パフ代表の徒然ブログ「釘さん日記」

ここ10年くらいのIT音痴の僕しか知らない人は信じないかもしれないが、僕は昔システム設計やプログラミングの仕事をしていたことがある。

大学を卒業したばかりの23歳から34歳くらいまでの10年ちょっと。PC9801とか、FM11とか、FACOM9450とか、IBM5550とか、YHPとかのパソコンを駆使しながら……。

28歳以降は専らシステムの企画や仕様書の作成だけになってしまったが、それまではシコシコ&バリバリと自分でプログラムを組んでいた。

 

ネットに転がっていた初期のころのPC9801の写真。昔はHDDなんかなくて8インチのFDDが付いていたのです。

ネットに転がっていた初期のころのPC9801の写真。昔はHDDなんかなくて8インチのFDDが付いていたのです。

 

お客様は大手メーカーの技術屋さんが中心で、僕が組んでいたプログラムは、技術者たちが自社製品の開発や品質検査で利用するシステム。2~3人月で組みあがる小規模なものが多かったのだが、なかには半年くらいかけて開発する1千万円超のものもあった。

で、いま考えると恐ろしいことなのだが、入社した2年目から、当時の会社が受注したパソコンのシステム案件に関しては、すべて僕が責任者(プロジェクトリーダー)を務めていた。そして部下(プロジェクトメンバー)は、全員が学生アルバイトまたは新入社員。コンピューターには興味も関心もない素人だった僕が、僕以上に素人のメンバーとプロジェクトを組んでクソ難しいシステムを開発していたのだ。絶体絶命のピンチもたくさんあったけど、よくもまあ逃げ出さずにやったものだと思う。

そしてシステムには不具合がつきもの。だいたい一発では思ったように動かない。

いわゆるバグ(プログラミングミス)の場合もあれば、自分の設計ミスの場合もある。そもそもの、お客様(発注者)の要求仕様が間違っていることもある。

バグの場合はこっち側の問題なので、平謝りに謝ってすぐに修正すれば(そして最終納期に間に合えば)大きなトラブルにはならない。

でも厄介なのは、お客様の要求仕様が間違っていた場合。根本の間違いなので最初からシステムを組みなおさなきゃいけないことだってある。倍の料金を要求しないと採算が取れないこともある。

しかし、だいたいお客様というのは自分のミスは認めたがらない。

「そのくらいの間違い自分で気づいてよ。常識で考えたら分かるでしょ?あなた、アタマ付いてるんでしょ?」なんて開き直られたこともある。

僕も最初のころは、そんなお客様にずいぶんと煮え湯を飲まされていたし、ムカついていたし、殺意を覚えたこともある(冗談ですよw)。

でも、少しして浅はかな自分に気が付いた。

 

お客様の言うことは絶対ではない。言われたことを言われたまま、何の疑いもなく盲目的に従うのはプロの仕事じゃない。そして、そんな仕事はクソ面白くもない。

(要求されていることは)本当にそうなのか。それがベストなのか。もっといい方法はないのか。このシステムで実現しなきゃいけないことは、そもそも何なのか。

時として喧嘩(というか遠慮のない喧々諤々の議論)をしてでも、お客様の間違いを指摘して、エンドユーザーにとってよりベターなシステムを開発して、結果としてお客様(発注者)に喜んでもらうこと。それこそがプロとしての仕事なんじゃないか。そのためには自分自身がお客様のアタマと気持ちになって、これから開発するシステムのことを深く真剣に考えなきゃいけないんじゃないか、と。

てなことを、プロ気取りで生意気な20代のころの僕は考えていたわけです、はい。

 

・・・と、ふと自分の昔の自慢話をしたくなった朝でした。でも、少し盛りすぎたかな(笑)。

では、七転八倒&四苦八苦して働いている社員たちへのおやつを(昨夜、珍しく福岡の出張土産として)買ったので、ぶら下げながら行ってきます!