就職人気企業ランキングのことを書く日
2010年1月15日 (金曜日)
昨日(1月14日)の朝日新聞で、「みんなの就職活動日記」が就職活動を行っている学生からデータを収集してまとめた「就職人気企業ランキング」を発表していた。
僕は、この「就職人気企業ランキング」の存在に異を唱えるもののひとりだ。
その理由はただひとつ。
「学生を惑わす(勘違いさせる)元凶となっている」からである。
発表されたランキングデータだけでなく、企業がこのランキングを上げるために、「本質をはずした採用活動をおこなっていること」も学生を惑わすことに繋がっている。この裏側では、「ランキングを上げる」ということだけを目的とした採用関連業者(○○ナビのような就職情報事業者や採用コンサルタントの類)の姑息ともいえる提案活動が、企業を悪の道に誘ってしまっている(ランキングデータは操作可能なのである)。
こんなくだらないもの、やめちまえ!
と、毎年各社からランキングが発表されるたびに、僕は腹を立てている。
腹を立てるんだったら見なければいいわけだが、仕事柄そういうわけにはいかない。必ずチェックしている(苦笑)。
で、話は昨日朝日新聞で発表されたランキングである。
ランキングデータは、「やっぱり学生だね。こんなもんかねぇ」というものだった。
しかし、解説文には、激しく共感するものがたくさんあった。「うん、そう。その通り!」という感じだ。
実はこの解説文を執筆している人のことを僕はよく知っている。採用プロドットコムの寺澤社長だ。
寺澤社長は、とある大手就職情報会社の役員だったのだが、数年前(2年半前だったかな?)に独立し、同社を起業された。同社は、採用を行う企業に対して情報を提供するビジネスを行っているのだが、就職情報会社とちがって、採用を行う企業からお金をもらうビジネスモデルではない。だから企業におもねった発言をする必要がない。見方が公平であり公正なのだ。
寺澤さんは、このランキングからみてとれる学生の意識の脆弱さや知識の浅さに危惧を覚え、次のような指摘を行っている。
(日本を支える実力派企業の評価が低いことを受けて) 「景気変動により文系学生の人気が低下したことが主な原因だが、あまりに短絡的ではないか・・・(中略)・・・学生のさらなる業界研究を期待したい。」
(ランキング上位の顔ぶれを見て) 「上位に並ぶ企業はすべてエンターテインメント系。製品・サービスが面白いことと仕事が面白いことは別だと考えるべきなのだが・・・(中略)・・・学生にとって仕事が面白いこととスキルが身につくことは逆のイメージであるようだ。」
(OB訪問の回数を問う調査で、訪問ゼロの学生が全体の8割。3社以上となるとたったの6%という結果を見て) 「いかに多くの社員に接触できたかで就職の成否は決まるといってよく、学生の力の入れどころが間違っているとしかいいようがない。実際に働いている人の本音を聞かずして真の志望理由などいえるはずもない。」
そして解説文の最後を、寺澤社長はこう結んでいる。
「焦るあまり、軸もないままに『どこでもいいから内定がほしい』と手当たり次第受けまくると厳しい結果に陥ることは間違いない。悠々として急ぐ、という心境で就職活動を進めてほしい。」
さすが寺澤さん。こういう解説文(客観的な目で見た批評)がきちんとついている「人気企業ランキング」であるならば、僕も否定するつもりはない。
結局僕が恐れているのは、「人気企業ランキング」によって、学生の勘違いを増幅させることであり、姑息な就職情報事業者の提案が大手を振ってまかり通ることであり、採用担当者が採用の本質を見失うことなのである。
それらが、少しでもなくなるような形で活用されるのであるならば、就職人気企業ランキングも(いわば反面教師として)役立つのかもしれない。
10年前の学生。今は大事なパートナーにお礼をした日
2010年1月14日 (木曜日)
1999年から2000年にかけて就職活動を行っていた(かつての)学生Mさんが今夕パフに遊びに来てくれた。Mさんは、超就職氷河期と形容されるほどたいへんな時代に就職活動を行った世代。当時のパフのイベントにも来てくれ、僕ととても仲の良かった採用担当者のいる協賛企業にも内定をもらった、とても優秀な女子学生である。
「遊びに来てくれた」と書いたが、正確には、お礼の食事にお招きしたのだ。
Mさんは現在、パフと同じ人材業界にいる。領域はパフとは微妙に違うので競合になることはない。このMさんが2年前、パフにお客様を紹介してくれた。とても優良なお客様だ。パフとの取引額も大きくなった。
「お礼しなきゃ」とずっと言っていたのだが、なかなか実現できずにいた。
それが今夜やっと食事にお招きすることが出来たのだ。
直接お会いするのは6~7年ぶり。懐かしい。
