「どげえするんか?」へのコメントを転載する日
2010年5月22日 (土曜日)
昨日は、珍しいお客様が午前と午後、それぞれ僕を訪ねてくださった。そして夜は珍しい組み合わせの会食だった。
午前中の来客は、「働きがいのある会社」の調査を行い、年に一度、そのランキングを発表していることで有名な、Great Place to Work(R) Institute 日本事務所の代表者の方だ。
和田さん と仰るのだが、2週間ほどまえ、Twitterで僕のことをフォローしてくださっていた。なぜだろう?と思っていたのだが、すぐに、「あ、そうか、そうか、そういうことか…」と気が付いて、直接、僕から和田さんにご連絡を差し上げたのだ。そして、すぐに「ぜひ一度情報交換しましょう!」ということになり、わざわざパフまでご来社くださったというわけだ。
この調査の面白いところは、従業員に対しての調査結果から評価を行っているところ(全体の評価のうち3分の2が従業員から引き出したデータに基づくらしい)。当たり前のことだが、従業員が「うちの会社は働きがいがある」と感じていなければ、どんなに有名な企業であっても、どんなに業績の高い企業であってもランクインすることはできない。しかも、50名以上の会社であれば、どこでも参加できる。知名度や規模や資本力の劣る中小企業であっても、有名大企業を抜き去ることができるのだ。
これは、学生が就職先を選ぶうえでの新しい指標にもなりうるのではないかな。日本ではまだ十分認知されていないのだが、アメリカでは、この「働きがいのある会社」のリストに載っていない会社は、信頼を得られないのだという。
自分の会社こそは「働きがいがある会社だぞ!」という自信のある中小企業の経営者の皆さんには、ぜひエントリーしてみてほしいと思う。
午後の来客は、普通なら接点が生まれなかったであろう、同業のG社の皆さんである。G社はいま、若者の就業支援を国から委託を受けながら取り組んでいるのだが、そのことに関連したご相談でお見えになったのだった。
僕は、G社のなかでもちょっとした有名人であるらしい。この日記もよく読んでくださっており、Twitterもフォローしてくださっているのだという。同じ業界の仲間。営業の最前線ではライバル関係でもあるのだが、これからもご協力できるところは仲良くしていきたいと思う。
夜は、今週の締めくくり。とある会合に途中参加させてもらったのだった。この会合のメンバーや目的は、絶対的に極秘だとのことで一切明かすことはできないのだが、とっても楽しく有意義な会合。午前1時半くらいまで続いたのだった。激動の一週間を締めくくるには最適な会合だった。
ところで、本日の日記のタイトルの「どげえするんか?」。月1回のメルマガのなかで書いているコラムなのだが、人知れず(あまり表には出てこない日に数十件くらいしかアクセスのない)ブログにも転載されていたのだ。僕もほとんど目にすることがなかった。
実は、前回(5月10日に)書いた「効率、効率、効率ばかりで寂しくならんか?」というコラムに対してコメントをいただいていたことに、さきほど気がついた。そのコメントがとても素晴らしい内容なのである。アクセスのないブログに載せられているだけではもったいないと考え、この「釘さん日記」に転載しようと思ったのだ。ぜひ「釘さん日記」の読者の皆さんにも読んでいただけたら嬉しい。
コメントをくださった中尾さん、どうもありがとうございました!!
