パフ代表の徒然ブログ「釘さん日記」

福岡出張2日目。きょうはM社の九州地区での会社説明会。午前と午後のダブルヘッダーだった。

現場で活躍する先輩社員をゲストに招き、僕があれこれ仕事の苦労話、失敗談や成功談などをほじくり回してホンネを聞き出す、といった趣旨のものだ。

きょうの先輩社員は平成4年入社。入社16年目のベテラン社員。技術部門の役職者である。名前をTさんという。

学生向けの説明会で、このようなベテラン社員が登場するのは、かなり珍しいのであるが、きょうは休日なので、一般社員は(労務管理上)なかなか引っ張りづらい。そこで、上位の役職者が自ら登場した という訳だ。

説明会の本番前に10分程度、リラックスしていただくための打ち合わせを行った。

打ち合わせの終盤。採用の責任者である(僕と一緒に毎度の説明会を企てている)F部長が尋ねた。 「そういえば、Tさんはご出身はこちらのほうですか?」

するとTさんはこう答えた。

「いや、私は湯布院なんですよ」

え、えぇぇぇぇぇ!!!!

すかさず僕が会話にしゃしゃり出た。

「あ、あの、僕も湯布院なんですけど。由布院小学校と湯布院中学校の卒業生ですよ」

「え、えぇぇぇ!? ホントですかあ!!! あの、ボクは、金物屋のTの倅(せがれ)ですよ」

「えぇぇぇぇ!? ホントですかあ!!! ボクは、いつもそのTで買い物してましたよ。あの由布院小学校の正門のすぐ前のTですよね? うちのオヤジは旅館Sの板前をやってたんですよ」

「え、えぇぇぇぇ!? ホントですかあ!!! ボクの結婚披露宴は、その旅館Sでやったんですよ!」

という、超ローカルな会話のやりとりが、しばらく続いた。周りにいた、人事のF部長や担当の皆さんは、あっけにとられていた。

こんなことってあるもんなんだなぁ。

詳しく聞くと、Tさんは僕よりも7学年下なので、Tさんが由布院小学校に入学したときは、僕はすでに湯布院中学校の2年生だったことになるが、それでも、共通の知人はたくさんいるし、絶対何度も町の中で顔を合わせていたはずだ。

ベテラン技術者の登場ということで緊張していた我々の場も、これで一気に和んで、その後の会社説明会の本番が、とても楽しいひとときになったことは言うまでもない。

それにしても、昨夜は、由布院小学校・湯布院中学校時代の友だちと昔話に花を咲かせたばかりだというのに、二日連続で(しかも公務中に)、湯布院ネタで盛り上がるとは思わなかった。

これだから、人との出会いのある仕事は面白い。

ところで、M社の保養所が湯布院の別荘地にあるという。今年度の採用活動が落ち着いたら、この湯布院の保養所で、採用の振り返り会議をやろう!ということまで、本日決まってしまった。もちろんTさんを特別ゲストに招くのは言うまでもない(笑)

東京は雨。福岡は快晴の日

2008年3月21日 (金曜日)

けさの東京は、雨と風が酷かった。傘をさして歩いていると突風が吹いてきて、傘の骨が脱臼しまくりだった。

朝8時からの早朝ミーティング(PNCの勉強会)に参加した後、すぐに会社を飛び出した。福岡行きの飛行機に乗るためである。

東銀座発、羽田空港着の京浜急行に乗ったのだが、運が悪いことに、事故で徐行運転。予定時刻よりも10分以上遅れて到着。

ダッシュで手荷物検査を済ませ、搭乗口へ。ぎりぎりセーフだった。

機内でくつろいでいると、あっという間に福岡。本当に近い。

福岡の空は快晴。出かけるときに見た東京の空とは、格段の違い。日本列島は本当に長いんだなあと実感した。

本日の福岡での仕事は、パフ取引企業某社の九州統括関連会社に伺って、取引の土壌をつくること。いろんな意味で耕しがいのある会社だった。

夜は、小・中学校時代の友人を誘って念願の水炊き を食べた。とても美味しかった。

でも、福岡の水炊きも、東京の水炊きも、あんまり変わらないような……。いやいや、違う。やっぱり福岡で食べることに意義があるのであろう^^;

 

余談だが、小・中学時代の友人と話をしていて意外な事実に気がついた。僕はその子とは、小学校5,6年のときだけの同級生だと思っていた。

が、昔話をするうちに、小学校2年生のときの担任の先生が同じだったことが判明。つまり小2時代も同級生だったことになる。記憶からまったく消えていた。昔のことは細かいところまで覚えているつもりだっただけに、軽い衝撃。考えてみたら、40年も昔のことなんだもんなあ……。

お彼岸と卒業式の日

2008年3月20日 (木曜日)