10年前の学生時代の話や、現在の仕事の話でも盛り上がった。びっくりしたのはMさんの会社の社長のことを、僕は以前から間接的に知っていたこと。まさかあの人が社長だったとは。。。点と点が線になったのだった。
いろいろとあって詳しく書けないが、なにしろ世間は狭い。Mさんと組めることは、もっともっとたくさんありそうだ。
こうやって、かつての学生といっしょに組んで仕事が出来るというのは、とても嬉しいし喜ばしいことだ。
氷河期のころの学生たちはいま、就職活動で苦労した分、社会で大活躍している世代なのだ。
寒かった日
2010年1月13日 (水曜日)
なんの工夫もない日記のタイトルで失礼。でも、ホントにきょうは寒かった。
年齢を重ねるたびに寒いのが苦手になっているような気がする。昔は、寒さに強かったんだけどなあ……。
今朝は朝礼前の8時からHRチームの読み会に参加。リーダー役のヒラハラからの要請だ。これから毎週水曜日の朝は8時出社が義務付けられた。
そういえば明日も8時から別の会議に参加するように要請されていたな。朝早いのは苦にならないんだけど、朝の徒歩通勤時の(特に勝鬨橋の上の)寒さは骨身にしみる。
8時過ぎに熊本にいる友人から雪の写真付きのメールが届いていた。
熊本も数年ぶりの積雪なのだそうだ。南国熊本で雪が積もるなんて、めったにあることではない。全国的に寒波襲来なんだな。今年は暖冬だっていったのは誰だよ、もう。
夜、東京の西部の方(世田谷区)で、NPOの会議に出席。この日記でも以前紹介したことがあったが、文科省からの委託事業の会議だったのだ。いまなにかと話題になっているワークライフバランス。いろんな立場の方々との議論の場だ。
世田谷から月島に直帰したのだが、東京23区の西の端から東の端までの道のりなのでけっこう遠い。月島に着いたのは、もう夜10時前だった。
駅から地上にあがるとまた寒い。朝よりも寒くなってるんじゃないかな。ガタガタ震えながら家まで歩いた。
苦手とはいえ、やっぱり冬は寒いほうが良い。冬が寒いから春が待ち遠しいわけだから。春のありがたみ、日差しのありがたみが分かるってもんだ。
いまの経済状況も例えるなら冬。でもきっと春はそこまで来ている。だからみんな頑張れるわけだ。
ということで、明日も寒さと北風に耐えながら、早朝の月島を元気に出発することにしよう!
「育成型人材紹介事業」を開始すると発表した日
2010年1月12日 (火曜日)
いやあ、きょうは(いや、「も」)働いている。
こんな時間(24時半過ぎ)なのに、まーだ、会社に居る。相当に仕事が遅くて出来ないやつだな、自分は(苦笑)。
いつもは家で日記を書くのだが、きょうは家で書く自信がないので、いま会社で書いてから帰ることにする。
きょうの日記は簡単。
先週の日記でも、ちらっとだけ触れたが、パフの新サービスを発表しようと思う。
本日、企業の採用に携わる方々(いままでパフのスタッフが名刺交換したことのある社会人、約5,500名の方々)に配信したメルマガの僕のコラム(「どげえするんか」)で、その新サービスのことを書いたので、以下、そのまま貼り付ける。
ぜひ日記読者の皆さんにも読んでいただければと思います。
学生諸君にはちょっとショックで、毒のある言葉もありますが、これが今の採用の現実(もちろん全てではないけれど)だっていうことで、ご理解ください。
じゃ、以下コピペして、ブログ管理画面の更新ボタンを押したら帰りまーす。
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【01】釘崎の「どげえするんか?」
第35回 協賛企業になって、学生の紹介を受け入れんで、どげえするんか?
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パフ代表釘崎が、現在の採用市場、就職活動、世の中のあれこれについて、
日々感じることを徒然なるままにお届けします。
※「どげえするんか?」=大分弁で「どうするんだ? どうしたいんだ?」
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前回の「Face to Face♪」(2009年12月10日配信)の「どげえするんか?」
では、講道館と全日本柔道連盟が推進している『柔道ルネッサンス』の取り
組みをご紹介しました。
予想以上の反響で、「共感した!」というお言葉を数多くの方々より頂戴し
ました。
本物の柔道サークルから「練習しに来ませんか?」とのお呼びがかかったり
もして、我ながらびっくりしているところです。
メッセージを頂戴した皆様、この場を借りて御礼申し上げます。
ありがとうございました!!
