港区を3時間かけて散策した日
2008年4月5日 (土曜日)
僕の行きつけの床屋は、港区三田にある。会社(パフ)を立ちあげる前から通っているので、もう10年以上になる。この床屋のオヤジさん(60代半ばくらいかな)は、ちょっとした芸術家でもある。油絵や水彩画を書いては展覧会に出品し、上野の美術館にもよく飾られたりしている。
このオヤジさん、朝の出勤途中でも、スケッチブックを自転車の荷台に括りつけて都内を散策し、目にとまった風景をささっとスケッチしているらしい。
きょう頭を刈ってもらいながら、 「いやあ、きょうはいい天気だよねぇ。クギサキさん、赤坂サカスもういった?きっと桜もまだ咲いてると思うし、行ってみなよ。歩いて行くのも、きょうなんかは気持ちよくていいかもよ」と言われ、その気になった。
床屋を出たのが12時過ぎ。それからまるまる3時間、三田、赤羽橋、東麻布、飯倉、神谷町、六本木、赤坂を徒歩で歩き回った。
さて、これらの写真を見て、何かを感じないだろうか……。
東麻布から神谷町に向かうところに、大手ディベロッパーに地上げされた古い民家やアパートがたくさんあった。
「立入厳禁。巡回警備実施中」 という看板が、玄関に貼られており、周辺は草ぼうぼうで、猫が寂しく佇んでいた。
もうすぐ壊される運命の古い建物群。再開発によって賑わいを見せる街。東京のウラとオモテ、新・旧の顔だ。
港区三田から赤坂まで。ぶらぶらと時代の空気を感じながら歩いた休日の昼下がりであった。
アメリカからのお客様と和食の日
2008年4月4日 (金曜日)
夕方、ニューヨークに本社のある人材紹介会社I社の社員の方が2名、来訪された。この会社の社長とは、かれこれ5年前からの付き合いで、社長が日本に来られるときは、必ずお会いしている。
会うたびに、 「そろそろ真面目に、提携ビジネスを考えましょう」という話になるのだが、その後の飲み屋で盛り上がりすぎるために、ぜんぜん現実性のない話になって、毎度お流れになっていた。
お互い、こりゃいかんと思っており、昨年の秋にお会いしたときに、 「来年こそは」という話になった。
今回ばかりは、ずいぶんと現実味がある。というのも、東京事務所に常駐の社員SAさん が送り込まれてきたからである。このSAさんは、日本の大学を出たあといったん民間企業に就職するも、その後すぐアメリカの大学に入り修士課程まで修めた人だ。
それと今回は、社長の特命で、シンシナティから同様に日本人社員SIさん がやってきた。
パフに来訪してくださったのは、このSAさんとSIさん である。
夕方4時から二時間、みっちりと真面目な打ち合わせを行った。こっちも僕ではなく、イトーを打ち合わせ担当として置いた。
社長同士の打ち合わせとは違い、地に足のついた、なかなか現実味のある打ち合わせとなった。さすがである。
打ち合わせが終わった後、このI社のお二人の社員を、近くにある和食屋さんにお連れした。特にSIさんは、4年ぶりの日本とのことで、和食を楽しみにしておられたという。
最近、パフの内定を受諾した外語大のTも連れて行った。Tは、アメリカに留学していた経験もあり、I社とのコラボレーションを進めるなかで、ちょこまかと動いてもらう可能性が大きいからだ。
「おいT、ちょっとシンシナティまで行ってきてくれ!」なーんていう指示を飛ばせたら、カッコいいかな(笑)。
さてさて。今回の話は、どういうふうに発展するか。5年越しのコラボ話。そろそろ実現に向かわせたいものだ。
10年後のデビュー先を見つけた日
2008年4月3日 (木曜日)
昨年の10周年式典のときに披露した演劇の脚本によると、僕は10年後、歌手デビューすることになっている。
所属レコード会社は、キングレコード。
きょうの昼休み、築地の一角を歩いていたら、なんとこのキングレコードの看板をみつけた。築地と新富町の中間にある、昔の風情がたっぷり残る通り。ふるーいビルにこの看板はある。
この看板をながめていたら、「おいでおいで、待ってるよ~」と言われているかのようだった。
それにしても、なんでこんなところに、キングレコードの看板があるのだろう???
