コネも実力のうち
2012年2月3日 (金曜日)
昨日は、岩波書店の2013年定期採用の応募条件が方々で話題になっていたようだ。
同社のホームページを見ると、次のように記載されている。
「2013年度の社員採用は一般公募ではなく、岩波書店著者もしくは岩波書店社員の紹介を応募条件として行います」
なかなか斬新である。うまい!と思った。
いや、実は大昔からあった採用手法(手法というほどのものでもないか)だし、中小零細企業ではむしろ一般的だろう。
これを読んで、学生諸君はどう感じるだろうか。
「不公平だ!キーっ」となるだろうか。「あーあ、自分はもう駄目かな」と諦めたくなるだろうか。(親戚に著者や社員がいる学生は)「やった!ラッキー♪」と安心するだろうか。
僕が思うに、上の学生は全部まとめて「お呼びじゃないよ」となりそうだ。
コネ(人との縁)というのは、待っていてもできるものではない。
いや、もちろん偶然できる(労せずできる)コネもあるのだが、同社が欲しいのは、上のような応募条件を自らの知恵と工夫と行動でクリアできる人材なんじゃないかな。
少なくとも、コネがないからと諦めたり、不公平だと相手を恨んだり、他人を妬んだりする人は、ハナっから同社で活躍できる人材ではないんだろうなと思う。
なんにしても、こういう応募条件を公言する(世の中に影響を与えることのできる)会社が出てくることはいいことだ。
建前だけ立派なことを言ったり、裏でコソコソするより、むしろ正義があって清々しい。
そういえば、パフの昔の(社員が誰もおらず僕が一人で採用担当者をやっていたころ)の応募条件も我ながらナイスだった。
たくさんあったのだが、記憶にあるのは次の4つかな。
・1を聞いたら、10を理解し、100の行動に展開できる人
・内定したら、翌日から週3日以上(日給5千円で)働くことのできる人
・会社が潰れたとしても、一人で生きていける人
・目的を達成させるためには、徹夜してでも頑張り抜ける人
もう少し表現は上手だったかもしれないけど、こんなことを掲げて募集していたのだ。
しかも膨大で難しいレポート(たとえばパフの事業計画書など)の提出を求めたりもしていた。
さすがに応募人数は少なかったものの、この条件で入社した連中がいたからこそ、いまのパフがある。
会社の応募条件って、そのときどきの会社の考え方や状況が反映されていて(あるいはそんなものが全然みえない会社もあって)面白い。
さて、本日も寒い。いや、超寒い。
気がつけばもう金曜日。では、そろそろ行ってきます!
これまでに頂いたコメント
2件コメントがあります
- イトケンさん
- くぎさんさん
イトケンさん、そうなんですよ。知り合いの学生がFacebookで小宮山大臣の会見の記事を受けて、以下のような投稿をしていました。
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そもそも岩波書店は「縁故」とは言ってなくて「紹介状」だから、まずは「縁故」の言葉の定義と問題点を明らかにしないと岩波書店を批判できないんじゃないかな。縁故が問題なら他に調査する企業ありそうだし。
>縁故採用宣言で岩波書店調査へ 厚労省 <a href="http://bit.ly/zAeSya" rel="nofollow">http://bit.ly/zAeSya</a>
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それを受けて僕は以下のコメントを彼のウォールに投稿しました。
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国家権力がそんな圧力をかけるから、ますます企業の採用の実態が分かりづらくなる(地下に潜った姑息な採用手法が横行する)。岩波、負けるな(`_´)ゞ
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次回のメルマガ「どげえするんか!」のネタになりそうですね。
以上、いつのまにかFacebookから消えてしまったイトケンさんへの情報提供でした^^
「小宮山洋子厚生労働相は2012年2月3日の閣議後会見で、岩波書店が採用の条件について「岩波書店著者の紹介状あるいは岩波書店社員の紹介があること」とウェブサイトに明記し、縁故採用を事実上宣言したことについて、「早急に事実関係を把握したい」と述べ、調査に乗り出す考えを明らかにした。近く、東京労働局が同社から事情を聞く見通し。」
2012年2月3日(金)16時9分配信 J-CASTニュース
学生がどうこうじゃなくて、こっちが反応しちゃったんですね。
なんだか、めんどくさいですね(笑)。