☆☆☆
前回のコラムの最後に私は、この柔道ルネッサンスに倣って、
「2010年を『職サークル・ルネッサンス』の年と位置付け、協賛企業の募集
をあらためて行っていきたいと思っています」
という宣言を行いました。
その部分を、少し長くなりますが、以下に再度掲載します。
(以下、前回の「どげえするんか?」より抜粋)
|
| 就職や採用の世界も、柔道とまったく同じことが言えると思います。
|
(中略)
|
| ところが現在の就職情報業界が、就職と採用を大きな装置型ビジネスとし
| てしまったことから、人を育てるどころか、人をベルトコンベアで効率よ
| く一括運搬できる「商品」として扱うようになってきましたし、企業(人
| 事)側も、ベルトコンベアの途中で効率よく選別された、姿・カタチの
| 整ったキュウリやトマトにだけ手を伸ばすようになってきました。
|
(中略)
|
| このコラムでも何回も書いてきていますが、今こそ我々は、「若者を社会
| 共通の財産」と捉え、すべての会社が自社の採用の枠組みを超えて、「若
| 者を育てながら社会に送り出す」という気概を持つことが必要であると考
| えます。
|
| まさに「就職・採用ルネッサンス」なのです。
|
| 我がパフでも、いまいちど、職サークルの理念を高らかに掲げながら、理
| 想的な就職と採用の姿を追求していこうと考えています。
|
| 以下に、創業時に掲げた「職サークル協賛基準」を記します。
|
|
| ※職サークル協賛基準=我々が学生に推奨する会社の基準
|
| ●世の中に新しい価値を提供すべく努力している会社であること。
| ●熱き思いでミッションやビジョンを語ることのできる会社であること。
| ●道義を重んじ、ウソのない誠実な採用を行う会社であること。
|
|
| 2010年を「職サークル・ルネッサンス」の年と位置付け、協賛企業の募集
| をあらためて行っていきたいと思っています。
|
(抜粋以上)
☆☆☆
パフは、もうずいぶん以前に(確かもう丸10年前だったと思います)、厚生
労働大臣から、有料職業紹介事業者としての認可を受けています。
ただ実際には、ビジネスとしての紹介業は一切行っておらず、学生の就職相
談もボランティアの域を脱していませんでした。
紹介業をビジネスとして行っていなかったのには、さほど深い理由はありま
せん。
他の事業で収益が(トントンではありますが)カバーできていたことや、企
業の採用意欲も(2008年の秋口までは)旺盛であったことから、学生は、弊
社のイベントに参加するだけでも、多くの優良な企業との出会いを得ること
が出来ていたのが、主な理由です。
しかし今、時代や環境は大きく変化しました。
今や全体の40%近い学生が、就職できずに漂流する時代なのです。
来年の春、就職できずに卒業する学生の数は、12万人とも13万人とも言われ
ています。しかも、そのような状況であっても、未だに多くの学生は大手有
名企業だけが「良い会社」だと信じ込んでいる状態です。
この傾向は、現在の大学三年生(2011年3月の卒業予定者)の間で、さらに
顕著になっています。
志望先企業は大学の銘柄でスクリーニングを行う会社であるにもかかわらず、
エントリーシートを何日もかかって書き上げたり(学生は大学の銘柄で選ば
れているのを知りませんから無理もないのですが)、SPIの点数を伸ばす
ために自分の部屋に籠もって何冊も問題集を解いたり(いくら問題集を解い
ても、SPIの点数はほとんど伸びません)、「絶対内定する」かのような
宣伝文句に誘われて高額な就職セミナーに入会したり、就職支援を装った悪
徳商法に引っかかったり……。
企業側も、なんとか採用数の削減を最小限に抑えようと努力しているのです
が、それでも採用基準を低くするわけにはいきません。一方で、学生の社会
人として通用するために必要な基礎力や意識は低下の一途を辿ってしまって
います。
私は、いまの大学生の親たちと同世代であるため、昔の友人たちから子供の
就職の相談を持ちかけられることがとても増えてきました。親御さんたちも、
この状況には大きな悩みを抱えているのです。
☆☆☆
であるならば、私たちパフが、企業の採用の真実を、もっと学生に対してキ
チンと伝えていこう。ネットやメディアでは伝えにくいことは、出来る限り
対面で伝えていこう。優秀なビジネスパーソンになるための基本的なマイン
ドやスタンスを、学生に徹底的に教え込もう。
若者の育成に対する熱いスタンスをもった「職サークル協賛企業」から、直
接求人をお預かりし、その企業に採用されるための基準(建前ではなく本音
の基準)をしっかりとお聞きし、その基準をクリアしている学生を、積極的
にご紹介していこう。
採用に至った場合の成功報酬は出来る限り低く抑えて、その
「採用出遅れ宣言」の話題にあえて触れる日
2010年1月11日 (月曜日)
