松下幸之助に学ぶ日
2009年4月20日 (月曜日)
最近、移動時間などを利用して、ちまちまと読んでいる本がある。松下幸之助のエピソードを集めた新書である。
ひとつのエピソードが長くても2ページくらいでまとめられているので、仕事中の数分の移動であってもすっきり読めるのがいい。
きょう読んだ一節に、「一人も解雇したらあかん」という話があった。
時代は、世界恐慌の吹き荒れた昭和初期。
急成長中だった松下電器(現パナソニック)も、販売量が急減。在庫が膨れ上がっていた。
経営幹部は、「この危機を乗り切るには従業員を半分にするしかない」と、従業員の解雇を提案した。
が、松下幸之助は、経営幹部らにこう言った。
「なあ、わしはこう思うんや。松下がきょう終わるんであれば、きみらの言うてるとおり従業員を解雇してもええ。けど、わしは将来、松下電器をさらに大きくしようと思うとる。だから、一人といえども解雇したらあかん。会社の都合で人を採用したり解雇したりでは、働く者も不安を覚えるやろ。大をなそうとする松下としては、それは耐えられんことや。みんなの力で立て直すんや」
松下幸之助は、その後、工場の生産量を半減し、工場での勤務を半日にした。しかし、従業員には全額の給料を払った上で、在庫品の販売に全力をあげてもらった という。
従業員は幸之助の決断に奮い立ち、休日返上で、がむしゃらに働いた。そしてその努力の結果、三ヶ月後には在庫一掃。従業員の結束力はさらに高まり、業績の急回復に向かったという。
松下幸之助がまだ30代のころの話である。
世界恐慌以来の大不況と言われるいまの時代。解雇に踏み切る多くの企業を、松下幸之助はどのような気持ちで眺めているのだろうか。
これまでに頂いたコメント
2件コメントがあります
- Deakさん
- くぎさんさん
Deakさん、うれしいコメントありがとうございます。
幸之助さんは、優しさと厳しさとを併せ持つ、まさに経営の神様ですね。
自社の繁栄を通じて世の中の幸福を願った幸之助さん。「会社は社会の公器である」。「若者は社会共通の財産である」。いずれもパフが影響を受けている、幸之助さんの思想です。
>わしは将来、松下電器をさらに大きくしようと思うとる。だから、一人といえども解雇したらあかん。会社の都合で人を採用したり解雇したりでは、働く者も不安を覚えるやろ。大をなそうとする松下としては、それは耐えられんことや。みんなの力で立て直すんや
松下?パフ??
神様松下幸之助の言を借りてご自分の意志を貫く、
釘さんも憎いねえ。
今日も朝からいい話を読ませて頂きました。