誕生もあれば別れもあった日
2009年9月17日 (木曜日)
きょうは、パフの各種サービス提供の要(かなめ)である新卒二期生ホサカの誕生日だった。
彼女が内定者として働き始めた時(西暦2001年の7月。21世紀元年だったんだな)、彼女はまだ21歳。あの頃はやんちゃな学生で、僕も毎日のように怒鳴っていたのだけれど、いまでは、たくさんのメンバーと大量の仕事を見事に捌いてくれる名マネジャー。気がつけばもう大台かあ……。
まあ何歳になっても誕生日というのはメデタイものだ。ホサカさん、おめでとうございました。
一方で夕方ころ。ちょっとショックな訃報が入ってきた。
パフの名前の由来である、フォークソング“Puff”を歌っていた、アメリカの三人組のフォークシンガー“ピーター・ポール&マリー”(略称PPM)のマリーが亡くなった。享年72歳。白血病だったそうだ。
奇しくも2日前、このPPMのことを客先で熱く語ったばかりだった。そのお客様は若いころバンドを組んでPPMのカバーを歌っていたとのこと。PPMの来日コンサートも見に行ったことがあるとのことだった。マリーの歌声は、ホントに素晴らしかった。ピーターとポールの3人で織りなすハーモニーに、全世界の若者が魅せられた。
謹んでマリーさんのご冥福をお祈りします。
そして夜。今度は嬉しい誕生のニュースが飛び込んできた。パフの「幻の新卒三期生」であるナガシマ(旧姓)に赤ちゃんが誕生したというニュースである。
ナガシマはパフに入社する寸前、パフとは別の道を歩むことを決めた。しかし彼女はその後も、節目節目で僕にまめに連絡をくれる。僕のコンサートのときなどは、いつも大きなお花を贈ってくれる義理がたい奴なのだ。
ナガシマ、ホントにおめでとう。これからはママとしても頑張れよ~。
ひとつの生命(いのち)には始まりもあれば最期もある。始まりは嬉しいが最期は悲しい。でも、人類全体でみればバトンリレーのようなもの。我々は決して終わることのないバトンを永遠に繋いでいきたいものだ。
新内閣が発足した日だっていうのに・・・の日
2009年9月16日 (水曜日)
風邪がなかなか抜けてくれず(咳と鼻水が止まらないんだよねぇ)、夕方、再度病院に行った。
待合室ではテレビでニュース番組をやっていた。
そういえば、きょうは鳩山内閣発足の日。きっとそのニュースを中心にやるんだろうと思っていたら、テレビに映っているのは、酒井法子の旦那さん。保釈されたというニュースだった。
「あ、そっ」という感じで、特になんの関心も興味もないニュースだ。早く鳩山内閣の顔ぶれが知りたい。そう思ってテレビを見ているのだが、延々と酒井法子関連のニュースが続いている。
おいおい、いい加減にしてくれよ! と、イライラしてくる。
挙句の果てに、テレビは保釈された酒井法子の旦那のクルマをヘリコプターで追いかけている。
な、なんなんだ、このニュース番組は!!
まったく呆れてしまう。
日本の行く末に何の影響も及ぼすことのない元アイドルの旦那のニュースを、こともあろうに(日本の行く末に大きな影響を与える)新内閣発足の日に、こんなに長時間垂れ流すとは。
最近の日本のテレビ局(特に民放)は、どうかしてるんじゃないか?
