇りを持ち続けながらのビジネスを展開していってほしいんですよね。決して、道義に反するようなことはしてほしくないんですよね。反面教師ではなく、若い世代の良き手本であり、インキュベーターであり続けて欲しいと願っています。

  • ポジカル白井さん

    ポジカル白井です。
    釘崎さんありがとうございます。
    とても共感します。
    すべてのリクルート社員がこのような状況ではないと思いますが、私の周りにも存在します。いっぱい。
    企業は人材です。
    その採用業界がつまらない人ばかりになってはいけないのです。
    本質的に良いものを正々堂々提供できる業界になりたいですね。
    採用業界も採用担当も学生も変わらなきゃいけないのです。
    関西では採用を変革したい熱い採用担当者が集まり、バッキバキの採用勉強会を昨年度よりスタートさせました。
    変革に向けて小さな1歩を踏み出しました。
    釘崎さん私も頑張ります。
    変革すると言っているだけでなく、みんなで行動しましょう。
    破壊と創造会議とてもワクワクする会議ですね^^

  • JUNさん

    釘崎さん。
    はじめまして。JUNと申します。
    私は派遣営業としてリクルートのHRD(以前の人教)に勤務後、関連会社に移り2年半ほど働いた者です。最後は残念ながら不本意な形で終了し正直悔しい思いをしました。しかしこの会社に入ったことは決してマイナスではなく、リクルートで働いたことは「誇り」であったと確信しています。
    ブログを読ませていただきました。
    釘崎さんの提案に共感しました。
    私も50周年を祝うというより、もっと誇りをもって、自信を持って仕事をしてもらいたい、同じ職場・会社の足跡を残した者のひとりの願いとしてツイッター上にタグ#r50thをつくり発信させていただきました。
    また情報交換させてください。
    よろしくお願いします。
    JUN

  • Sさん

    釘崎さん
    元R関連会社のSと申します。
    ご意見はよく理解できますし、私の同じような思いをした経験があります。
    ただこういった話はリクルートに限った話ではないと個人的には感じていまして、時間の経過と組織の膨張によって会社の不変的なポリシーが薄れてきている企業が多くなっているのだと思います。
    どんな価値を誰に提供するのか?社会性のある事業なのか?といった創業時の思いが失われかけた企業は存続自体が危ぶまれます。
    今回の提言がリクルート並びにその他多くの企業にプラスに響いてくれることを心よりお祈りします。

  • おっしーさん

    元R関連会社にいました。
    釘さんの日記に熱い思いになりました。
    派遣会社持ってるのに派遣切りをしたり、新卒採用やめたり、希望退社といいつつ退職勧奨バリバリにやったり。。。
    業界リーダーとしてのポリシーを本当に取り戻してほしいですね!

  • くぎさんさん

    白井さん、JUNさん、Sさん、おっしーさん、コメントありがとうございました。
    こう見えても気が弱いので、どんな反響があるかドキドキしていましたが、皆さんの好意的なコメントに勇気づけられました。
    この日記を見て(僕のことを心配して)「削除した方がいいのでは?」とか「せめて『R社』くらいにしておいたほうがいいのでは?」とのアドバイスを何人かの方々にいただきました。でも、僕も責任ある立場ですし、リスクを覚悟したうえで実名で語っているわけなのですから削除などする必要はないだろうと思っています。
    僕も小さな会社とはいえ経営者の端くれです。「キレイごと」だけでは、すべての物事は解決しないことも痛感しています。超大企業になってしまったRが、とてもたいへんな状況であることも理解できているつもりです。だからこそ、次の世代を担う若い人たちには、「キレイごと=理想」は失ってほしくないですよね。

  • 通りすがりさん

    同業者や競合社からクレームや恨みつらみのごとき思いを抱かれてばかり、というのは企業としては邪悪ですが、、
    このような愚痴を言われる程度なら、それはすなわち50年続いてきたリクルートの強さなのでは?と思いました。

  • emikoさん

    本日、14時からの某企業さまの会社説明会@大阪で
    釘崎さんがパネルディスカッションの際にご自身の
    サイトについて紹介されていたので、拝見させていただきました。
    まだ社会人じゃないというのは
    恵まれているのか、でも、社会人になる前には知っておくべきことなのか。
    「社会は理不尽だよ」と本日おっしゃっていたことを
    思い出しました。
    そんな私たちの知り得ないような苦く、厳しい部分も
    今回の日記を読みまして、少し理解できました。
    釘崎さんにはぜひこれからも頑張って頂きたいと思います。
    本日(あ、気づけば日が変わってました‥)は
    釘崎さんの絶妙なトーク楽しかったです。
    ありがとうございました。