うまれよ塾生が、お土産を持って再訪した日
2008年4月2日 (水曜日)
09年度の就職活動に向けてのうまれよ塾 は、昨年の9月から開設していた。
9月といえば、まだ学生にとっては夏休み。たいして集まりはしないだろうが、来なきゃ来ないで開店休業すればいいや、という、ちょっといい加減なモードで受付を開始した。
そんないい加減なモードでの、昨年の9月開催の、うまれよ塾。確か申込みは、3人ほどあったように記憶している。
しかし、実際に来てくれた学生はひとりだけ。なんと、家庭教師モードでの、うまれよ塾となったのだった。
まさに、パフの理念である 「世界で、たったひとりのあなたのために」の実践だったわけだ(苦笑)。
この日、参加してくれた学生は、青森の大学で獣医学を学んでいる学生。うまれよ塾に参加するためだけに、遥か青森から東京のパフまで、わざわざ来てくれたのだった。
こりゃあ、いい加減にやるわけにはいかない。
そういうわけで、この日の学生には、特に思い入れがあった。名前をMさん という。
そして、Mさんは昨年の12月。めでたく研究職として、某製造業から早々と内定をもらうことができた。
Mさんから 「内定をいただくことができました♪」 という連絡をもらったときには、我がことのように嬉しかった。
前振りが長くなったが、そのMさんが、きょう再度パフを訪ねてくれた。先週から関東のほうで学会が開かれていたとのことで、その帰りに寄ってくれたのだ。しかも、手土産を持って。
とても嬉しい。お土産をもらったことにではない。たった一度の(しかも3時間だけの)うまれよ塾だったのに、ここまでパフに恩を感じてくれていることに対して、だ。
Mさんからは、昨年のうまれよ塾が終わるとすぐに、お礼の手紙(もちろん手書き)をもらっていた。そして、今年の正月には、直筆の年賀状ももらっていた。そしてさらに、今回は、学会の帰りとはいえ、わざわざ手土産を携えて、パフに立寄ってくれた のである。
こんなことのできる学生は今、いったいどれくらいいるのだろうか。誰から言われたわけではない。マニュアルで動いているわけでもない。自分の素直な気持ちを、自然な行動で表してくれているのだ。
素晴らしい。Mさんの採用を決めた会社は、実にラッキーだ。こんな逸材を採用できたわけだから。
こんな学生が、もっともっとたくさん社会に生み出されていったとしたら、いい世の中になるのは間違いない。
パフがその後押しを、多少なりともできているのだとすれば、これほどの喜びはない。
#ちなみにMさんの内定先は、1年前まで、パフと取引のあった会社だった。いまは残念ながら取引が途絶えているのだが、これを機会に復活させないといけない。がんばれ営業!!
