故郷をあとにした日
2008年1月29日 (火曜日)
今回の帰郷も本日で終了。タイムトラベルから現実の世界に戻ってきた。
もともとは高齢の母親(なんと大正12年生まれ)のために計画された帰郷だったのだが、恩師の墓参りや、旧友たちとの再会などを果たすこともでき、なかなか充実した時間だった。
一方で、今回の帰郷であらためて考えさせられたことがある。
それは、過疎と少子高齢化社会と格差社会についてである。
聞くところによると、故郷の由布院は、65歳以上の人口が25%を超えている という。高齢化社会どころか超高齢社会なのである。
なにしろ子供がいない。土曜日や日曜日だというのに、外で遊ぶ子供の姿が見えないのだ。また、母親の面倒を見てくださっている方々が、やはり高齢なのである。おじいちゃんやおばあちゃんが、もっと年上のおじいちゃんやおばあちゃんの面倒を見ざるを得ないという状況だ。
中学時代の恩師が眠るお墓にクルマで行ったのだが、途中の町のあまりのサビれ様にビックリした。急行列車が止まる駅であるにもかかわらず、食堂ひとつない。ポツリポツリある商店は、みなシャッターが下ろされていた。
子供の人数が少なくなり、おじいちゃん・お婆ちゃんの数は増えていく。そして若者が少なくなったエリアでは、緊張と刺激さえも少なくなり、ますます活力が失われていく。
東京にいると、少子高齢化やら過疎やら聞いても、いまひとつピンと来ないのであるが、こうやって目の当たりにすると、 『どげんかせんといかん』 と思う。
地方の産業を活性化させ、若者を都会から呼び戻し、子供を安心してたくさん生み育てられるような施策や環境を作る。これからの日本の発展の鍵は、地方の政治経済の施策にかかっているような気がする。宮崎県の東国原知事のような、分りやすく精力的に動き回ってくれる知事や市長や町長や村長が、もっともっと大勢必要なんだろう。
と同時に、(僕のような)地方出身の経営者が、自分を生み育ててくれた故郷に対して、なんらかの恩返しをビジネスを通して行わなきゃならないのではないか。じゃあ、自分はいったい何ができるのだろうか……。なんてことを真面目に考えた、この四日間であった。