では、以下転載します。
—–
私も「効率」という言葉にはとてもひっかるものを感じてしまいます。
他にも「厳選」とか「加速」とか、うっという気持ちが芽生えます。
ある本で読んだのですが、今の時代は「すること」依存症だと。何もしてない状態の人、無駄なことをしている人=さぼり=「悪」のような図式があり、手帳にスペースを見つけると不安になって予定をさらに入れてしまうような。
でも実は何もしていないときほど自分に向き合える時間であり、何もしてない状況を分かち合える状態ほど、お互いの素の存在を認め合えている、日本人が妙に沈黙を恐れるのは、素の相手や自分に向き合うことを恐れているから。
となると、「効率」を重視すればするほど、お互いの「存在」、「いる」という事実からどんどん目をそらしていくことになる。
学校や企業でいじめやうつ、日本でニートや自死の人が増えていく原因の一つが、「効率化」や「加速」信仰じゃないかと。
今まで一生懸命取り除いてきた「ムダ」を改めて取り戻していくことで、やっと本当の自分に向き合えるのではと。
私自身まったくその通りじゃないかなと、本を読んで感じました。
なので、釘崎さんの提案、「無駄を承知で~」などの取り組みは、本当に的を得ているなぁと読んでいて感じました。
パフさんの理念ともつながっているなぁと。
効率化の弊害、考えていきたいですね。
スローライフならぬ「スロー採用」なんていかがでしょう^^
これまでに頂いたコメント
4件コメントがあります
- 和田 彰さん
- くぎさんさん
お、和田さん、コメントありがとうございます!
そっか。3分の2なんですね。失礼しました。上の記事も修正しておきました。パフも従業員が50名を超えたらエントリーさせていただきたいと思います。目指せ、「働きがいのある会社」ナンバーワン! - 岡真理子さん
初めまして、岡と申します。
常見さんと情報交換させて頂く中で
釘さんをご紹介頂きました。
以前からいろいろコメントさせて頂きたかった
ブログがあったのですが
中々自分の想いがまとまらず今に至っているのですが
生きている限り想いなんて
移り変わりするな、と考え思いきってコメントさせて頂きます。
私も今人事をしているのですが
まさに効率というものを
どう捉えるべきか悩んでいます。
30年前に化学の業界で
軽い・丈夫・便利ともてはやされたものが
今になってオゾン層を破壊している、とわかる。
といったような事や
ここ10年子供は小さく産んだ方がいい、と言われていたが
最近はそういう子はお腹の中の環境を飢餓状態と捉えて
産まれてから肥満になりやすい、
精神的に不安定になりがち、
なんて話もあります。
人間が想像できることには
やはり限界があって
でも生態系である限り
昔からあったものにはそれなりに意味があるんだと思うのです。
そんな中で決断をしなければいけない、ということを謙虚に考え、時には今より
歴史によりそった決断をすることも必要なのでは、と
日々悩んでいます。
ただそのときに今の社会に置いていかれないように
しなければいけないのですが。。
難しいですね。。
長々と乱文失礼致しました。
機会があれば是非どこかでお話したいです。 - くぎさんさん
岡さん、はじめまして。
とても深く熱いコメントに感謝・感激です!
日本の学校教育や家庭や地域が担ってきた「人間としての教育」。時代の変化によって、いまはその力が著しく弱くなったと言わざるをえません。
「なぜその皺寄せを企業が担わなきゃならないんだ?」という人が(特に採用担当者には多く)いますが、私は「そんなの当たり前だろ?」という考えの持ち主です。
就職と採用ほど、若者を強く優しく志ある人間に成長させられる機会はないと思っています。
反面、就職と採用は下手をすると、(出会った心ない大人たちによって)若者を人生からスピンアウトさせてしまう脅威にも成りうると、同時に思っています。
すべての採用担当者に、次世代を担う若者を育てる気概を持ってもらえたらと思うに至った次第です。
なーんてことを、こんど語り合いたいですね♪
そういえば、6月8日に、HRプロの人事向けイベントで、常見さんと対談する予定です(まだ公開されていませんが、水曜日ころ電撃発表の予定)。
また、翌日は、私の単独講演です。ご都合がつけばぜひご参加ください。
↓
<a href="https://saiyopro.com/hr_seminar2010.php" rel="nofollow">https://saiyopro.com/hr_seminar2010.php</a>
釘崎さん、GPTW和田です。金曜は楽しい時間を過ごさせていただきました!ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。
1点、GPTWのランキングは、従業員からの評価がだけでは決めておりませんで、3分の2が従業員からの評価、3分の1が会社の施策の評価をし、その合算となります。詳しくはこちらの最下部をご覧ください。
<a href="http://www.news2u.net/releases/68954" rel="nofollow">http://www.news2u.net/releases/68954</a>