パフを志望する学生に伝えているメッセージを掲載する日
2008年4月1日 (火曜日)
きょうは4月1日。多くの企業が、新入社員を迎え入れる日である。同時に、就職活動中の学生の面接が本格化する日(倫理憲章が定める選考の解禁日)でもある。
パフも来年度(2009年4月)は、数名の新入社員を採用する計画だ。いままさに、志ある学生の応募を受け付けている。
そこで本日は、パフの社長である僕が、パフを志望する学生に、どんなメッセージを伝えようとしているのかを、この日記に掲載しようと思う。
パフの考え方や、パフが目指す方向を、この日記を読んでくださっている方々(同業者も多いと聞いている)に、あらためて知っていただきたいと思う。
・・・・・
●パフは、世の中の人々に、必要とされる会社になりたい。人々が、幸せに豊かに暮らせるような世の中を、作っていきたい。
●これから生まれてくる子供たちが将来、 「明るく楽しく生き生きと、そして真剣に」暮らしていけるような世の中にしていきたい。
●若い人たちが「社会に出てハタラク」って、いいことなんだ。楽しいことなんだ。自分の人生を豊かにすることなんだと、思えるような世の中にしていきたい。
●一人ひとりが、「生き生きと幸せに働ける」ようになったら、絶対いい世の中になる。職業を通して得られる喜びがあれば、人生そのものが豊かになる。働く喜びが充満した世の中になれば、訳のわからない犯罪だって少なくなる。
●そのためには、現在の日本の、偏った就職と採用のあり方を変えていかなければならない。
●皆が判で押したように、同じマニュアル本を見て、同じ就職ナビを見て、同じイベントに行って、同じリクルートスーツを着て、就職人気ランキング上位の企業に入ることがシュウカツの成功だと信じて疑わない、この国の就職と採用を変えていきたい。
●大手有名企業だけに人が集中してしまう、この おかしな状況を変えていきたい。3年生の10月に一斉にシュウカツがスタートし、2月から一斉にセミナーがスタートし、タイミングを逃すと門戸が閉ざされてしまう、この おかしな状況を変えていきたい。地方にいる人材を、根こそぎ、東京の会社がさらっていく現状を変えていきたい。海外の学校で勉強している学生たちが、卒業後、安心して日本に帰ってこられるような仕組み を作りたい。日本のあらゆる会社に、適正な人材の適正な配置を促したい。
●学生の皆に、志を高く持つことの素晴らしさ を伝えていきたい。
●働く誇りや喜びは、 「どこで働くか」ではなく、「どう働くか」で得られるのだ、ということを伝えていきたい。
●企業には、採用の場を通じて、学生を育てることの貴さ を伝えていきたい。人の採用や教育の現場に居る人々こそ、高い志を持たなければならない ことを伝えていきたい。
●そういった思いのある人たちとパフは一緒に仕事をしていきたい。社員、顧客企業、パートナー企業、同業者、学校、学生。皆とこの思いを共に有し、共に育てていきたい。
●そしてこれらを、適正な利益を上げられるビジネスとして成立させたい。そうでなければ、単なる理想論者で終わるだけ。世の中を変えていくためには、大きな影響力を持ったビジネスとして、継続・発展させていかなければならない。
●パフには幸い、思いを持った優秀な社員たちがいる。小さな会社だけれども、社員の優秀さや、ひた向きさは日本一のレベルだと思う。給料がいいわけではない。福利厚生がしっかりしているわけでもない。商品やサービスやビジネスモデルが確立しているわけでもない。でも、社員は毎日、自分の頭で懸命に考えている。自分の足で懸命に動いている。あたまと体に汗をいっぱいかきながら日々の仕事をしている。他の会社の同年代の社員たちよりも、ずっとイケている。
●さらにパフには、理念に共感してくれるお客様やパートナー企業がいる。パフは10年間、お客様とパートナー企業の皆さんに育てていただいた。右も左もわからなかった、かつての新入社員たちを、辛抱強く育ててくれた。 「パフは、そんなことでいいのか!」と、檄を飛ばしてくださる、熱く温かい方々に囲まれて仕事をしてきた。
●そして、一緒にビジネスを展開していくビジネス仲間(同業者)も大勢いる。東京だけではなく、東北にもいる。新潟にもいる。北陸にもいる。中部にも関西にも四国にも九州にもいる。海を渡った海外にもいる。これから事業提携が本格化し、パフだけでは出来なかったビジネスが、大きく動き出す。
●社員、パートナー企業、お客様、同業者。そして学校や学生達。このネットワークを強固にしながら、新しい「就職と採用のカタチ」を作っていきたい。
●「世界で、たったひとりのあなたのため」の、力強い支援者になっていきたい。
●会社に何かを求めるのではなく、会社に対して自分が何をできるのかを考えられる人。考えを即、実行に移せる人。言い訳をしたり、失敗を他人のせいにしたりしない人。失敗を恐れずに突き進める人。たとえ大きな失敗をしても、そこから這い上がれる人。仲間を大切にできる人。自分本位ではなく、誰かの為に頑張れる人。
●そんな人に、ぜひ応募してもらいたいと考えています。我々と一緒に「世の中のための会社を創っていきたい」と、心底思ってくれる人たちの応募を待っています。
・・・・・
ということで、このメッセージに共感してくださる方々のご応募をお待ちしております!
