相手の立場になることの難しさを説く日
2009年6月4日 (木曜日)
「相手の立場になって物事を考えることが大事」ということは、新入社員のときにイヤというほど(耳にタコができるほど)聞かされることだ。
でも、これがなかなか難しい。
「立場」というのは、どんなにトシをとっていても、相手の立場を経験したことがない限り、本当のところは理解できないからだ。
きょうも理想論や筋論を演説する人に出くわしたのだが、なかなかその意見を素直に受け入れることができない。
言っていることは「正論」であり、筋が通ってはいるのだが……。
相手の立場を経験したことのない人の言葉は、たとえ「正論」であったとしても、とても空虚だ。聞いていて、「確かにその通りだけどね」という程度の反応しか返せない。
世の中の、「コンサルタント」という職種の人たちが、いまひとつ(一般的には)信頼を勝ち取れず、むしろ「胡散臭い仕事」だと揶揄される原因の多くは、そこにあるのだと思う。
僕が(僕に限らず中小企業の経営者が)素直に言うことを聞ける人。これはいたって単純明快。
「じゃあ、あなたが、いま仰っていることが、もしうまくいかなかったとしたら、その責任をあなた個人で取る覚悟はありますか?」
という問いに、即座に「もちろんです」と答えられる人だけである。
外側で偉そうに「べき論」を滔々と語る人のことは、残念ながら、信用できない。それはそれで価値があるという人もいるが、僕には、とてもじゃないが「余計なお世話」でしかない。
心から理念やビジョンに共感できる人。本当に会社の目的・目標にコミットできる人。いっしょに血と汗と涙を流せる人。そういう人じゃないと、「相手の立場になって物事を考える」なんていうことは、できないんじゃないかと思う。
パフの社員には、そういう人になってもらいたいわけなのだから、こりゃあハードルはとてつもなく高い。でも、ぜひ乗り越えてほしいと思う。
難しいことを偉そうに言うだけの「似非コンサルタント」には、絶対なってほしくない。
嬉しい内定報告をもらった日
2009年6月3日 (水曜日)
パフの2010年度の新卒者採用は、約100名の応募者に対して若干名(結果的に一人だけ)の採用。したがって、90数名の応募者には「ごめんなさい」を言わざるを得なかった。
僕も、20名以上の学生と直接面接を行った。
あたりまえだが、皆、それぞれの個性、持ち味がある。未熟なところもあるのだが、いずれ花開く素養を、皆それぞれが持っていた。
僕はできる限り、面接の場で、採用か不採用かのジャッジをし、不採用の場合には、その理由と、どういう仕事や会社との相性がいいかということを、(僕なりの主観ではあるのだが)伝えるようにしている。
最近、そうやって涙をのんで不採用とした学生諸君から、内定報告をもらうことが増えてきた。とても嬉しいことだ。
きょうもお昼ころ、とても嬉しい内定報告のメールをもらった。
その学生のことは、いまでもよく覚えている。面接したのは、もう2か月以上も前だったのだが。
僕の娘と同じ名前(そんなにある名前ではない)だったこともあり、「なんとか(この子にとっての)良い会社に入ってもらいたいな」と思っていた。
そんなこともあり、パフの創業時の協賛企業で、大企業ではないのだが、とっても個性的な会社を紹介し、「キミにはぴったりの会社だと思うから、ぜひチャレンジしてみなよ」「ホントにすごい社長だから、最終面接まで行けるように頑張りなよ」と言って送り出した。
そして本日の内定報告のメールには、この会社から見事内定をもらえたことが書かれていた。
人の縁とは不思議なものだ。
彼女のメールは、次のような一文で結ばれていた。
—
この会社に受かったら絶対報告したい。そんな想いでいました。なんでもないよくあることなのかもしれませんが、私にとっての「縁」を感じるものでした。
なにかをきっかけにしてそれが連なっていくのが縁だとしたらその大きなきっかけが釘崎さんでした。今回なんとかいい報告ができてよかったと思っております。
—
一人ひとりの学生と向き合うというのは、口で言うのはたやすいことだが、実際にはとても難しいこと。企業に偉そうに言っている僕ですら、すべての応募者とキチンと向き合えているかといえば、自信をもってそうだとは言い切れない。
でも、縁あってパフを応募してくれた学生たちには、社会人としてのしっかりとした第一歩を歩み始めてほしい。
そういった意味でも、きょうの内定報告は、とても嬉しかった。
コーヒーを飲みすぎた日
2009年6月2日 (火曜日)
きょうは社外での打ち合わせが夕方まで3件と、帰社後、会社で1件、連続した。
社外での打ち合わせは難しい内容のものが多かったのだが、いずれも厚いおもてなしをしてくださる客先(パートナー先)での打ち合わせ。
相手や場所や打ち合わせ内容は違えど、共通するのがコーヒー。いずれの場の打ち合わせでも、コーヒーが出てきた。
