企業のオモテとウラ
2010年4月24日 (土曜日)
「オモテウラ」がない人というのは、とても好感が持てる。開けっぴろげで腹蔵ない意見を交換できるし、信用・信頼できる。自分も、そういう人になりたいと常々思う。
ところが、企業というのはやっかいだ。オモテとウラが必ずある。特に、採用広報で学生に見せている顔は、化粧をしたオモテの顔なのである。まあ、企業によって厚化粧だったり薄化粧だったりする違いはあるが。
ちなみにパフは、化粧品を買うお金が無いので、すっぴんで勝負するしかない。そういう会社もあるにはあるが、稀だな(苦笑)。
昨日、つい先日までとある上場企業の社長を務めていた某氏(Sさん)とランチミーティングの機会をいただいた。
その企業が設立されるまでとS氏が社長になった経緯。会社が成長して上場するまでに至った過程。上場後の混乱。リーマンショック後の大リストラを断行せざるを得なかった経緯と苦悩。会社復活に向けてのオーナー(会長)との意見の衝突。今回、退任することになった(決してオモテには出せない)ウラ話の数々。
約1時間程度ではあったが、食いつくように話を聞かせてもらった。
どうしてSさんは、(実は僕とは本日が初対面であったにもかかわらず)こんなウラ話を聞かせてくださったのかと言うと、共通する信頼できる友人が何人もいたからなのだ。お互いの信頼関係に基づいて、「真の話=ウラ話」を聞かせてくださった。
企業には、「オモテ」には出せない「ウラ」の話がたくさんある。そして、「ウラ」の話は、マスメディアには出てこないが、ネットで出回ることがよくある。
しかし、ネットで出回る情報は、多くの場合とても不正確なものである(まあ新聞やテレビなどのマスメディア情報も正確じゃないことのほうが多いけど)。
情報を流す人の(悪意も含めた)主観が付け加わった情報になりがちだからだ。
本当のことは、やはり自分の目と耳と足で見つけに行くしかない。そして、それをどのように処理・判断するかも自分なのだ。
学生諸君にも、このことは十分に理解してもらったうえでの就職活動を行ってほしい。
でも、念のため断っておくが、「ウラ」のある企業が、悪い企業であるということではない。「ウラ」を、(公の場では)見せるわけにはいかない企業の事情がある。
そんななかで、いかに企業の真の姿を引き出していくのかは、やはり学生諸君一人ひとりの努力に委ねられているのだ。