ニュース番組だけじゃない。若手芸人たちを安いギャラで使った、低俗な番組が目立つ。
いい加減にしてほしい。
若者に大きな影響を与えるテレビメディアがこんなんじゃ、先が思いやられる。
お手軽、お気軽な番組づくりは、視聴率を上昇させるためなのかもしれないが、それが国民の文化・教養レベルを低下させることにつながっていると思わないのだろうか。
良識ある(はずの)テレビ局の経営者たちには、いまいちどテレビのあり方を真剣に考えてほしい。
サムライ魂をもった人事マンから熱いコメントをもらった日(その2)
2009年9月15日 (火曜日)
昨日の日記での予告どおり、本日は、「サムライ魂をもった人事マン」から頂戴したメールを転載させていただく。
その前に、一点だけ訂正が。
昨日の日記では、「人事部長」と書いていたが、正式な肩書は「人事部次長」であった。
でも、「人事部長」でもあながち間違いではなかった。なぜならこの方は、会社のなかで最も上位の人事責任者であるからだ。つまり「実質的な人事部長」なのである。
ということで、「実質的な人事部長」である本日の主人公のお名前を明らかにしよう。
その名は「伊藤健一さん」である。
会社は、とある分野に特化した情報サービス事業を営む東証一部上場企業である。30期連続で増収増益を達成している(現在も継続中)の超優良企業だ。
BtoBのビジネスなので、学生にはほとんど知られていないが、企業経営者で知らないという人は誰もいない(もし知らなかったら、そりゃ潜りの経営者だな)。
伊藤さんは、そんな実力派企業の人事責任者なのである。
伊藤さんとパフ(僕)との出会いは8年ほど前だった。以来ずっと『職サークル協賛企業』になってくださっている。
では、この伊藤さんの熱きメールを原文通り、以下転載する。
#読者の皆様にも、ぜひ感想をお寄せいただければと思います。この日記のコメント投稿フォームからでも結構ですし、僕あての私信メールでも結構です。伊藤さんにお伝えしたいと思います。
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私は人事部に異動になったのが平成5年の4月でして、早いものでもう16年が経過し、現在17年目となりました。
新卒採用活動を、今年も含めて17回もやってきたことになります。
(いつまでたっても、何回やってもレベルが上がらず、自分の力量のなさを毎年痛感するのですが、また翌年同じことをやっているという情けない状況です。実は、正直、もう採用活動にはうんざりしているのですが・・・。)
単に長いことやってるだけ、と言えなくもないですが、それでもそれなりには採用活動に対する想い(こだわり)も持てるようになりました。
そんな者からすると、最近(と言うかここ6~7年ぐらい感じていることですが)、世の中の採用担当者は弱くなりましたね。(自分のことを棚に上げていることはお許し下さい)
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強烈に感じるのが、長い期間学生と付き合うことに耐えられないのではないかということ。実に多くの企業が、選考合格後すぐに承諾書を出させて、採用目標人数を確保して活動を終わらせようとしています。
いかに短い期間で終わらせるか、ということに必死になっているような気がします。
学生のことを考えたら、一方的かつ最小限の情報提供だけであとは勝手に選考合格と言っておいて、2週間以内に承諾書出せ、というのはあり得ないですよね。
常識的に考えて、例えば自分が車か何か高額なものを買う場合でも、もう少しいろいろと比較検討するんじゃないでしょうか。そこが分からない担当者が多い。
当社では、最終合格者にその後も自由に就職活動をしてもらう(実質的には9月中旬まで返事を求めません)ようにしています。当社に入社を決めた学生の話を聞くと、「他社からも内定をもらい、もう少し考えたかったのに、すぐに返事しろと言われたので仕方なくその会社は辞退した」と言う学生がけっこう多いです。
ハッキリ言って、待つのは辛いです。ギリギリまで入社予定者数が読めない状況でいるのは精神的に追いつめられます。ですが、こういうやり方に変えてから(もう十数年以上前ですが)歩留まり率は高まりました。
もう少し学生の立場に立って、じっくり待ってあげれば良いのになあと思うのですが、待ってられないのでしょうね。
そうやって、ムリに承諾書を出させた結果、入社後3年で3割辞めていくわけですね。
