パフ代表の徒然ブログ「釘さん日記」

日本のいちばん長い日

2015年8月10日 (月曜日)

先週末の土曜日(8月8日)。映画「日本のいちばん長い日」を観に行った。1967年8月に公開された同タイトルの映画のリメイク版(と言うのが正しいかどうか分からないが)だ。

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僕は1960年(昭和35年)生まれなので、日本のいちばん長い日(昭和20年8月15日)は、生まれる15年前のこと。戦時中のことは、親や先生や親戚から聞くしかなかった。

僕の父親は戦争末期、自ら志願して予科練に入隊していた(もう少し終戦が遅ければ特攻で死んでいた)。青春を戦争とともに過ごした世代である。だけど、父親からは生々しい話をほとんど聞くことがなかった。父が死んでから(もう24年も前のことだが)もっと戦時中の話を聞いておけばよかったと後悔したものだ。

まさに僕らは「戦争を知らない子供たち」で、戦争に対して無関心な世代ではあるのだが、でも本当に関心がなかったかというと、そうでもない。

出身が九州だったからなのかもしれないが、小学生のころは、8月6日か8月9日のどちらかが登校日だった。いわゆる「平和授業」というやつで、戦争に関する紙芝居や映画を観たのちに、それぞれに感想や意見を述べ合ったりしていた。前述の「日本のいちばん長い日」を観たのが小学生のころだったかどうか(そして小学校の体育館で観たのかどうかも)定かではないのだが、三船敏郎演ずる迫力ある軍人の姿は記憶に残っている。

だからこの夏、「日本のいちばん長い日」がリメイク公開されるというのを聞いて、これは観にいかなくては、と思っていたのだ。

1967年の映画のことはうろ覚えなので安易に比較することはできないのだが、今作も僕にとっては十分見応えのある映画だった。8月15日の玉音放送の裏側にあった軍部、内閣、宮内省、放送局(NHK)との間の葛藤。特に、昭和天皇(本木雅弘)と、鈴木貫太郎首相(山崎努)と、阿南惟幾陸軍大臣(役所広司)の演技はさすがに秀逸だった。あと、暴走する陸軍少佐役の松坂桃李の熱演にも好感を持てた。

8月6日、8月9日、8月15日は、日本人にとって忘れてはならない日。300万人もの国民を死に追いやった憎むべき戦争を風化させることなく、もちろん美化させることもなく、不戦の誓いを子に孫に語り継がなければならない日だ。

残念ながら、広島の原爆、長崎の原爆、終戦記念日すら知らない若者たちが増えていると聞く。総理大臣はじめ日本の政治家の殆どは、戦争を知らない世代になってしまった。とても不気味である。

そういう意味でも、このような(人間の愚かさを歴史の事実とともに忠実に描いた)戦争の映画やドラマや小説は、今後もずっと作り続けていってほしい。

今週は夏休みをとる人たちも多いだろう。この映画はもちろんのこと、戦争を描いた過去の秀逸な作品をぜひ見てほしいと思う。特に、僕たち以上に戦争を知らない子供たちである学生諸君。キミたちのおじいちゃんやおばあちゃんが過ごしてきた苦難の時代に思いを馳せてもらえたらと思う。

では、平和な空を眺めながら行ってきます!