パフ代表の徒然ブログ「釘さん日記」

昨日の日記(社長交代を決議した日)は、多くの方々にお読みいただけたようです。

Facebookにもたくさんのコメントを頂戴しました。

詳細にはほとんど触れず、ただ「社長交代を決議しました」というだけの簡単な報告だったのに恐縮しています。読者の皆さん、ありがとうございました。

ということで本日は、社長交代の内実をご報告したいと思います。

「後任の社長を誰にするか。パフという会社の舵取りを誰に託すか」ということは、実はもうずいぶん前(15年くらい前だったかな)から考えていたことです。

会社を立ち上げて社員を毎年定期的に採用し、創業期から成長期に向かい始めたころからです。そのとき僕は50歳をひとつの区切りにしようと思っていました。

13年前(2007年12月に開催した10周年記念式典)の寸劇「パフ創業物語Always編」では、僕は20周年の日(2017年12月)に社長引退し、キングレコードからCDデビューしたうえで全国ツアーすることになっていましたし(笑)。

ところが2008年秋に突如襲ってきたリーマンショックによって、社長交代どころではなくなってしまいました。

会社がなくなるかどうかの瀬戸際が3年間続き、その後も傷んだ財務を回復させるために、僕はあれこれと修復作業に追われていました。

でも、この時代の試練が、僕も社員も会社も強くした(というか大人にしたのかな)と思います。

2016年には業績も財務もすっかり回復しました。このときの執行役員はヨシカワとホサカの二名。そこに同業で活躍していたオーオカが合流して、事業運営の安定感も増してきました。

そして20周年を迎えた2017年の正月に僕は決意しました。

3年後の2020年に社長をバトンタッチしよう。バトンを渡す相手は、新卒一期生のヨシカワだ。まだ内定者だった西暦2000年の夏から苦楽をともにしてくれた彼女にトップとなってもらい、その脇を(助さん格さんのように)ホサカとオオオカでしっかりと支えてもらおうと。

まずは2017年9月の株主総会で、ヨシカワには取締役になってもらいました。プロパー社員で取締役に就任したのはヨシカワが初めてのことでした。

そして翌年の2018年9月の株主総会では、社外取締役として名大社社長の山田さんを三顧の礼で迎え入れました。東海地区で名実ともにナンバーワンの実績と歴史を有する業界の名門企業であり、パフとのパートナーシップの絆も強い名大社。そして、ヨシカワ同様(新卒入社で同族ではない生え抜き社員)の立場で経営を託された山田さんであれば、ヨシカワのよき相談相手になってくれるだろうと判断したのです。

もうこのときには、ヨシカワ本人にはもちろんのこと、ホサカにもオーオカにも山田さんにも、「次期社長はヨシカワで行く。交代のタイミングは2020年である」ということをしっかりと伝え、同意をとっていました。

皆さんの記憶もまだ新しい昨年2019年9月には、そのためのステップとして、副社長に就任してもらいました。

このとき唯一誤算だったのは、副社長就任を内外ともにも盛大に祝っていただいたことです。僕は内心「あーあ、来年には社長になっちゃうのに、いまこうして盛大に祝いすぎると来年が色褪せちゃうなあ……」なんて思ったものです(笑)。

そして待ちに待った、今回の社長交代の発表。

正式な交代日は9月25日ではありますが、パフの第25期のスタートである昨日から、実質的にヨシカワが会社のトップとしての舵取りをスタートさせています。具体的な権限移譲(社長としての決裁権限)の内容も決めています。

僕もしばらくの間は会長として残りますし、パフの創業者であることに変わりありませんが、できるかぎり新社長の邪魔にならないように、ましてや老害などには決してならないように、陰ながら新社長とパフをしっかりと支えていきたいと考えています。

では以下、昨日パフのホームページにも掲載されたニュースリリースをコピペして、本日の極めて珍しくまじめなトーンで書いた日記を終わりたいと思います。

あ、山田さんも比較的まじめなトーンで伝えてくれていますので、リンクしておきますね ⇒ 新生パフをよろしく!(名大社社長ブログ)

明日は、僕がこれからどうしていくかということを(知っている人もたくさんいますが笑)お伝えしますので、どうぞお楽しみに( ^)o(^ )。

 


社長交代に関するお知らせ

各位

当社は、2020年6月30日の取締役会にて、新たな経営体制のもと今後の事業展開を図っていくことを決議いたしましたのでお知らせいたします。
具体的には、2020年9月25日開催予定の第24期定時株主総会および取締役会において承認可決されることを条件に、吉川安由(現取締役副社長)が代表取締役社長に昇格すると同時に釘崎清秀(現代表取締役社長)が代表権を持つ会長に退きます。
社長交代は1997年の設立以来、初めてのこととなります。今後大きく変わりゆく社会環境の中で、新社長の若い感性を生かしながら当社の新しい時代を創造してまいる所存です。
今後とも変わらぬご支援ご鞭撻を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