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最初に世の中の採用担当者を疑ったのは、会社説明会や面接のアウトソーシングが始まったときです。
自分の会社の説明を他人にしてもらう、自分達の同志となれるかどうかという人物の見極めを他人にやってもらう。
どうしても信じられません。その結果、社内にはそういうノウハウを持った人間がいなくなっちゃったんでしょうね。
私ごとですが、人事部に異動して初めての会社説明会の時、とても緊張して、学生に「緊張している人?」と手を挙げさせ、同時に自分も手を挙げていました。説明会場の後ろには上司が座って聞いていて、終わってから、あれはダメ、これもダメ、とダメ出しされたのを今でも覚えています。
自分なりに会社の良いところ、悪いところ、何をどう学生に伝えるか、話し方、身振り手振りまで考えてやってきたつもりです。いろいろと鍛えられました。
採用担当者にとってのそういった場を無くしてしまう、ということも実にもったいないです。
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インターネットを使った採用活動の普及も、採用担当者を弱くした要因だと思っています。
ネットが普及する以前の採用活動・就職活動は、とても手間がかかりました。就職情報誌に会社情報を掲載してもらって、資料請求はがきを受け付け、資料を送り、会社説明会の開催案内はすべてDM(紙)で、説明会の参加申込は電話で受け付け、説明会後の面接の合否連絡及び面接呼び込みもすべて電話で、といったやり方でした。
学生の集まりが悪いので急遽説明会を追加したときに、説明会の案内文を作って2000枚ぐらいコピーして、三つ折りにして封入して、なんていう作業を深夜まで会社に残って一人でやっていたこともありました。
ところがネットでの採用活動はホントに便利です。DMを打つのにしても、文面をつくって、送信対象を検索して送信指定すれば、指定した時間にDMが送信できちゃいますし、会社説明会を追加した際なんかも、すぐに学生に案内できちゃいますからね。申込やキャンセルもクリック一つですし。
決してネットが悪いとは思いませんが、簡単になった分、学生も企業側もとてもお気軽になってしまってあまり深く考えなくてもできるようになったのではないかと思います。
何が何でもこの文面で説明会参加者を集めなかったら、追加した分の説明会はまるっきりムダになる、というような必死さが弱くなったように思います。ネットであれば、反応が弱ければもう一回すぐ送り直せますから。
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人事3年目頃だったでしょうか、ある学生が採用内定の辞退の連絡をしてきました。電話じゃなんだから、一度会社に事情を説明に来なさい、と呼び出しました。ところが、呼び出した日時には学生がやって来ず、その日の夜に電話したら、単に行きたくなかったという理由。それじゃケジメつかないよ、と再度呼び出し日時を決めたら、またその日も来ず。その夜に再度電話したら母親が出て、「息子が電話に出たくない、と言っている」とのこと。事情を話したら父親が出て「就職活動なんてそんなもんじゃないんですか。企業だって約束して何も連絡しないことだってあるでしょ」とのこと。私は絶句して、ようやく「じゃあもう結構です」といって電話を切り、その後、悔しくて涙が止まらず、20分ぐらい机に突っ伏して泣いていたことがあります。(あ、これ前に酔っぱらって話しましたかね?)
何が言いたいかというと、こんな経験、今の採用担当者はしないのかなあ、ということです。うちの人事部内でもあったことなんですが、携帯に電話をかけて「何回電話しても電話に出ません」と。「家に電話したのか?」と聞いたら「してません!」、でしたから。
家に電話して親と話したって良いじゃないですか、それをメールだけで済ませてしまう担当者がいっぱいいるような気がしてなりません。
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全く話は変わるのですが、今朝電車の中で『ハーバードビジネスレビュー』誌(今号は「論語」の特集でした)を読んでいると、「近年、日本のリーダーのレベルがこれほどまでおかしくなってしまったのは、中国古典の素養がなくなったからではないか」という記述がありました。そこを読んでふと気づいたのは、結局「大人」なんじゃないか、ということでした。
