龍馬が江戸行きを許された日
2010年1月10日 (日曜日)
「龍馬伝」の二回目。今回は大きな動きはなかったものの、来週以降の展開のためには大事な回だ。
タイトルが「大器晩成?」というものだった。
「?」がお尻にくっついているのがいいね。
僕も昔は、自分の出来が悪いことを言い訳するために、「俺は大器晩成やから、今は出来んでもいいんじゃ!」と、やかましい母親によく口ごたえしたものだ。
それはさておき今夜の龍馬。いちばん最後の、龍馬(福山雅治)と父・八平(児玉清)の二人のやりとりの場面を、自分が18歳だったころと重ね合わせながら観ていた。
龍馬は、八平(昼間から酒を飲んでおりフラフラ道を歩いていた)と道端でばったり会う。雨が降っていたので、龍馬は持っていた傘を八平に差しだして一緒に歩き出す。
龍馬は、ここぞとばかりに意を決して、「江戸に行かせてほしい。ひとりで生きてみたい。この狭い土佐ではなく、広い世界を見てみたい」と、八平に土下座して願い出る。
八平は、「そんな曖昧な理由では江戸にはやれん!」と一喝するのだが、そのすぐあとに龍馬の前(泥の道)にしゃがみ込んで懐から書状を取り出す。
書状の中身は、龍馬が通っている日根野道場の師範が江戸の千葉道場に宛てて書いた龍馬の推薦状だ。
「お前の取り柄は剣術だけじゃ。その腕を江戸で磨くいうんやったら、わしは認めてもいい。千葉道場の猛稽古に堪えられるか? 」
八平は、龍馬を江戸に行かせるために、日根野道場の師範にお願いし、推薦状を書いてもらっていたのだ。
「 ち、父上…… 」
龍馬は、父の思いやりに感動する。
龍馬をじっと見つめて、「・・・行け、龍馬。土佐を出て江戸に行ってこい! 」という八平。
このときの父・八平を演じる児玉清の表情が実にいい。可愛い息子を、遠く厳しい世界に送り出そうとする父親の気持ちを絶妙に表していた。
なんて親馬鹿なんだろうと思いつつも、ウルっときた。
僕も高校を卒業する直前。1月の共通一次試験のすぐ後だったかな。父親が自宅で一人で酒を飲んでいるときに、東京行きを願い出たことがある。父親はあれこれ言わず、「よかたい」の一言だけだったが、どんな気持ちだったんだろうなあ。
息子のひとり立ち。嬉しくもあり、寂しくもあり、心配でもあり・・・っていうところかな。
ともかくも来週からの龍馬伝の展開に、さらに期待なのである。