2020年7月1日 株式会社パフ取締役会


■吉川安由 次期社長からのコメント

創業者の強い理念への思いと精神力、たぐいまれなる能力と人柄(と可愛いまゆげ?)で「知る人ぞ知るこだわりの名店」として続いてきたわが社。その店の長女として、こだわりの味とそれを生み出す匠の技、人と向き合う基本姿勢をみっちり叩き込まれてきました。

そして入社20年目を迎えた今、居心地のよい実家を飛び出し、古いしきたりやしがらみを捨て、より多くの方に、より食べやすいスタイルでお届けするお店へと改造していくことが、育ててくれた皆さんへの恩返しになると感じ、次なるバトンを受け取ることに決めました。

「顔の見える就職と採用」の実現のため、リアルにこだわり、多くのマンパワーをかけるスタイルを貫いてきたこれまで。しかし、大きく環境が変化した今、ここにこだわることが理念の追求になるのか?そんな疑問がわいてきました。

ここからは時代にあった様々なツールの活用と、能力・性格共に凸凹が激しいスタッフの“強み”を活かしたチーム総合力で、時間的・距離的・心理的ハードルを越えることを意識した事業経営を目指してまいります。
そして、新体制になってもこだわり抜きたい「顔の見える就職と採用」というパフ伝統の味は3つあります。

①【face-to-face】顔を見せ合う(一人一人に目を向ける)
②【heart-to-heart】心の顔も見せ合う(ホンネで良いことも悪いことも伝えあう)
③【face each other】顔を背けない(逃げずに向き合い続ける)

いよいよ「パフ=釘さんの会社」から、本当の意味での「株式会社パフ」になる物語をスタートさせます!
ポジティブさと運の良さだけが取り柄の未熟な新米店主ですが、全スタッフの心を一つにし、誠心誠意がんばりますので、これからもパフをどうぞよろしくお願い致します。


■山田哲也 社外取締役(株式会社名大社社長)からのコメント

釘崎さんと出会ったのは2010年2月。 私が社長に就任したばかりの頃。早いものであれから10年が過ぎました。経営者として右も左も分からず、実績のない私が目標としていた人物が釘崎さんでした。温厚そうに見える表情の裏側にある強い信念と理想、そして取り組みに大きな影響を受けました。東京に出張する度に学びを得ながら、パフというユニークな会社を理解していきました。リーマンショック後の厳しい時期でしたが、常に明るく全力で取り組む会社の姿勢に勇気づけられたことを今でも記憶しています。

その中心にいたのが吉川さん。どんな時でも笑顔を絶やすことなく、こちらのどんな難しいお願いも断ることなく引き受けてくれ、成果を上げてくれました。弊社の役員と「吉川のような社員がうちにいてくれたら・・・」とどれだけ話をしたでしょうか。

私が最も信頼するパートナー企業がパフで、共に成長を築いていきたい企業がパフです。2年前に釘崎さんから社外取締役を打診された時も迷うことなく引き受けました。パフの力になりたいというよりも自分が近くにいたいと思っただけなのかもしれません。

私と吉川さんは共通点も多いです。共に新卒入社。私も20年勤め、社長に就任しました。トップからの理不尽な要求にも耐え、苦境を乗り越えてきたのも同じ(笑)。10年前の私と比べれば能力の高い吉川さんですが、重圧に苦しむこともあるでしょう。そんな時は都合のいいメンターとして使ってください。これが釘崎さんに助けてもらった恩返し。余計な心配なのかもしれませんが・・・。

これから吉川カラーを前面に押し出しながら、全スタッフの力を結集し、新生パフを創ってください。期待しています!


■釘崎清秀 現社長からのコメント

吉川も山田さんも、上のコメントで珍しく私のことを持ち上げてくれていますが、私がいままで社長を続けてこられたのは、私にたぐいまれなる能力や精神力があったからでも、強い信念や理想があったからでもありません(少しばかりの頑固さと垂れた眉毛のおかげだったことは認めますが笑)。吉川を筆頭とする社員たちが(どんなに苦しい時でも辛い顔を外に見せることなく)明るく前向きに、多くのお客様に寄り添いながら仕事をし、期待に応え続けてくれたおかげです。

パフの社訓にもなっている「うまれよ」(“うそをつくな”、“負けるな”、“礼儀正しくあれ”、“世のため人のため”)。次期社長を引き受けることになった吉川は、入社以来20年間、このことを先頭に立って実行してきた理念の体現者です。

「今般のコロナ禍の大変な状況のなかで社長交代などして大丈夫なのか」という声も漏れ聞こえてきますが、心配ご無用です。「会社はトップの器以上には大きくならない」といいます。吉川は脇が甘くて頼りないようにも見えますが(確かにそんなときもありますが苦笑)、人間としての器は私などの何倍以上もの大きさです。パフを今よりもずっと強く、大きく、育ててくれることでしょう。

そして、世の中が大変な時代に突入する今だからこそ、私たちも「大きく変わる」必要があります。このたびの社長交代によって、パフがこれからの時代に真に必要とされる会社へと変化・成長していくものと信じています。ぜひご注目いただくとともに、皆様のより一層のご支援をいただけますよう、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

以 上