昨日も吉川(釘崎注:パフの社員)さんに「最近は颯爽とした学生(とくに男)」がいない、と話したのですが、電車の中を見ると、ゲームやっているオヤジ、漫画読んでるオヤジ、また、ポケットに手を突っ込んで鞄も何も持たずにホームを歩くスーツ姿のオヤジ、などなど(もちろんオバチャンもいるのですが)。
「颯爽とした大人」もいないことに気づきました。これじゃ「今の学生は」なんて言ってらんないですよね。
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長々とくだらないことを書いてしまいましたが、要するに、こういった想いを他社の採用担当者(とくに採用担当になりたての方)なんかにぶつけさせてもらえないでしょうか。
あるいは、担当者同士の想いをぶつけ合う場を作っていただけないでしょうか。(「破壊と創造の会議」がそうなのかもしれませんが、案内だけ拝見するとどうも一方的なような気がしまして)一つの企業の中で「サムライ魂」が引き継がれないのであれば、他の企業の「サムライ魂」を共有していけるような、そんな機会があったらいいのにな、と思いました。(私のは「サムライ魂」ではない、と言われれば黙ってます。ぜひ他の方の「サムライ魂」を共有させて下さい)
どうしても、学生に対する「手取り足取り」的なことには抵抗感があるのですが、大人に対して「もうちょっと考えろ!」というのは、言いたくて仕方がなくなってきました。
とりとめもなく、思ったことを書かせていただきました。今朝、返信しようと思ってから、このメール打つのに5時間ぐらいかかりました。今日は、ほとんど仕事してません(笑)。その割に、ほんとにまとまっていない文章です。お許し下さい。
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転載は以上です。
この熱い文章を読んで何かを感じた方は、ぜひご一報いただけると嬉しいです。
最後に伊藤さん。熱い思いのメール、本当にありがとうございました。また、私のブログへの転載許可(しかも実名で!!)。伊藤さんの立場を考えると、なかなか出来ることではないと思います。それだけでも伊藤さんは立派な「サムライ」だと思いますよ。
サムライ魂をもった人事マンから熱いコメントをもらった日(その1)
2009年9月14日 (月曜日)
僕が社会人向けのメルマガで書いているコラム、『どげえするんか』。今月号は、先週の金曜日に配信された。
きょう、とある大手企業の人事部長から、この『どげえするんか』に対して熱いコメントのメールをいただいた。
そのメールは次のような言葉で始まる。
> さて、今回の【Face to Face♪】の「どげえするんか?」
> を拝読し、無性に返信を書きたくなり、メールさせていた
> だいた次第です。
(中略)
> 私も「足軽」程度で良いから「サムライ」の一人と思って
> いただけてないかなあ、なんてことが妙に気になりつつ、
> 図々しいのは承知の上でちょっと偉そうに書かせていただ
> きます。
>
> --------------------------
> 私は人事部に異動になったのが平成5年の4月でして、早
> いものでもう16年が経過し、現在17年目となりました。
> 新卒採用活動を、今年も含めて17回もやってきたことに
> なります。
> (いつまでたっても、何回やってもレベルが上がらず、自
> 分の力量のなさを毎年痛感するのですが、また翌年同じこ
> とをやっているという情けない状況です。実は、正直、も
> う採用活動にはうんざりしているのですが・・・。)
> 単に長いことやってるだけ、と言えなくもないですが、そ
> れでもそれなりには採用活動に対する想い(こだわり)も
> 持てるようになりました。
>
> そんな者からすると、最近(と言うかここ6~7年ぐらい
> 感じていることですが)、世の中の採用担当者は弱くなり
> ましたね。(自分のことを棚に上げていることはお許し下
> さい)
このメールは、このあとさらにA4用紙で2枚分くらい続く。
多くの企業の採用担当者にもご覧いただきたい内容だったので、この人事部長に、僕のブログや次回配信のコラムで転載させてほしい旨をお願いしてみた。
すると、すぐに次のようなお返事をいただいた。
> 時間がかかった割にとりとめのない文章で、大変恥ずかしく
> 思っております。実は、先週金曜日夕方にメールを送信して
> から、あんな未熟な文章送るんじゃなかった、などと少々後
> 悔のようなものを感じておりました。お恥ずかしい限りです。
> そんな文章に対して、「転載」とは!