  • くぎさんさん

    emikoさん、本日の午後の部に参加した学生さんですね。コメントいただき感激です。そう。社会は理不尽なことが多いです。皆その理不尽さと戦っています。そしてできる社会人は、その理不尽さに耐えながらも、理想の世の中に近づけるために、少しずつでも周囲に前向きな働きかけをしています。世の中を変えていこうとする意志と心の強さを持っているんですよね。学生は、こういう(実は必死に頑張っている)社会人の立場と気持ちを、もっともっと間近に見てほしいなと思います。キレイごとでは済まされないところもたくさん見てほしいなと思います。そうすることで、自分の進む道が真の意欲とともに見えてくるんじゃないかなと思います。
    まずは来年から社会人デビューできるよう、いまを頑張ろうね♪

  • greenの中の人さん

    共感できるところと出来ないところがあるというのが正直なところです。
    共感できるのは、R社の営業マンがプライドを捨ててまでモノ売りに走るスタイルに対する批判です。
    ただし、その他のご意見には若干の違和感を感じています。
    そもそもR社が価格で勝負を仕掛けてくるのは、至極全うな戦略だと思っています。
    差別化の図れない商品を売るときには営業力と価格くらいでしか買ってもらう理由がなくなります。
    業界のリーディングカンパニーであるR社が、価格で勝負を仕掛けたときに、同業他社こそ、価格戦略に付き合わなければ売れなくなるでしょう。
    こうなったときに最後まで生き残れるのは、一番体力のある会社=R社でしょう。
    これが至極全うな戦略であるという意見の理由です。
    少なくとも私もR社と同業ですが、R社と差別化の図れる領域で戦ってきた結果、昨年から正式に同じモデルのサービスを打ち出してきました。
    まさに貴社と同じ状況かもしれません。
    ただし、そんなことはずっと前から予想していたことで、むしろ予想よりも時間がかかったなという感じすらしています。
    時代の流れに合わせてビジネスモデルや領域を変えてくるのは当たり前の話で、会社規模が大きくなればなるほど、動きが遅くなるのはほぼ間違いないでしょうから、ベンチャー(中小)企業が先に始めて、どうやらそっちのほうがうまみがありそうだということが自明になってから大手が乗り込んでくるというのがよくあるパターンだと思います。
    このときに勝つ方法は、既に超えられない優位性を持っているかどうかだけなはず。
    大手が乗り込んできたときに、マネできないものを持っていれば、簡単には負けることはないでしょうし、潰されることもないでしょう。
    そういう意味では、求人広告の代理店で収益を上げていた会社でさえも、価格以外の何かでR社にマネできない付加価値を考えてこなければならなかったはず。
    これ以上長くなってもご迷惑なので、このあたりで失礼します。
    人材業界の中にいる人間として、まだまだアナログかつ進化が遅れている業界であるという危機感から、ついつい長くなってしまいました。
    もっと良い競争が生まれる業界にしていかなければ、求職者も求人企業も報われませんからね。

  • エスディーさん

    はじめまして釘さん。
    元リクです。現リクの方に紹介いただき、ブログ拝見しました。このお話を共感しながら、熱いものがこみあげてきました。そして輝かしいリク時代が残してしまった「既得権」を思いました。
    過去大リストラ後に再出発したオペレーション拡大の管理体制が、そのまま衰退期においても継続されています。管理職には責任はあってもなんら権限はなく、メンバーひとりひとりの強みである創造性を自由に発揮できないというわけです。名ばかり管理職体制を崩壊させる必要があります。現在の20代の営業選手には大変志しが高い人が多くいます。ここに期待をしています。その若手の芽を伸ばせず摘んでしまう既得権者の存在が大きな課題だといえます。
    営業部も編集部もその既得権者が権限委譲するのを待っています。自ら動けません。待てずに動いた勇気ある人は過去3度の大リストラでいなくなりました。
    皮肉な話ですが、その既得権を振り回しているのがアラファイブ。釘さんの世代の方になります。
    現リクを応援されるのであれば、パフさんのような企業が大成長することがアラファイブを動かす一番の刺激になりそうです。

  • ジャンボリー福田さん

    ジャンボリー福田です。
    この記事、話題になっているようですね。
    リクルートさんのことは、
    正直、よくわかりませんが、
    お話の内容は、とてもよくわかります。
    現在を生きる私たち一人ひとりの
    矜持が問われているのだと思います。
    そこに確かにあった「志」という名の炎は
    伝播して現在も無数に散らばって存在する
    といいますか
    まさに釘さんのなかに
    その一つがあるようです。
    この情熱が劫火のごとく
    多くの人々に広がっていくことを祈ります。
    「上から目線」とか、書き方はどうあれ
    この記事に込められたメッセージこそ、
    いま、求められている「元気の素」と思います。
    ちょっと、ここで
    うちわで煽いでおきますねっ。
    パタパタパタパタ……