きょうは春分の日。いわゆる、お彼岸だ。お彼岸といえば墓参り。きょうは朝から家族で父親の墓参りに出かけた。

外はあいにくの雨。しかも寒い。雨脚も強い。親父の墓は、世田谷の駅から歩いて20分ほどのところにある。この雨の中、歩いていくのは、ちとシンドイ。

タクシーを拾っていこうと思ったのだが、なかなかタクシーが来ず、結局は20分間、冷たい雨の中を歩きどおしだった。いやあ、寒かった。

もうすぐ桜も咲くというのに、この寒さのせいで、蕾もびっくりしてしまったのではないかな。

 

墓参りの後、会社に向かった。「卒業式」に参加するためだ。

この1年間、パフに関わってくれた学生たち。あんDショージさんといちゃんおーしまくん、なぜか といちゃんの彼氏が、パフのセミナールームに来てくれた。皆、この3月で卒業し、4月からは晴れて社会人となる。そのことを皆でお祝いしようということで有志たちが企画したのが、きょうの「卒業式」なのだ。

しかもこの卒業式は、同窓会も兼ねており、過去、パフに関わった旧学生たちが多数集まってくれた。皆、現在ではバリバリの社会人である。

4年前、パフの最終選考で僕が面接し、泣く泣く落としてしまったT君も来ていた。「元気にしてるかなあ」と、ずっと気になっていたT君。会うのは、なんと4年前の最終面接のとき以来。会えて、いや、T君がこの場に来てくれて、とても嬉しかった。

他にも懐かしい顔がたくさんいた。懐かしくはないが、久々の顔もたくさんいた。

こうやって何年経っても、パフのことを思い出して遊びに来てくれるのは嬉しいものだ。

今年卒業していく面々も、ぜひまた社会人として遊びに来てほしい。いつでもパフは扉を開けて待っている。

味噌煮込みうどんを食べた日

2008年3月19日 (水曜日)

きょうは朝から名古屋に出張。東京発7時40分の新幹線で、名古屋に向かった。

出張といっても名古屋は近い。新聞を読んで、ノートPCでメールの確認などしているうちに、着いてしまった。

所要時間1時間40分。このくらいの時間をかけて通勤している人も珍しくはないだろう。

きょうはM社の会社説明会のお手伝い。9時半に説明会の会場に入った。名古屋駅のそばのとても立派なタワービルである。ちょうど1年前に竣工したという。

説明会は順調に進み、昼休み。

M社の皆さんと、このビルの地下にある、味噌煮込みうどんの店に入った。

名古屋(実際は岡崎かな)といえば、やっぱり八丁味噌である。米麹を使わず大豆だけでできている赤みの味わい深い味噌である。

この味噌で土鍋をつかってグツグツ煮込んだうどん。白いご飯と一緒に食べると格別だ。普通のうどんと比べると、コシが強く、堅くて太い麺が特徴だ。

ふーふーやりながら食べた。なかなかである。僕が普段食べている「立ち食いうどん」とはやっぱりちがう。まあ、立ち食いうどんよりも、値段が3倍以上するのであるから、このくらい美味くないとな。

ご当地自慢のものを食べる。出張のひとつの楽しみである。

ところで週末は福岡出張である。僕はいつも福岡に行くと、晩飯は手軽にラーメンになってしまうのであるが、今度は博多名物の水炊きでも食べに行くとするかな♪

本日パフのセミナールームで、企業の人事担当者向けのセミナーを開いた。
タイトルは「内定者フォロー成功セミナー」

このなかで、3年前よりパフを利用しながら新卒者採用を行っている、A社の採用責任者Yさんに事例を発表していただいた。

A社は、パフの内定者コミュニティシステム(PNC)を上手に活用しながら、一年間にも及ぶ内定者との関係を強固なものに育て上げている。

システムの活用だけではない。パフの営業マン、パフのセミナールーム、パフの近所のコンビニや酒屋や寿司屋まで(?)、パフのリソースを存分に活用していただきながら、デジタル・アナログ両面からのフォローを行っている。

その結果、内定辞退率が、なんと半減したという。

しかし、内定者の引き止めは一切行っていない。承諾書も10月の内定式の日に書いてもらうだけだという。あくまで「決めるのは君たちだ」というスタンスだ。

その代わり、Yさんの内定者に対する情熱は凄まじい。内定を出したときは「まだ子供」。それを入社までの間に「きちんとした大人」に育て上げようとしている。

本当に、本気(マジ)で、内定者たちと関わっている。

「そこまでやって、手間ではないんですか?」との質問が出た。

するとYさんは事も無げにこう言った。

「自分の子供を育てるのに手間だって思う親がいますか? 親だったら喜んで子供の写真を撮ってアルバムを作るんじゃないですか?」

響いた。我々自身、「ハッ」とさせられた。

とかく業務の効率化や合理化ばかりが叫ばれる昨今。人事・採用の世界でも、「いかに楽をして人を集めるか」「いかに手間を省いて選考して、効率よく内定・入社まで繋げるか」に関心が集まりがちだ。