> もし私の考え・拙文がお役に立つのであれば、どうぞいくら
> でも転載していただいて結構です。名前も実名を出していた
> だいて結構です。「ことば」として発した以上、責任は取り
> ますので。
素晴らしい!「男」である。 「サムライ」である。
ということで、まず本日は、この人事部長を触発(?)することになったコラムを先に転載しておこうと思う。そのうえで、この人事部長の熱いコメント(および人事部長の正体?)は、明日の日記でご紹介しようと思う。
では以下、僕のコラム「どげえするんか」です。
#「もう読んだよ!」っていう方も、ぜひ、もういちどお読みください。
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【01】釘崎の「どげえするんか?」
第31回 時代は「破壊と創造」を迎えちょると思わんか?(前編)
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パフ代表釘崎が、現在の採用市場、就職活動、世の中のあれこれについて、
日々感じることを徒然なるままにお届けします。
※「どげえするんか?」=大分弁で「どうするんだ? どうしたいんだ?」
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このところ私たちパフの周辺では、「破壊と創造」という言葉が流行ってお
ります。
パフの社員だけではなく、お取引先の人事のお客様や、いっしょにビジネス
を展開しているパートナー様とのあいだでも、
「やはり時代は『破壊と創造』ですよね?」
「うん、そうですよね!」
というやりとりが、まるで時候の挨拶のようになってきています。
自民党から民主党に政権が移行した……ということではありません。
私たちの事業領域である「新卒者の就職と採用」のカタチがいま大きく破壊
され、あらたなカタチとして創造されるべき時代を迎えているのではないか
ということなのです。
☆☆☆
私はパフを創業した当初から、
「こんな就職と採用のあり方はおかしい。企業も学生も、もっと本音で正面
からぶつかり合える『顔の見える就職と採用』の世界を創り出そうぜ!!」
ということを言ってきました。
この考え方を広めていくために作ったコンセプチュアルな企画が「パフの職
サークル協賛企画」というものでした。
「顔の見える…」という趣旨にご賛同いただける企業様には、決して安いと
はいえない参画費用を出していただき、その資金をもとに「顔の見える」を
具現化するための場を(Webも含めて)多数、創り出してきました。
この「職サークル」に協賛企業として参画してくださった企業の人事担当者
の方々は、本当に素晴らしい方々でした。
自分の所属する会社のミッションを遂行しながらも、
「このままでは良くない。何かを変えていきたい」
「何かを変えていくためには、旧来の枠組みではない新しい枠組みが必要」
「その枠組みを作るには、自社の損得を超えたところからの発想が必要だ」
といった、高い志をお持ちの、いわゆる「サムライ」が揃っていたように思
います。
このころは“超就職氷河期”と呼ばれていた時代です。大企業や有名企業で
あれば、さほど苦労せずとも、お金をかけずとも、新卒者の採用ができてい
た時代です。
そんな時代に、できたばかりで何の実績もなかったパフという会社と一緒に
行動をともにしてくださった協賛企業の人事担当者の皆さまのことを、私は
いまでも尊敬してやみません。
☆☆☆
しかし、時代が超就職氷河期から学生の売り手市場になるに従って、私たち
の唱える理念が、「そんなの、よその就職情報会社でも言ってることですよ。
パフさん、マネしてるだけじゃないんですか?」と言われることが多くなり
ました。
創業当初に協賛企業として参画してくださった気骨ある人事の方々も、他部
署に異動されたりで、取引が継続しなくなるケースが増えてきました。いわ
ゆる「サムライ魂」が引き継がれなくなってしまったのです。
一方で、パフに近い立場にある人間からも、「そんな理念先行型のビジネス
で会社を成長させようだなんて甘いんじゃないの?」という批判的な声も聞
こえてくるようになりました。
実際問題、社員が増え、事務所の面積も大きくなり、セキュリティ対策や個
人情報保護対策のための経費が増大する中で、利益を確保することがとても
難しくなってきました。
それまでのパフは、「お客様になっていただくためには、まずはパフの協賛
企業になっていただくことが大前提」というスタンスを堅持してきましたが、
取引企業を拡大するために、このスタンスを緩め、「協賛企業」の基準も緩
めることになりました。
いま振り返ると、この時の判断は間違っていたのかもしれない……と、思う
ことがあります。
☆☆☆
学生の売り手市場が数年続き、「就職と採用のカタチ」は、ますます歪(い
びつ)なものになってしまいました。