僕はコーヒーが嫌いではないのだが、さすがにきょうは飲みすぎた。TOTALで、5杯くらいは飲んだんじゃないかな。
締めくくりは社内での打ち合わせのとき。
実際は、打ち合わせではなく「インタビュー」だった。僕がインタビューを受ける側だ。
インタビュアーは、今年就職活動を行っていた青山学院大学のY君。昨年の秋からパフのイベントに出はじめ、以降、うまれよ塾や月見塾にも参加している、パフの秘蔵っ子みたいな奴である。
#Y君の本日の取材(僕へのインタビュー)内容は、いずれパフのホームページや職学校Webのページでアップされますので、どうぞお楽しみに。
で、このインタビューのときにも、まさかのコーヒーが登場した。社長室のスギヒラが気を利かせて淹れてくれたのだった。淹れてもらっておいて文句を言うのもなんだが、こりゃ相当に飲み過ぎ(苦笑)。
なにごとも適量が大事である。コーヒーもお酒も。
・・・と、まったく実のない内容の日記になったのだが、日中の打ち合わせの内容はシビアで、かつ公開できない内容ばかりなので、日記ネタにならないんだよなあ……。ま、そんな日もあるよね。
とあるプロジェクトの委員就任を受諾した日
2009年6月1日 (月曜日)
とあるプロジェクトの名前は、『ポーラスタープロジェクト』。文科省が推進している“女性のライフプランニング推進支援事業”の名称である。
このプロジェクトを文科省から委託され、実際に運営しているNPOの代表者と理事の方が、本日パフにご来社。事業の説明を熱心にしてくださった。
僕に委員就任を依頼するためだ。
説明を聞いて感心した。
プロジェクトの中身もさることながら、なにより、このお二人に感心した。自分たちの仕事や役割に、使命感を持っておられる。
女性にとって「出産・育児・家庭・仕事」を、自分の人生の中で、どのように位置付けるのかというのは大きなテーマだ。いや、女性だけではなく、男性にとっても、企業にとっても、国家にとっても、大きなテーマだ。
僕に説明してくださった代表者と理事、お二人とも育ち盛りのお子さんをもつお母さんである。このプロジェクトの推進と子育てとを両立させながら、忙しい毎日を過ごしておられる。
そんな方々からの委員就任のお願いだった。
会議に出席して意見を述べたり、女子学生への講演を行ったりするのが、僕に期待されている役割とのこと。
気がつけば、「わかりました。お受けしましょう!」と返事をしていた。頼りにされたら断れない性分なのだ。
これから「女性の生き方」について、考える機会がますます増えそうだ。
上杉家の家訓を読んで感銘を受けた日
2009年5月31日 (日曜日)
日曜日の夜は、NHK大河ドラマ『天地人』を観ることが習慣となっている。
妻夫木聡が演じる直江兼続は、戦国武将にしては優男(やさおとこ)過ぎて「どうかな?」と思っていたのだが、なかなかどうして。最近は、このキャラが逆に、「こういうのもありかな」と、好意的に思えるようになってきた。
このドラマのなかでよく出てくるのが「それが“上杉”というものだ」という台詞。上杉イズムというのだろうか。上杉の行動指針というのだろうか。若き上杉景勝や直江兼続が、難しい判断を迫られたとき、拠り所とした考え方。ひとことで言うなら、 『義』であり 『信』であり 『愛』なのだろうが、もう少し体系的なものもあったんじゃないかなと思い、ちょっと調べてみたら、あったあった。
『上杉家家訓十六ヶ条』というもので、上杉謙信が残したと言われている。
読むと、「なるほどなあ…」と感銘を受ける言葉ばかり。
のちに江戸時代屈指の名君と呼ばれた上杉鷹山(ようざん)にも、きっとこの家訓が大きな影響を与えたんだろうなと推察できる。
せっかくなので、下に書き写して、僕も定期的に読むことにしよう。
【宝在心】
一、心に物なき時は心広く体泰なり
一、心に我儘なき時は愛敬失わず
一、心に欲なき時は義理を行う
一、心に私なき時は疑うことなし
一、心に驕りなき時は人を救う
一、心に誤りなき時は人を畏れず
一、心に邪見なき時は人を育てる
一、心に貪りなき時は人に諂うことなし
一、心に怒りなき時は言葉和らかなり
一、心に堪忍ある時は事を調う
一、心に曇りなき時は心静かなり
一、心に勇ある時は悔やむことなし
一、心賎しからざる時は願好まず
一、心に孝行ある時は忠節厚し
一、心に自慢なき時は人の善を知り
一、心に迷いなき時は人を咎めず
そう。すべては心が決めるのだ。
パフの職学校の校訓である『職業に貴賎なし』の考え方にも通じる。古今東西、大事なことはいつでも同じなんだよな。
カスタマエンジニアとなった日
2009年5月30日 (土曜日)
僕の自宅には、娘と、娘のお母さん(カミサン)が使っているデスクトップPCがある。僕も、楽譜を印刷したり年賀状を印刷するときに使っている。
で、このPCに接続しているプリンタが先日壊れたらしい。
