パフ代表の徒然ブログ「釘さん日記」

20年前(2000年7月から約1年間)メルマガで連載していた自伝(自虐?)のコラムを不定期で再掲しています。きょうは第13話です。

※第1話はこちら⇒新・パフの創業物語<第1話> 「最初の出会いは産婆さん?」

※原則として昔の原文のままですが、事実とは異なっていた内容、誤字も含めての不適切な表現、「てにをは」のおかしな個所は、修正しています。また当時の写真やイメージ画像等を追加で掲載しています。

※文中にある「今」の内容は、すべて執筆したとき(西暦2000年当時)のものです。


1983年1月。

正月休みも終わり、田舎から下宿に戻った僕のもとに一本の電話。

「リクルート神田営業所の若杉ですが・・・」

(注:若杉さんとは、ニコニコしながら僕を面接してくださった所長さんです。当時30数歳くらい)

「あっ、ど、どうも…。その節はありがとうございました」

「いえいえ、どういたしまして。さてところで先日の試験の結果ですが……」

そう、試験とは、抜き打ちで受験させられたSPIのことです。その結果如何ではアルバイトといえども採用されない、ということだったので、僕は半ば諦めかけていました。

ところが若杉さんから発せられたつぎの言葉は・・・

「ぜひね、すぐにでも働いてもらいたいのですが、いつから来られますか?」

おー、やったー! 日給1万円の仕事にありつけたぜ!

その後、どんなにつらい苦難が押し寄せるかも知らずに。嗚呼、可哀想な釘崎青年の運命の1ページはこうして幕を開けたのでした。

👆この物語から35年後の若杉さん(僕の左横)です

(2017年12月、パフ20周年にお越しいただいた際に撮った当時の神田営業所のメンバーとの写真より)

 

1983年1月下旬。

大学の後期試験を無事に済ませ、リクルート神田営業所への初出社の日。

職種は営業であるため、スーツ&ネクタイ着用が義務づけられており、僕は商店街で買った安売りのスーツに身を包み、緊張しながら事務所に入っていったのです。

そこには既に僕の机と椅子が用意されていました。庶務のお姉さんからは営業マン用のダイアリー、文房具一式を手渡され、そして何よりビックリしたのは、所長の若杉さんから、

「おい、釘崎(すでに呼び捨てモード)、今日からよろしく頼むぞ。これがおまえの名刺だ」と、釘崎清秀の名前がバッチリ印刷された、カモメのロゴマーク入りの名刺をもらった時でした。

僕  : 「へー、アルバイトでも名刺を持ち歩くんですねー」

所長 : 「リクルートじゃね、アルバイトとは呼ばないんだ。A職といって、普通の社員営業マンとまったく一緒の仕事をしてもらうんだ。もちろん仕事の時は学生であることは忘れてもらうし、客先では、キミがまだ大学生だなんて絶対明かさないこと。いいね」

何やら大変なところに来てしまったようだ・・・と思っても、もう後の祭り。とにかく、まずは馴染むまで様子見だな。

そんなことを考えながら、ぼーっと自分の席に座っていたら、隣の営業マンが自分のリストを半分僕に手渡して、「俺、これからこのリストのお客さんにアポイントの電話を入れるから、真似してかけてみてよ」と言いました。

「あ、ど、どうも」と答えて、しばらくはその営業マンの電話に聞き入っていました。

(す、すごい、こんな電話、俺できないよ……)

次の日から、いよいよ本格的にアポ取り電話の開始です。

「えーっと、リクルートセンターのクギサキと申しますが、御社の新卒採用のご提案を・・・うんぬんかんぬん・・・」

「リクルートセンター!?ふざけるな!いったい1日に何回電話を入れれば気が済むんだ!」

こんなふうに怒られるのが大半でした。

なかには、「なに?ヤクルトセンター!?ヤクルトは間に合ってるんだよ!」と、訳のわからない答えが返ってくることもあり、前途多難なアルバイトの始まりなのでありました。

アポが一件も取れないまま勤務開始から1週間ほどが経ったある日、僕と同じくらいの年齢の茫洋とした若者が僕の隣の席にやってきました。

「俺とおんなじ学生A職かな・・・」

こう思って本人に聞いてみると、「おー、そうだよ。俺も学生A職だよ。内定者A職で、4月からは正式に社員になるんだけどな」

この男、名前をムライミツルといいます。

パフ創業の大きなきっかけを作った男との、運命的な出会いの瞬間でした。

つづく


ビジネスのことなどさっぱり分からなかった大学生の僕に仕事のイロハを教えてくれたのは、この「神田営業所」であり所長の若杉さんでした。

「最初の会社の上司と仲間たちは、その後のキャリアに大きな影響を及ぼす」とよく言われます。本当にその通りだと思います。1982年~1983年の神田営業所は僕にとってもパフにとっても、永遠に不滅なのです。

さて、本日は終日在宅です。

でも、オンラインでの会議や研修が立て続けに実施されることになってますね。これから準備に取り掛かりましょう。

では朝食&エール後、仕事します!