私たちも、その歪なカタチを完全に否定することができず、閉塞感を抱きつ
つも、現実との折り合いをつけながら事業を運営してきました。
しかし、やはりこのままでは良くない。
この変な、我が国の「就職と採用のカタチ」を変えていかなければならない。
長いものに巻かれながら、大きなものに迎合しながらの生き方は、自分らし
い生き方ではない。
自分がパフという会社を作った意味を、いま一度考え直したい。
50歳にリーチがかかったいま。自分の人生のクライマックス=最後の挑戦
のタイミングを迎えたいま。そのような気持が日増しに強くなってきている
自分に気がつきました。
いまいちど、この時代に即した新しい「職サークル協賛企業」のネットワー
クを立ち上げる必要があるのではないかと思っています。
☆☆☆
この思いを加速してくれたのが、昨今の景気後退による「就職難」の再来で
す。しかも、この「就職難」は、かつての「超就職氷河期」とはかなり違う
もっとやっかいな性質を含んだものであると思われます。
10年前の「超就職氷河期」の時代には、たくましい学生たちが先頭に立って
時代と力強く戦っていました。でもいまは、隅々まで蔓延ってしまったマニ
ュアル本と就職情報会社の似非キャリアコンサルタントたちが、学生の(本
来は持っているはずの)戦う力を奪っているような気がします。
企業側も、今回の景気後退による予算の締め付けや人員減によって、採用手
法の自由度を相当に奪われてしまっています。
また大手就職情報会社同士が繰り広げている(彼らも相当に厳しい状況に追
い込まれているからだとは思いますが)なりふりかまわぬ営業競争も、目を
覆いたくなるものがあります。
いったい、どうすればいいんでしょうか。
そんなときに突如として出現したのが、冒頭に書いた「破壊と創造」という
キーワードだったのです。
(後編に続きます)
【今回のどげえするんか?】
就職活動を終えた学生が先日パフに来て、うちの社員にこう漏らしておっ
たそうじゃ。
「○○ナビの就活支援は間違っている。学生が人生と向きあわなければな
らない場を、お祭りのようにしてはいけない」
「僕たちには(○○ナビが与えようとしている)ノウハウより、もっと仕
事について考えなきゃいけないことがたくさんある」
多くの企業が欲しがるような、とても優秀な学生だったそうじゃ。
学生のほうが○○ナビの運営者よりも、よっぽど本質を捉えちょるよう
じゃの。
さあ、ここで我々社会人としての先輩たちは、どげえする?
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骨太ドラマにあっぱれの日
2009年9月13日 (日曜日)
いつも日曜日はこのネタばかりで申し訳ないのだが(いや、自分の「日記」なんだから申し訳なく思う必要なんてないな、苦笑)、やっぱり面白いものは面白い。『天地人』と『官僚たちの夏』のことだ。
天地人の直江兼続(妻夫木聡)。最初のころは優(やさ)男なのが気になったが、最近はなかなかどうして。とても勇ましい男気あふれる武人になってきた。
今回の見せ場は世に言う『直江状』。家康の脅しに屈せず、義を貫き通した直江兼続の魂のこもった文(ふみ)に鳥肌が立った。
松方弘樹が演じる徳川家康の激怒ぶりが滑稽であり、実に愉快だった。いい役者だなあ。
『官僚たちの夏』で通産省の企業局長を演じている高橋克実が実にいい。
猪突猛進で、朴訥とした愛嬌ある人柄を演じさせたら、この人の右に出る人はいないだろう。通産事務次官を演じる佐藤浩市の腹心の部下だ。自分にも高橋克実のような部下がいたら、どんなに心強いことかと思う。
福岡の炭鉱の事故で、土下座して犠牲者の家族たちに謝る高橋の演技は秀逸だった。また、「事故は通産省の責任だ。犠牲者を見殺しにした高橋はけしからん」と非難を繰り返すだけの政治家たちに向かって、「お前たちは炭鉱の人たちのために何かしたのか!」と部下をかばって吠える次官の佐藤浩市に泣けた。
この二つのドラマに共通することは、主人公たちが、「利よりも義」という一貫した理念で行動しているということ。
しかし、その「義」を貫き通すことは、多くの場合、強いものや大きなもの(徳川家康やアメリカ)を敵に回すことにもつながる。
口では「義」を唱えながらも、あっさり「利」のほうに寝返ってしまう人々に激しい怒りを感じつつも、主人公たちは理想と現実との狭間で悩み苦しむ。
でも、最後の最後は、やはり「義」を貫き通す主人公たち。
いいよねえ。人間かくありたいものだ。
「上が言うことですから逆らえません」って言ってるだけの、思考停止に陥っている多くのビジネスマンたちに、この二つのドラマの主人公たちの生き様をみせてあげたい。
これから政権を担う政治家たちや、舐められたまんまの官僚たちにも、「どうせドラマの世界のことでしょ?そんな単純な話じゃないよ」なんて言ってほしくない。
なにより草食系と呼ばれて久しい男子学生諸君や新人サラリーマン諸君。こういう骨太な生き方を真似してみないか?