4年ほどまえに、1万円ちょっとで買った超低価格のプリンタだったので、いつ壊れてもしょうがないと思っていた。むしろ、よくこんなに長いあいだ使えたものだと感心する。
プリンタは、娘が学校の勉強のために結構使うらしいので、新しいのを買うことにした。
有楽町のビックカメラに行き、いろんな製品を物色したのだが、せっかく買うならということで、今回は性能が高く、機能も充実しているプリンタを購入した。
かなり大きめで重かったのだが、ぶら下げて持って帰った。
ヨタヨタと家に辿りついた後、さあ、組み立てだ。
せかくなので、ぐっちゃぐちゃになっていた我が家のパソコンと周辺機器類との配線や、ラックへの設置レイアウトをすべて見直すことにした。実はPC本体が2台並んでいる(ディスプレイは1台を切り替えながら使用している)ため、結構、配線が複雑なのだ。
LANや外付けのハードディスクやスピーカーとの接続をすべてやり直し。長すぎる線は、束ねて短くしたり、テーブルタップをすっきりまとめたり。掃除機で裏側に溜まった埃を吸いとったり。
悪戦苦闘の約3時間の作業だったが、夕方には、ほぼ完了。なかなかスッキリした。新しいプリンタも快適。印刷スピードは速いしキレイだ。
いやあ、満足、満足。
「日曜大工」ならぬ、「土曜カスタマエンジニア」となった日であった。
イベントの講演で歌った日
2009年5月29日 (金曜日)
昨日の日記にも書いたとおり、本日は、「採用・教育の最新動向がわかる合同セミナー2009」の二日目。
本日は5コマの講演が行われる予定で、僕の講演は、朝11時からのトップバッターだった。
が!!
きょうの東京は、朝から土砂降り。暴風雨並みの酷い雨だった。
こんな土砂降りの中、参加義務があるわけじゃないイベントに出かけるなんて、相当な勇気と根性と責任感とチャレンジ精神のある人だ。
さて、そんなすごい人がいるのか。参加者がゼロ人だったらどうしようとドキドキしながら、会社から徒歩10分の会場まで歩いて向かった。
それにしても凄い雨と風。傘を差していても、横殴りの雨と、地面から跳ね返ってくる雨水とで、僕のスーツは、ビッショビショになってしまった。ズボンの折り目なんて、もうすっかりなくなっている。もはや破れかぶれである。
会場に着くと、ゲストとしてお招きしていたマングローブの今野社長がすでに到着していた。さすが、ストイックな今野さん。大雨の中をかいくぐってやってきたのに、なにごともなかったかのような涼しい顔をしている。
その後、今野さんと司会役の伊藤と簡単に打ち合わせ。
僕は今野さんに、 「えっと、低いパートを担当してもらいたいんですが…」 と、いきなり切り出した。
すると今野さんは、 「本当にやる気ですか?」 と呆れていた。
このあと、いろんなやりとりがあったのだが、結局、今野さんを対談以外の部分で巻き込むのは断念。根回し不足であったと反省した。
そして、いよいよ11時に本番が始まった。
心配された来場客の数・・・。
事前の打ち合わせで、「10人以下だったら帰っちゃいましょうか」と、今野さんと話をしていたのだが、数えてみると、どうにか20人程度には達していた。
「10人以下だったら帰る」というのは冗談にしても、まあなんとかカタチになりそうだったのでホッとした。
それにしても事前の予約申込みでは60人くらいはいたはずなので、出席率30%程度だ。まさか採用担当者ともあろう方々が『無断欠席』なんかしていないことを祈る。じゃないと学生のドタキャンを注意することなんてできないもんね。
さて、やっと本日の日記で報告すべきところまで辿りついた。
冒頭の会社紹介のとき、ついにやった。
歌ったのだ。
・・・“ぱっふ、ざ、まーじっく、どらーごん、りーぶ、ばい、ざ、しー”と、いつものやつを。
客席の20名はもちろんのこと、後方で野次馬のごとく立ち見していた同業者の皆さんの唖然とした表情や、歌い終わった後のシーンとした空気が、たまらなく愉快だった。
きっと、どんなリアクションをしていいかわからなかったのだろう(苦笑)。
隣に座っていた今野さんも、身の置き場に困ったことと思う。可哀そうに。だから「低いハモリのパート」を担当すれば良かったのだ(次回はやりましょうね)。
それにしても、絶対他の会社がやらないようなことをやれて満足だった(歌を唄ったっていうことだけなんですが、苦笑)。
そうそう。肝心の講演の中身なのだが、これも今野さんをゲストとして迎えての対談形式をとったおかげで、他社の講演とはちがった、聞きごたえのあるものになったんじゃないかと思う。これは他社に真似されそうだな。
いま気づいたんだけど、講演の写真を撮ってなかった!!
しくじった。
7月にも同様のイベントが開催されるらしいので、主催者のT社長にお願いして、もう一度同じ構成でやらせてもらおうかな。
そうだ()。次回はギターを担いでいくことにしよう。