パフ代表の徒然ブログ「釘さん日記」

昨夜早く寝たおかげで、朝の目覚めはとても気持ちのいいものだった。

早朝ウォーキング&願掛け参りを始めて、きょうで丸一週間。良い感じだ。そろそろ神様も、僕の存在に気づいてくれるかもしれないぞ。

きょうは久々の晴天だったので、ウォーキング途中の景色を携帯のカメラでパシャッと撮影してみた。下町っぽいなかなか情緒ある風景である。

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すぐ上の写真(↑)に、滑り台やジャングルジムやブランコが写っていると思うが、いまから18年~15年くらい前まで、(まだ幼稚園に通い始める前の)娘をよく連れて行った地元の小さな公園だ。

その頃は、僕だけではなく、近所の若いお父さんやお母さんが、よく小さな子どもと一緒に遊んでいた。

でも最近は休みの日でも、そういう光景が少なくなってきたような気がする。うえの写真にも誰も写っていない。日曜の朝ということもあるのだろうが……、いや日曜の朝だからこそ、もっと子ども連れの親がいないとおかしいような気がする。子どもが少なくなったのか、親が子どもと外で遊ぶ余裕をなくしてしまったのか。

 

奇しくも夜9時からのNHKスペシャルで、『セーフティネットクライシス▽子どもに貧困が忍びよる・・・』という番組をやっていた。

その番組の内容を少し紹介しよう。

 

折からの不況で、いま教育を含めた子育てが危機に瀕している。

大学に合格しても入学金や授業料が払えず入学を断念している高校生がいる。高校に行きたくても行けない(授業料を払えず退学させられる)生徒が増えている。保育園に預けたくても保育園がなく、お母さんが働けない。育ち盛りの子どもに満足な食事を与えられない。おむつ代も節約せざるをえない(おむつの交換間隔を長くせざるを得ない)。

これが、世界2位のGDPを誇る経済大国(だったはずの)日本の現実の姿なのか……。

番組では、フィンランドの教育への取り組みが紹介されていた。

フィンランドは今から18年前の1991年、いまの日本どころではない、大きな経済的危機を迎えていた。

多くの企業は倒産に追い込まれ、失業率は18%に達していた。

当然、国の税収は細る一方で、政府はあらゆる支出カットを迫られていた。北欧は社会保障に厚いと思われているが、それでも多くの支出が犠牲になろうとしていた。教育も例外ではなかった。

しかし、当時29歳の若き教育担当大臣(ヘイネン)は、ま逆の政策を打ち立てた。 「経済を再生させるためには、教育に投資するしかない」という信念で、財務大臣を説き伏せて、ほとんどの予算が減額されるなか、教育費だけは増額させたのだ。

フィンランドはいま、子どもが生まれてから大学を卒業するまでの教育費はすべて国の負担で賄えるようになっている。直接の教育費だけでなく生活費の補助や奨学金も充実している。親は安心して子どもを産み育てることができるのだ。

もちろんそのための負担は国民全体が負っている。消費税は22%だし、企業負担の社会保険料は日本の倍である。

まさに、「若者の育成は社会全体の責任である」という考え方が徹底されているのである。

・・・・・ 

我々、学生の就職や企業の採用に携わるもの(特に企業の採用担当者)が考えなければならないのは、まさにこのことなのだと思う。

選ぶ採用から育てる採用へ」。僕が10年前の超就職氷河期のころに、よく言っていたフレーズだ。

採用担当者や就職・採用支援事業者は、姑息な手段をつかって、学生を(意味なく)選別したり蹴落とすことに対して知恵を絞ってはいけない。「選別するな、落とすな」と言っているわけではない。「姑息な手段を使うな」と言いたいのだ。やるなら正々堂々とやってほしい。道義ある採用をやってほしい。出来る限り、温かい気持ちをもってやってほしい。

少なくとも、うそっぱちだらけの就職情報や、空虚な幻想を与えてはいけない。

そして、経済的余力と影響力のある大企業には、新卒採用を通じて、若者を本気で育てることにお金と人を使ってほしい。「予算が…」とか、「費用対効果が…」とか、「効率が…」とか、「マンパワーが…」とか、寂しいことを言わないでほしい。

(少なくとも新卒者を採用するだけの体力を有する)大企業には、自社の目の前のことだけを考えるのはやめてほしい。国家レベルの見地に立って、自社の目の前の損得勘定を抜きにして、若者への教育的要素を含んだ採用に力を注いでほしい。

そのための予算と時間を確保するのは、採用担当者一人ひとりの志にかかっているのだ。あなたの財布から出せとは言っていない。あと少しで退任する(高額報酬の)役員の、接待費や交際費の予算の一部から回してほしい。それが、よっぽど世のため人のため。それが10年後、20年後の日本経済を強くし、自社に大きく跳ね返ってくるという信念をぜひ持ってほしい。

新卒採用はコストではなく投資なのだから。「若者は社会共通の財産」なのだから。