ほぼ引きこもりの日
2009年9月12日 (土曜日)
久々に風邪をひいて調子を崩してしまった。
いつもの土曜日は、ほうぼうに出かけるのだが本日は自粛。クリーニング屋さんに行っただけであとは引きこもりを決め込んだ。
溜まった新聞や雑誌などを読むも、風邪薬のせいか、すぐボーっとなって瞼が重くなる。気がつけば床に寝そべった状態で目が覚める。
こりゃあかんということで読書はあきらめてテレビドラマを観る。こちらも途中から意識が宙を飛び始め番組が終わったころに目が覚める。
こんなことを繰り返していた土曜日である。
軽症とはいえ、やっぱり風邪はつらい。はやいとこ治さなきゃな。
きょうは早めに布団を敷いて寝ましょう。
インフルエンザの疑いが晴れた日
2009年9月11日 (金曜日)
昨日の日記で予告したように、朝まっすぐ病院に行った。病院に入るまえに、(万一自分がインフルエンザだったらまずいと思い)マスクをした。
受付に行くと、事務の人たちは全員マスクを着用していた。そりゃそうだよなあ。病院で働く人たちは常にリスクにさらされているんだもんなあ。
「どうされました?」と聞かれたので、「風邪だと思うんですが、昨夜から喉が痛いんです」と答えた。
一瞬、事務員さんの顔色が変わったようだった。「まずはこれで体温を計ってください」と体温計を渡された。
体温は36度台の平熱だった。事務員さんに渡すと、「あ、平熱ですね」と、ちょっと拍子抜けした安堵の顔色。
待合室では外来のひとたちも全員マスク着用だった。こりゃマスクの品切れが起きるはずだ。
30分ほど待った後、診察室に呼ばれる。
医者は「どうされましたか?」と聞いてくるので、さっきと同様、「風邪だと思うんですが、昨夜から喉が痛いんです」と答えた。
「そうですか。では診てみましょう」と言ったので、僕はてっきり次は、「アーンしてください」と言われると思ったので、マスクをはずそうとした。
すると医者は、「マスクはそのまま!そのまま!」と語気を強めて言うではないか。
なんだよ、医者のくせに。喉が痛いっていうのに喉を診ない気か?
と、ちょっとムッとしたが逆らってみてもしょうがない。「あ、すんません」と答えた。
胸や腹や背中を聴診器であて、再度体温を計り、そのあとやっと「風邪で喉が腫れてるだけでしょうね。アーンしてください」と言った。
「あー、やっぱり腫れてますね」
アーンした口に光を差して器具を突っ込んで、当たり前のことを医者は言った。
「熱も低いですからインフルエンザの疑いはまずないですね。普通の風邪薬と喉の痛みどめを出しておきますから、これを飲んだあとでも熱が上昇してくるようであれば、もう一回来てください」
ということで、まずは一安心。ちょっと藪っぽい医者だったけど信じることにしよう。
ということで、その後、会社に出社。念のためマスクをして過ごしたのだが、接客時は(余計な心配をされるのもいやなので)はずしてしまった。
やっぱり健康第一。単なる風邪の喉痛だとしても、油断せずに早く治さなきゃな。
といいつつも、夜は宴席に出て、痛い喉にビールを流しこんだのであった。いかんなあ。