パフ代表の徒然ブログ「釘さん日記」

不撓不屈に感銘を受けた日

2010年4月10日 (土曜日)

昨日は、ふるさと就職応援ネットワーク(Fネット)の幹事会だった。新しい加盟会社も加わって、共同事業も正式に動き出した。遅い歩みではあるが少しずつ前に進んでいることが嬉しい。

それにしても気持ちのいい同業者たちだ。皆、人材の採用に関わる会社なのだが、胡散臭い会社も少なくない人材業界にあって、このネットワークに集まる経営者たちは少年のような純粋な心を持った人ばかりだ。自分たちのことを褒め過ぎるのもマヌケなのだが、こういう同じ思いを持った会社が競争と同時に共生していくことで、業界の健全な発展を促し、求人企業や求職者の幸せに貢献できるのだと思う。

そうそう、会合では僕が先月引き起こしてしまった第二の「リクルート事件」がやっぱり話題になった。「よくぞ書いてくれました」とか「勇気がありますね」と称賛してもらったのだが、本人としてはこんな騒ぎに発展するとは思っていなかったので、なんだか照れくさいやら、申し訳ないやら、面映ゆいのだが、業界の人たちの殆どが、僕のブログを読んでいるのではないかとのこと。 「釘さんを怒らすと、ブログに書かれちゃうから気をつけなきゃ!」なんて、からかわれたりもした(笑)。

青山での日中の会議のあと、六本木の焼肉屋さんに場所を移しての懇親会。ゲストも交えての楽しいひととき。あっちの話からこっちの話まで(詳細は自主カット)。昼間の真面目な議論との落差の激しさが、またこの会の面白さなのだ(笑)。

途中、僕の携帯に電話が入る。なんと大学時代の後輩Hからだ。現在、某大手素材メーカーの地方工場の総務部長(だったかな?)を務めているHは、出張で東京に出てきているのだという。日帰り出張のつもりだったが、金曜日だし、このまま帰るのも味気ないということで、僕のところに電話をかけてきたのだという。

「おまえなあ、もっと早くに言えよ、ったく。いま俺は大事な会合中だよ。でもまあ、夜9時半過ぎでよかったら行くよ」と、わざわざ自分に声をかけてくれたことが内心嬉しい僕は、そう答えた。

で、Fネットの懇親会を後ろ髪をひかれる思いで切り上げて、後輩の待つ五反田へタクシーで移動。

そこにはHのほかに、都内で福祉関係の仕事をしている後輩Oもいた。家族で夕食をとっていたときに、Hから電話で呼び出されたのだという。「いい迷惑だ」と言いながらも、Oもやっぱり嬉しそうだった。

結局、3人で昔話に花を咲かせ、気がつけばカラオケ屋に。午前3時過ぎまでマイクを握りしめていた。学生時代の仲間が集まると、気持ちも体力も学生時代に戻ってしまうようだ(苦笑)。

明けて本日。観たい(というか観なければならない)映画のDVDを鑑賞。 「不撓不屈」という、高杉良の同名の経済小説を映画化したものだ。

じわーっと熱いものが込み上げてきた。

国家権力(国税庁)と正面から戦った実在の人物を描いたノンフィクションなのである。

税理士という自分の職業に誇りを持ち、顧客である中小企業と正義を守ろうとする主人公(飯塚毅氏)と、自身の権威と体面のみを守ろうとし、そのためには正義や真実さえも捻じ曲げようとする者たち(国税庁)との戦い。国家権力が正義を失うことの怖さを思い知った。「税理士ごときが」という人の職業を侮蔑した役人の言葉が、彼らの体質のすべてを言い表していた。

それにしても主人公はよく戦いきった。話では知っていたが、こうやって映画で観るとリアリティが違う。主人公を演じた滝田栄の演技力がまた秀逸なのだ。奥さん役の松坂慶子も良かったなあ。

実はこの主人公が創業した会社の新入社員教育の一部をパフがお引き受けすることになっており、そのためこの映画を観たのだった(なので「観なければならない」と書いたのだ)。

義務感で観たんだけど、観て良かったなあ。

僕がもっとも感動したのは、主人公の長男(現在同社の代表取締役会長)が、戦いに苦悩する主人公に宛てて書いた手紙だ。涙が出てきた。

学生が観るには少し難しい内容かもしれないけど、「仕事とは?」「会社とは?」「正義とは?」を考える上でも良い映画(もちろん原作の小説もね)だと思う。お勧めですぞ。

さて、この会社の新入社員に向けての研修。創業者の思いを身近にしたことで、いまさらながら身が引き締まってきた。不撓不屈の精神でガンバロウ。