あの日があったから、いまの自分がいる。
2010年3月26日 (金曜日)
「キャリアの80%は予期しない偶然の出来事によって支配される」というのは、いまや日本でも有名になったクランボルツ教授の理論だ。僕も「うまれよ塾」などで、この理論をよく学生に話している。
僕のキャリアもまさに予期せぬ偶然の出来事だらけ。80%どころか100%に近い。僕の親しい友人たちにも、(偉くなっている奴ほど)予期せぬ偶然のキャリアを重ねてきて現在に至っている連中が多い。
今夜2年半ぶりに会った某大手企業の社長M氏もそうだ。
M氏は現在、社員数5,000名の企業の社長を務めている。でも27年前は、僕と机を並べて仕事をしていた仲間だ。
27年前、M氏は大学5年生。僕は大学4年生。机を並べていたのはリクルートの神田営業所。
M氏はリクルートには入らず(彼が自分で言うには入れてもらえず)、たまたまリクルートの社員に紹介してもらったB社に入社。B社は東京に進出してきたばかりの小さな会社。そんなB社の栄えある新卒一期生となった。
「3年間は絶対辞めるなよ。石にかじりついてでも仕事を続けるんだぞ」 。M氏は先輩にそう言われてこの会社に入った。
入社後、想像を絶するくらいの激務だったらしい。先輩との約束がなければ絶対辞めていただろうと言う。
ところが、30歳を超えたころから彼はメキメキと実力を発揮していく。会社もどんどん大きくなっていく。
そして13年前、彼は37歳で最年少役員となり、4年前、ついに社長になってしまった。
今夜、酒を飲みながらしみじみ語り合った。
「ひとの人生は、どこでどうなるかなんて、その時はさっぱり分からないもんだよな」
「でも、あの日があったから、いまの自分がいる ということだけは間違いないよな」
・・・まさに。
10年後20年後の自分を決めているのは、いまの自分なのだ。
いまの自分を否定したり、言い訳したり、他人のせいにして逃げる奴には、それなりの将来しか訪れないだろう。
逆に、(どんな逆境であろうとも)いまの自分を認め、環境を受け入れ、逃げずに一生懸命頑張る奴には、素晴らしい将来が待っているのだ。
M氏の社長就任までの話を聞いて、あらためて実感した今宵であった。