感動の障害者インターン修了式だった日
2009年12月3日 (木曜日)
先日の日記でも少し書いたが、我がパフでは、12月1日から本日までの3日間、知的障害者の方を2名、インターンシップ(職業体験生)として受け入れた。
名まえをY君とS君という。
Y君は軽度の障害、S君は重度の障害を持っている。
Y君の3日間の目標は、「上司の指示にきちんと従う」ということ。S君の目標は、「相手の目を見てコミュニケーションできるようになる」ということだった。
やってもらったのは、学生向けに郵送する封筒にラベルシールを貼る仕事と、イベントで配布する資料を作成する仕事(今度の日曜日に、パフLiveという大型のイベントが開催されるのだが、そこで配布する資料がたくさんあるのだ)。
普段は学生アルバイト諸君を中心にやってもらっている仕事なのだが、今回は、このインターン生2名にお願いすることにした。
サービスマネジメントグループ長であるホサカの指示に従って、この3日間、二人とも実によく働いてくれた。
Y君の目標である「上司の指示にきちんと従う」は、完璧だった。とても素直に、そして明るく元気に、ホサカから指示された仕事に取り組んでくれた。
僕は一緒に仕事をしていないのだが、3日間ともY君といっしょに昼休みにお弁当を食べた。Y君の質問力には驚いた。趣味や、好きな映画や芸能人、それから出身地の話などなど、話題は尽きなかった。僕自身、すごく会話を楽しめたし、とても心が癒された昼休みだった。Y君の底抜けに明るい表情と態度。それから周囲への細やかな気配りは、うちの社員にも見習ってほしいと思ったくらいだ。
S君の目標である「相手の目を見てコミュニケーションできるようになる」も、本日ついに完璧に到達した。最初の2日間は、いっしょにお昼ご飯を食べることに難色を示していたS君だったのだが、最終日のきょうは、僕の誘いに素直に応じてくれた。
もともと言葉を発することの少ないS君だったのだが、僕の質問にはきちんと目を見て相槌をしてくれた。そして初日にはほとんど出ていなかった声も、 「はい」と聞こえるように返してくれることが多くなった。
一緒にトイレに入ったときに、手の乾燥機から「ぶぉーっ」と風が噴き出すのを見て、二人で目を見合わせながら驚いたり喜んだりもした。
そして何より感動的だったのは、すべての仕事が終了したあとに行った修了式でのこと。
まずはY君への修了証書の授与。
なんと、Y君は授与のあと、僕に抱きついてきてくれた。Y君なりの、僕への茶目っ気を込めた思いやりなのだ。
そしてS君への 授与。
S君はこのあと、僕と握手をしてくれた。人とのコミュニケーションが苦手だったS君が、僕の目をきちんと見ながら、しかも満面の笑顔で、かたい握手をしてくれたのだ。心が本当に通い合った気がして、思わずジーンと来てしまった。
知的障害者の雇用に、二の足を踏む大企業が(特にホワイトカラー中心の事務所では)多いと聞く。 でもそれは、先入観や偏見が邪魔をしているだけのことが多いのではないかと思う。
パフのような(知的障害者に関する知識もなく専門スタッフもいない)零細企業であっても、きちんと彼らに日常業務をお願いすることができるのだ。しかも全体の生産性をあげるカタチで。慈善でも偽善でもなく、極めて経済合理性にかなった、民間企業としての雇用が成立するのだ。
いやあ、ほんとに素晴らしい経験をさせてもらった。
この機会を提供してくださった、福祉ベンチャーパートナーズ(FVP)の大塚社長をはじめとするスタッフの皆さんに大感謝である。
そしてなにより、明るく楽しく真面目に、パフの仕事に一所懸命取り組んでくれたY君とS君に、心から「ありがとう」と言いたい。
Y君、S君。またいつでも遊びに来てくれよ!ついでに仕事もしてくれると嬉しいね。
これまでに頂いたコメント
2件コメントがあります
- 本田ポンタ勝裕さん
- くぎさんさん
あらポンちゃん。2週間近く前の日記へのコメントありがとうございます(笑)。うん、たくさん学びましたね。実は涙も多少流れましたし(照笑)。
エライ!
なにがエライって、釘さんが涙を流さなかったのがエライ!
え、そこ?というツッコミなしね。
ここからマジメ。
障害者は、健常者以上に健常ですね。
素直な感性と実直な理性。
加えてものすごく職人気質をもってる人もいる。
僕らは常に彼らに学ぶスタンスを学んでいるのだと思う。
以前、ポンタキャリアカレッジで会場提供いただいた時に、高田氏に経験していただきましたワークがあります。
ブラインドウォークという視覚情報を遮断して築地界隈を5,6分歩くというワークです。
これを体験すれば誰もが視覚障害者の感性の鋭さに気づくでしょう。
これは本来、コーチングの「指導方法」や「未知」の実感をしてもらうためのワークですが、深くいろんな意味を感じることができます。
さて学びましょう。
学生にも。
社会人にも。
我以外皆師也ですから。
2/5のスケジュールを勝手に空けているポンタより。