山本五十六のことを「どげえするんか?」で書いた日
2012年1月12日 (木曜日)
毎月10日を発行日として、パフ/マジックドラゴンのメルマガを、社会人向け(企業の人事担当者を中心に数千名)に配信している。
そのなかで僕は、「どげえするんか?」というコラムの執筆を担当している。今月の配信で、もう58回になってしまった。
メルマガのコラムなので、SNSやブログの記事と違って、読者の反応が見えにくい。毎回ネタ探しに苦労している割には、ちょっと報われない執筆なのだ(苦笑)。
このコラム、(朝ちょっと日記を執筆する時間がないということもあり)最新のものをコピペしておこうと思う。
今回のコラムの題材は、山本五十六。
東映の配給で上映中の傑作の映画を観て、「あ、これ書こう♪」と思ったのだ。
では以下、最新の「どげえするんか?」。ぜひ読んでやってください。
で、ついでに、「いいね!」をポチっとしてもらえると、とてもありがたいですね^^。
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【01】釘崎の「どげえするんか?」
第58回 山本五十六の言葉に学んでみんか?
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パフ代表釘崎が、現在の採用市場、就職活動、世の中のあれこれについて、
日々感じることを徒然なるままにお届けします。
※「どげえするんか?」=大分弁で「どうするんだ? どうしたいんだ?」
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この三連休の中日に映画を観ました。「聯合艦隊司令長官 山本五十六」。
役所広司が演じる山本五十六に、いたく感動しました。
山本五十六は、海軍次官のとき、日米戦争への発展を懸念し、日独伊三国
軍事同盟に強硬に反対していたのですが、皮肉なことにその後、連合艦隊
司令長官に任じられ、日米開戦のきっかけとなる真珠湾攻撃の総指揮者と
なります。
最期は1943年4月。前線で戦う兵士たちを激励するために訪れたソロモン
諸島ブーゲンビル島上空で(山本五十六の行動予定を打電した暗号電文を
解読していた)米軍機の待ち伏せ襲撃によって59歳の生涯を閉じました。
映画では、この山本五十六の生涯を淡々と描写していました。
軍人として、というよりも、人間としての山本五十六の魅力が存分に表現
された映画でした。
戦争を扱った映画としては珍しく、戦闘シーンがあまりなく代わりに山本
五十六の食事のシーンが目立ちました。
水饅頭、干し柿、干しイモ、カレイの煮付け、鰯の海軍食、イモの煮っ転
がし、お汁粉、お茶漬け、スイカ、妻と幼少の子供たちとの食卓……。
美味しそうに、そしてある時は、ただ黙々と食べ続ける役所広司の演技に
は、戦闘のシーン以上に、観客に訴えかけるものがありました。
この食事のシーンだけでも、山本五十六の人間味あふれる人柄が存分に伝
わってくるのですから、役者っていうのは、本当にスゴイ職業です。
☆☆☆
ところで山本五十六といえば、私たち、若者と接する仕事に携わる者たち
にとって、学びや教訓となる名言を数多く残した人としても有名です。
もっとも有名な言葉がこれですね。
| やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、
| ほめてやらねば、人は動かじ。
この言葉には以下の続きがあります。
| 話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
| やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。
しびれますね。組織のリーダー、マネージャーは、肝に銘じなければな
らない言葉です。
そして、特に経営者にとって、ぐっとくる言葉が次のものです。
| 苦しいこともあるだろう。
| 云いたいこともあるだろう。
| 不満なこともあるだろう。
| 腹の立つこともあるだろう。
| 泣きたいこともあるだろう。
| これらをじっとこらえてゆくのが男の修行である。
はい。私まだまだ修行中の51歳。じっと堪えることにします(苦笑)。
☆☆☆
次は、昨年の職サークルシンポジウムのときにもご紹介した言葉です。
| 実年者は、今どきの若い者 などということを絶対に言うな。
| なぜなら、われわれ実年者が若かった時に同じことを言われたはずだ。
|
| 今どきの若者は全くしょうがない、年長者に対して礼儀を知らぬ、
| 道で会っても挨拶もしない、いったい日本はどうなるのだ、
|
| などと言われたものだ。
|
| その若者が、こうして年を取ったまでだ。
|
| だから、実年者は若者が何をしたか、などと言うな。
| 何ができるか、とその可能性を発見してやってくれ。
これを読んで、耳が痛くなった上司の方々も大勢いらっしゃるのではない
でしょうか。
山本五十六は、非常に部下思い、若者思いの上官だったそうです。
部下が無事帰還した際には涙を流して喜び、部下が戦死したときには名前
を一人ひとり手帳に認め、常に携行していたといいます。
任務遂行のためとはいえ、数多くの部下を犠牲にせざるを得なかった山本
五十六の無念たるや、いかほどのものか……。
最後に、次の言葉です。
| 人は神ではない。
| 誤りをするというところに人間味がある。
山本五十六が生きたのは、少しの失敗であっても、それが死に繋がる危険
の大きかった時代です。いかに現代の日本社会が「大変」だと言いながら
も、戦争の時代とは比較にもなりません。
怠慢や不注意による過ちならまだしも、挑戦の結果招いてしまった少しの
過ちをも許容できなくなった、「潔癖症」ともいえる現代日本社会は、こ
の山本五十六の言葉を謙虚に受け止める必要があるでしょう。
☆☆☆
昨日は成人の日でした。
ピークだった1970年代と比べると、その数が半減してしまった新成人世代
ですが、これからの日本を支えてくれるのは、間違いなく彼ら彼女らの世
代です。
戦後生き残った、昭和20年代の若者世代が、たとえ少数であっても、日本
の復興を力強く担ったと同じように、現代の若者たちにも、大いなる期待
を寄せていきたいものです。
そのためにも、若者と日々接する私たち大人は、山本五十六のように、愛
と情熱をもって彼ら彼女らと向き合い、社会への巣立ちを応援していきた
いと思います。
【今回のどげえするんか】
本文とは関係ないが、映画には、柄本明や、阿部寛や、香川照之と
いった名優たちがたくさん出ちょったの。さすが唸る演技じゃった。
ん?でもよく見れば「坂の上の雲」に出ちょった俳優と同じじゃの。
うーん、そうか。俳優の世界も人材不足っちゅうことか。
これはいかんの。どげえかせんと。
そうだ。俺も役者デビューするかの。
どげえですかね?