  • NISHIMORIさん

    欠けているのは「志」という言葉に共感します。
    リクルートは、インターネットを創ることができたかもしれない企業。でも、今はインターネットという競合の脅威にさらされている。
    今はまだない新しい価値ある出会いを、企業や人との間で創造してきた企業、それが、今は創造をやめて、既存の資源を2次利用・3次利用することにエネルギーを注いでいる。
    市場を創造してきたリクルートには、自らも否定する勇気と易きに流れない強い意志があるはず。
    リクルートの経営幹部の皆さん
    次の50年を見据えた、新しい出会いの創造にチャレンジする勇気を忘れないでください。
    そして、是非、挑戦しつづけてください。

  • くぎさんさん

    釘崎です。
    みなさん、熱いコメントをお寄せいただきありがとうございます(お一人お一人にフォローのコメントがつけられずにゴメンなさい)。みなさんの愛と情熱に満ちたコメントに感激しています。
    実は昨日R社の経営幹部の方からも、この提言(苦言?)に対して、とても好意的で前向きな言葉を頂戴しました。とても感動しました。
    器の大きな経営幹部もまだまだいるリクルート。いま多くの方々から批判されている営業姿勢を見直してくれると同時に、志高き次世代のリーダーを生み出してくることと思います。そして、世の中を変革し人々を幸せにする商品やサービスをきっと生み出してくれるであろうと信じています。我々もリクルートに(本質的な競争においては)負けないように頑張りたいと思います。

  • ぽっぽさん

    釘さん
    はじめまして。元Rで、制作側で働いていた人間です。
    Rが、まさに他社との価格競争という喧嘩を買った
    瞬間に在籍していました。
    その当時、一緒に仕事をしている何人もの営業さんから、こんなことを言われました。
    「自分は、いままでソリューション営業をしてきた。
    Rが持つ幅広い商品を使って、企業の課題を
    解決に結びつけていたのに・・・今更
    モノ売りをしろというのか。」
    彼らの中には、元大手企業で活躍していながらも
    単なるモノ売りが嫌で、Rへ転職してくる人も
    多くいました。
    そばで彼らを見ながら、とても心苦しい思いをしたことを思い出します。
    その頃の私たちは、本当に理不尽な思いを
    抱え仕事をしていました。
    末端の社員が、働くことにやりがいを見いだせるような
    環境になってくれることを願ってやみません。

  • 新卒採用コンサルタントさん

    いつも興味深く拝見させていただいております。
    新卒採用支援に関わる者として、
    リクルートさんの戦略には、
    非常に愕然とした去年の夏を思い出しました。
    組織としての意思決定もですが、
    個人的にはCV職設立あたりから、
    リクルート全体の人材力の低下も
    非常に残念に思っています。
    掲載社数が減ったとしても、
    その付加価値に投資をしてくれる企業様と
    しっかり関係を築いていけばいい。
    そうすればいつか、
    リクルートに帰ってくるお客様が
    必ずいるんですから。
    彼らは、大きな間違いを犯していると
    強く感じます。
    「値引き?何ですかそれは?」
    の姿勢を貫き、自社の商品力と自身の提案力に
    絶対の自信を持っていた強く先輩たちを、
    リクルートの社員さんたちは今一度
    見習うべきタイミングでしょうね。
    長文失礼致しました。

  • geikoudai_HIBIさん

    R社は最近、大学規模の大小で営業対応(スタイル)を変えていますね。そう感じます。(ひょっとしたら私がこの仕事に就いた15年以上も前から同じ?)キャリアに関しては企業への営業も大切で大変なことはよくわかりますが、釘さんのように「スチューデント・ファースト」の気概を忘れないようにしてほしいと・・つい言いたくなりました・・。