「採用担当者は親」 という視点。 「学生を育てる」 という視点。「親が子供を育てるのは『あたりまえ』」という考え。

このYさんの考えを、日本中の企業の人事担当者の耳に届けたいと思った。

情けないなぁと思った日

2008年3月17日 (月曜日)

世の中には、自分の力と、所属している組織の力とを、混同しているひとが大勢いる。

属している組織の影響力が大きいと、ついつい人は、その力が自分自身の力であるかのような錯覚に陥り、人に対して、不遜な態度をとってしまう。

大きな組織の、中途半端な管理職にありがちな現象だ。

またこれは、国家権力を与えられた組織に属する人々にもありがちだ。

政治家は選挙があるため、実はあまり横柄な態度はとったりしない。それよりも、やっぱり公務員たちに、問題となる人たちが多いようだ。税金で給料をもらっていることを忘れて、税金を納めている人たちを支配しているかのような錯覚に陥っている。

その人たちに共通して見られる傾向は、「縄張り意識」が強いこと。自分の関係する領域に、他の人が踏み込んできたりすると、とたんに態度を堅くする。自分を通さずに物事が進んでしまうと、その物事を潰そうとする。一切、人の話を聞こうとしない。

まったくもって、情けない。

そんな人たちに限って、自分よりも権力や影響力を有している人には、へコヘコしているものだ。

ああ、情けない。

きょうは、そんな情けない人を間近に見て、ふつふつと怒りが込み上げてきた日だった。

事務所のレイアウト変更工事に便乗して、自分の机の上においてある資料の整理を行なった。

整理といってもたいしたことをやったわけではない。

うずたかく積み上げられていた資料で要らないものを捨てたり、あとで読もうと思っていたDMを開封して捨てる、という単純な作業だ。

その未開封のDMのなかに、財務省関東財務局の資料があった。昨年の暮れころ送られてきていたのだが、気にも留めずにいた。

開けてみると、中には40ページほどの安っぽい(簡易コピーの)冊子が一部入っていた。

タイトルは【法人企業統計年報要覧】

思い出した。そういえば昨年の夏、調査に協力していた。パフの細かな財務内容などを回答したのだった。

この統計要覧は、その調査協力のお礼として送られてきたもの。全国に約247万社ある法人企業から何万社かを抽出・調査し、統計処理・分析をおこなった要覧である。

何気なくパラパラめくってみた。

何の主観も入らない、単純な数字とグラフの羅列である。

売上高」「経常利益」「売上高経常利益率」「設備投資額」「外部資金調達額」「自己資本比率」「手元流動性」「労働生産性」「労働装備率」などなどの数字が、ただ淡々と掲載されている。

興味深かったのは、資本金1億円未満の中小企業層と、資本金1億円以上の大企業層を並べ、比較しやすいように載せてあったこと。

読むうちにどんどん引き込まれていった。単純な数字の羅列のはずが、その数字には大きな意味があった。読んでいて愕然としたのである。

大企業と中小企業の格差が、とてつもなく大きく開いていることがよく分かったからだ。

日本の法人企業の98.8%は中小企業である。この中小企業で働く従業員数は、全体の70.6%を占めている。100人のうち70人は、中小企業ではたらく人々である。

しかし、この国の労働政策や産業政策は、どちらかというと大企業に有利なように設計されている(ように思える)。大企業は税金をたくさん納めているわけだから、政治への発言力が大きくてもやむを得ない。経済団体の会長さんの発言に重みがあるのもわかる。

しかし、彼らに擦り寄るような政策になってしまっては困る。100人のうち70人を見捨てて、30人だけを救うような政策になってしまっては困るのである。

中小企業は、厳しい環境のなかで、必死に頑張っている。景気が回復したといわれている近年の全産業の売上高と経常利益。大企業は確かに、4年連続の増収増益である。しかし、中小企業の平成18年度の経常利益は、前年を下回っている。

労働生産性(付加価値額/従業員数)を見ると、中小企業は、大企業の半分以下で、その格差は、年々広がる一方だ。しかし、大企業の下請け中小企業への締め付け(発注価格の値引き要求)は、どんどん厳しくなっている

こりゃ、いかん。

日本を支えているのは中小企業なのである。中小企業で働く従業員たちの血のにじむような努力と汗によって、大企業の利益が生み出されているのだ。日本国の税金の多くも、中小企業の従業員たちの納税によるものである。

その従業員は決して少数派ではない。全体の7割以上を占めているのである。この7割の人々が幸せにならないでどうする!?

この一冊の薄っぺらい統計冊子を読んでいて思わず怒りがこみ上げてきた、日曜日の昼下がりなのであった。

 

#きょうは珍しく、釘さん、まじめで硬派やなあ……。