『坂の上の雲』をまとめて観た日
2011年12月26日 (月曜日)
いよいよ2011年も残すところあと1週間。いろいろあった1年間だったが、こうして年末を迎えてみると、やはりあっという間だった。
昨日まで世の中は3連休だった。クリスマスと重なったこともあり、家族や友人と楽しくゆっくり過ごした人たちも多かったんじゃないかな。
我が家は子供も大きくなり、もはやクリスマスとは無縁であるので、僕は気ままにひとりで時間を過ごした。
なかでも多くの時間を費やしたのが、テレビドラマ。
12月4日の日曜日から4週間連続で放映されたNHKスペシャルドラマ『坂の上の雲』をまとめて観たのだ。
いや、もっと正確に言うならば、2009年11月29日の第1回放映から昨夜の最終回放映まで。3年間13回分の放映を一気に観たのだった。
このドラマは、もうすごいね。テレビドラマの常識や枠組みを完全に超越した、驚異的な作品だと思う。制作者と役者の情熱が、画面の隅々からビシバシと伝わってくる。
特に今年の4回(第三部)は、1904年~1905年の日露戦争の描写がその大半を占めていたのだが、VFX技術を駆使した映像が半端なく凄かった。映画をも上回っていた。大スクリーンでもう一回観てみたい。
そして俳優陣。主役(秋山真之)を演じた本木雅弘は言うまでもなく、柄本明(乃木希典)、高橋英樹(児玉源太郎)、渡哲也(東郷平八郎)などなど、名優たちが演ずる明治の英雄たちは、見応え十分だった。
それにしても、こんなドラマを作ってしまうNHKはすごい。尊敬してしまう。民放テレビとの格の違いを見せつけた。
原作を書いた司馬遼太郎は、長くこの作品の映像化を許可しなかった。それもNHKの制作陣の粘り強い交渉の末(最終的にはご夫人の許諾を得て)ドラマ化が決定したのだという。しかし、制作過程では(脚本家の自殺やNHK自身の不祥事騒ぎなど)様々な困難に出くわし、当初スケジュールを大幅に変更しながら完成に漕ぎつけた。そんな生みの苦しみを味わったうえでの大作。舞台裏では、我々の想像を超えた苦労があったことを考えると、さらにこの作品が味わい深く思えてくる。
・・・などと知った風なことを書いている僕は、司馬遼太郎の原作をまだ全部読んでいない。ドラマの方が先に終わってしまったのだが、あらためて正月休みを利用して読んでみたいと思う。
wikipediaでは、原作のことをこう紹介している。
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『坂の上の雲』とは、封建の世から目覚めたばかりの日本が、登って行けばやがてはそこに手が届くと思い登って行った近代国家・列強というものを「坂の上の雲」に例えた切なさをこめた題名である。作者が常々問うていた日本特有の精神と文化が、19世紀末の西洋文化に対しどのような反応を示したか、を正面から問うた作品である。
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やっぱり司馬遼太郎は偉大だよな……。心して読まなきゃね。
では、残りわずかとなった2011年。
近代日本のために命をかけて(そして「坂の上の雲」を信じて)戦った明治の人々に感謝しながら行ってきます!
これまでに頂いたコメント
2件コメントがあります
- イトケンさん
- くぎさんさん
おっと、コメント王のイトケンさん、ありがとうございます。横須賀にあの三笠があるんですねー。明治の傑物たちが平成の時代に生きていたら…などと妄想に耽りそうですね^^。
何年も前ですが、『坂の上の雲』を読んで、横須賀の戦艦三笠を見に行ったことがあります。
なんとも言いようのない感慨に浸りました。
もし行かれたことがなければ、ぜひご覧になってください。お勧めです。