週の初めがクオーター最終日だった日
2008年3月31日 (月曜日)
きょうは月曜日。しかし、きょうは3月31日。世の中の会社にとっては年度末。パフにとっても、第三クオーター最終日。
世の中的にも、パフ的にも、いろいろな締め切りに追われて、超多忙な日である。こんな多忙な日に、悠長に日記を書いているわけにはいかない。
ということで、日記を短く済ませるための大義名分が成り立った。
内容はともかく、毎日継続して書くことに最大の意義がある『釘さん日記』。
年度末の締めくくりは、このような終わり方が、 “釘さんらしく”って、良いのではないだろうかと思う(笑)。
日曜日の会社説明会だった日
2008年3月30日 (日曜日)
きょうはパフ自身の会社説明会。もう何回目かの説明会になるのだが、僕が公式に参加するのは初めての説明会となる。
顧客には、 「中小企業の会社説明会に社長が出ないのはいかがなものか?」と言っているくせに、諸般の事情で、パフ自身の説明会にいままで顔を出せずにいた。反省。
説明会は午後1時からだったので、12時30分ちょいまえに、自宅を出発した。日曜日の昼下がり。テクテク歩いての出勤も気持ちがいいものだ。
築地の交差点で信号待ちしていたら、どこからか、 「クギサキさーん」という声が聞こえる。ん?と、あたりをキョロキョロしていたら、目の前に止まっている車の中からだった。
「あれ? Mさん!!」
Mさんというのは、2年前まで、パフのお取引企業T社で採用の責任者を務めておられた方だ。いまは、別の部署で活躍しているとお聞きしている。
いやあ、懐かしい。
それにしても信号待ちの交差点で、2年ぶりにばったり出会うなんて。しかも、車内からハンドル片手に、僕の名前を叫んでくれるとは!
直接のお取引がなくなった今でも、こうして気軽に声をかけてくれる。築地の交差点の真ん中で。しかも、あたりをはばからぬ、大きな声で(笑)。なんだかとても嬉しくなった。
信号はすぐに青に変わり、Mさんの車は、走り去っていった。「わー。ご無沙汰してますう!」という わずか3秒のみの会話だったのだが、とても温かな気持ちになった。
この、つい数十分前の出来事を、説明会の僕のパート(10分の持ち時間)で話したら、残り時間があと6分ほどになってしまって、本来話そうと思っていたことが、半分も話せなくなってしまった(苦笑)。
とはいえ、お客様とパフとの関係を、具体的に表したエピソードだったので、これはこれで良かったのではないかと思う。
#Mさん、日記読んでくださってるかな?きょうはホントにびっくりしました&嬉しかったです。また、あらためてお会いしましょうね♪
さて、本日の説明会は、一次選考を兼ねたもので、説明会のあと、グループディスカッションや作文の試験があった。
少人数の採用しかできないパフなので、多くの方には、「残念ながら」の通知を出さざるを得ない。せっかく応募してくれたのに、本当に申し訳ない。
が、袖擦りあうも他生の縁。就職先としてではなく、就職活動のパートナーとして、これからもぜひ付き合ってもらえたら嬉しい。
それこそ、どこかの交差点で、「クギサキさーん!」と、呼びかけてほしいものだ。