  • くぎさんさん

    ぽっぽさん、新卒採用コンサルタントさん、geikoudai_HIBIさん、コメントありがとうございます。
    まだまだこの記事への高いアクセスが続いているようです。R関連の皆さん、同業の皆さん、大学職員の方からまでもコメントを頂戴でき、嬉しい限りです。
    公の場ではなかなか言えなかった(発言する機会もあまりなかった)という、地方の同業者の方々からもコメントを(個別に)いただきました。
    「僕達の思いを代弁してくれて感謝します。勇気が必要だったと思います」という同業の社長さんもいました。
    今回は(たまたま私たちの営業現場に値引き競争を仕掛けてきた)リクルートさんへの提言として取り上げましたが、我々の業界全体への警鐘にもなったのではないかと思います。
    「値引き競争を仕掛けるのも立派な戦略のひとつ」と仰る方もいらっしゃいました。寂しいですが、現実には、そうなのかもしれません。
    我々は誰の方を向いて仕事をするのか。誰を幸せにしたいのか。競争の先にどういう社会を作りたいのか。
    私たち一人ひとりの課題として捉えていきたいと思います。
    <追>
    これほどまでにたくさんのコメントをいただきましたので、いつか整理して発表する機会を作れたらなと思います。引き続きのコメントをお待ちしています。

  • hsbctkさん

    釘さん
    元システムのプログラマーです。ご無沙汰しております。吉川さんの職サークル・メルマガを拝見して,何事が起こったかと読ませていただきました。
    ”このシステムに込められた我々の想いは、キミたちの想像を遥かに超えるものがある。”なんて文章を読んで,何だか私まで嬉しい気持ちになりました。
    PNCS初期版を毎日頭を捻りながら作っていた日々を懐かしく思い出します。
    学生にとって本当に価値ある仕組みをどうぞこれからも成長させて下さい。企業は大抵,後を追うしかできないでしょうから。
    いつか私もそのお役に立てる日が来れば嬉しいです。

  • くぎさんさん

    hsbctkさん、コメントありがとうございます。PNCの初期バージョンの開発、懐かしいですね。新しい市場を生み出せたということは、ずっと誇りにすべきことだと思います。共に大切にしましょう。

  • cool_facilitatorさん

    貴社の方に伺い、遅ればせながら拝見しました。
    >値引き販売を「恥ずかしい行為」として認めなかった。僕もリクルートで働いていたころは「値引きをするということは、自分たちの商品価値を自ら下げているということと同じで、実に愚かな行為である」と教えてもらった。
    私がRグループにいた3年ほど前も、そう言われていました。代理店が値引きをする以上の価値を提供すれば、直販を使ってくれると・・・
    採用のアウトソーシングも、リクナビの値下げに合わせて値引き要請が強まっていて辛いところですが、
    「こんな素晴らしいサービスなら高くても使いたい」とクライアントから認められるような付加価値を生み出していきたいと思います。
    まとまりがなくてすみません。。。

  • くぎさんさん

    cool_facilitatorさん、コメントありがとうございます。
    企業側にも、行きすぎた値引き要求は結局自分の首を絞めることになるだけ、ということに気が付いていただきたいですよね。
    とはいえ、差別化するものが何もなければ、価格競争も避けられないというのは止むを得ない話なのですが。
    少し前の話ですが、幾度と値引き要求を繰り返す某企業の若手人事マンがおり、交渉の末やっと折り合って正式な見積書を営業マンが出したら、「消費税分をさらに値引け」と言いだしたそうです(苦笑)。
    「そんな人と仕事やっても、きっとうまくいかないと思うから断っていいよ」と、営業マンにアドバイスしました。そんな小さな人間とは、どう考えてもいい仕事はできませんからね。
    若い人事担当者は大きな損をしたことと思います。最近の管理部門には、自分の本来すべき仕事を勘違いしている人が多いような気がします。

  • 制作さん

    はじめまして。Rで制作に携わっているものです。今回のブログ、興味深く読ませて頂きました。
    Rを外から見て言いたいことだけを言い、中で死に物狂いで頑張っている人々を、ただ貶すのは卑怯ではないでしょうか?形式的に冒頭でリクルートを誉め、そして評判を下げる内容を書いていくという方法は、社会人として許される行為とは思えません。この内容を、お客様が言ったのであれは、それは仕方がありません。Rも反省すべき点は、たくさんあるでしょう(特にトップに近しい人たち)。
    しかし、規模は違えど、御社はRの競合です。このような公共の場所で、一部の不確かな情報にもとづき、一方的に相手のことを貶す。私は、あなたがRで働かれていたとは到底、思えません。一体、何を学ばれたのでしょうか?
    一番不愉快なのは、現場で働いているCVやA職をけなしているような上から目線です。起業すると、いつからそんな偉ぶった物言いになってしまうんでしょうか。
    もう一度、A職からやり直した方が良いと思います。

  • くぎさんさん

    制作さん、コメントありがとうございます。
    個別にお返事を差し上げようと思い、制作さんが書き込まれた際のメールアドレスを管理画面から確認したのですが、「aaa@aaa.jp」という明らかに偽物のアドレスでした。制作さんがコメントされていることと、取っている行動とが不一致であり、とても残念な気持ちです。