パフ代表の徒然ブログ「釘さん日記」

サイレントお祈りか……。

2015年4月3日 (金曜日)

昨日は、20年近くもの間、新卒採用市場を分析して調査レポートを発行している専門家を招いての勉強会を行った。この専門家のもとには上位校のモニター学生数百名から日々、企業の採用(セミナー、説明会、選考会などなど)の情報が送られてくる。その情報をもとに、これからの企業(主に業界上位5社まで)の採用の動きを予測分析しているのだ。

採用時期が大幅に変更(後ろ倒し)となった今年、予想通りではあるが、大手企業の動きが水面下に潜って分かりにくくなっている。というか、企業も手探り状態。自社の採用競合の動きを睨みながら、優秀な学生を確保するための作戦を日々軌道修正しながら推し進めている。

経団連の指針に沿って、8月1日から数日間の間に選考(実質的な最終選考)を行うのは、採用強者の総合商社ほか一部の超大手人気企業。そこに、せっかく唾をつけた優秀層を持っていかれてはならじと警戒感を募らせるその他企業たち。そして巧妙な打ち手を日々提案してくる採用支援会社たち。さしづめ、「魑魅魍魎が跋扈する」といった表現がぴったりの様相を呈してきている。

そんななか、今年多くなるのではないかと言われているのが、「サイレントお祈り」だとか……。

いやー、このネーミングの妙。思わず吹き出してしまった。

「お祈り」というのは、学生への不合格通知の俗称。「うちの会社は不合格なんだけど、腐らずに頑張ってねー!」という趣旨のことを、「貴殿の今後のご活躍をお祈りします」という紋切型のメールで送ることから数年前より「お祈りメール」と命名されている。選考時期になると学生の周辺では、「くっそー、祈られた!(T_T)」という言葉が飛び交うのだ。

ところが今年は、この「お祈りメール」が少なくなるのではないかというのだ。下手に早い段階で多くの学生を不合格にしてしまうと、8月になって(競合他社に学生を大量に奪われて)採用人数が足りなくなる恐れがあるからだ。なので、従来であれば不合格の学生でも「保留」の状態にしておくのが、「サイレントお祈り」なのだそうだ。

結果、合格となる学生は良いのだが、さんざん引っ張られた挙句に不合格となった学生は、そこからやっと現実に目覚めて「ほんとうに自分に合った企業とは?」を考えるようになる。中小企業の場合は、そこからが採用の主戦場となるのだろうが、学生、企業ともに手遅れとならなければよいのだが……。

今回こんな混乱の状況を生み出す原因を作った方々(採用時期をこねくり回した方々)には猛省を促したいと思うのだが、我々としては周りにいる学生や顧客企業の被害を最小限に食い止めなければならない。

今年は、企業&学生の双方の動きから目が離せない日々がまだまだ当分続くのだ。

さて、本日は曇り空の東京。あれ?もう週末、金曜日だ。これから風が強くなるらしいが、桜が散ってしまわぬことを静かにお祈りしつつw、行ってきます!