キヤノンマーケティングジャパンという会社が、2011年度の採用計画を固められず、採用選考の時期を8月に延期するという。
理由は業績不振のため。つまり、2011年度の新卒採用が出来るかどうか(経営者がGOを出すかどうか)がはっきりしないため。
まあ、時節柄どこにでもある話で、珍しいことではない。パフの取引先でも何社もある。
でも、同社の今回のこと(採用できるかどうか分からないので採用時期を延期するということ)がいま、多くの採用に携わる人たちや学生の間で話題になっているのだという。
このことを逆手に取ったリクナビへの(かなり高額なコストをかけていると思われる)広告や、同社のホームページでのカッコイイ告知(お世辞抜きで、なかなか練れた名文だと思うが、URLを見ると採用アウトソーシング会社のサーバーのようだ)が原因だ。
しかもそのカッコイイ名文には、ただ単に「延期のお知らせ」を載せるだけではなく、「そもそも採用の早期化っておかしいと思ってたんだよねー」とか、「そもそも企業がやってる4月の選考っていうのは学生の勉強の妨げだったんだよねー」なんてことを載せちゃうものだから物議を醸す。
純粋で真っ正直な人たちは(批判力を失った一部マスコミも)、
「よくぞ言ってくれた。立派だと思います」
とか、
「勇気のある決断ですね!ほかの会社にも広がっていけばいいですね」
と評価している。
でも、僕らこの業界の裏側を熟知している人間にとっては、ちょっと複雑だ。
僕個人の感想を言わせてもらえれば、
「仰っていることは正論だけど、ずいぶんと小賢しい手法をとりましたね。売り手市場のときに同じことを言ってくれれば骨太の発言だと評価できるんですが、自分たちが採りたくても採れない状況になってからこんなふうに言うのは、新卒採用の舞台裏を熟知した人たちからは、 『正義ヅラした卑怯者』 っていう誹りを受けてもしょうがないんじゃないですか?」
ということになる。
誤解がないように弁護しておくが、同社の採った手法は、戦略的だし、効果的だし、悪いことだとも思わない。
ただ個人的には面白くないし好きではない、という話だ。
だから、(こうやって話題にすること自体、この会社の戦略を応援することになるので)無視しようかと思っていた。
でも、パフが運営しているSNSでも、無邪気な学生たちが「立派な会社ですね」とか「すごいですね」と評価しはじめていたので、裏側を知っている人間のひとりとして、黙っておれなくなった。
常見陽平さんも自分のブログで、3回にわたってこの話題に触れている。
続・キヤノンマーケティングジャパンの茶番劇 議論の「前提」をどうするか?
新・キヤノンマーケティングジャパンという茶番劇 エントリー絶賛継続中!
常見さんらしい切り口での論評である。
パフが運営するSNSでは、同社を讃える書きこみが続いていたので、僕は常見さんの論評に助けを借りて、次の横やりを入れた。
—–
—–
ぼくのこの横やりを受けて、大手人材某社で働くUさん(元パフの社員)が次のように論じてくれた(本人の了解をもらって転載します)。
—–
私なりにまとめると、この会社が今回行ったのは以下のとおりですね。
①採用時期を春にはしないことを決断した。
②そのことをこのような形(リクナビを利用したり、置いているサイトもドメインを見ると別の採用コンサルティング会社のサーバだったり)で告知した。
③引き続きエントリー受付は実施している。
で、私が評価しているのは主に①のポイント(+②のリクナビという訴えたい層に一番確実に響くメディアを選択した、という戦略)、 釘崎さんや常見さんが違和感を覚えているのは②③のポイント、とういことだと理解しています。
で、私としてはこの会社が①のような決断を下したときに、②③のようにこれにより自社のブランディングを行い、まだ経験したことがない状況の中でどう転がっても採用が失敗しないようなリスクヘッジをしておくことは、当たり前だと思います。
これらをしなかった場合の
②´ 採用スケジュールについては特に告知しない
(もしくはひっそりとエントリー者にだけ告知する)
③´ 夏採用を行うことにした場合、ここまでの母集団を捨てて
(orここまでのエントリー者は何らかの方法でフォローしながら)
4月から新しく選考に向けた母集団形成を開始する
というような選択肢については、なかなかとりにくいのではないかと。。。
(きちんと選択肢洗い出してプロスコンス整理したわけではないですが・・・)
仮にも「マーケティング」と社名に謳う会社なので、このような戦略にしたことは、採用だけではなく自社のビジネスにも効果的、という計算をきちんとしたのではないかなーと推測します。
ビジネスマンのあり方として、個人的には賛成です(笑)。
—–
ということで、僕のような感情面での「面白い・面白くない」「好き・嫌い」ではなく、「ビジネスとして賛成」という意見だ。その通り、ビジネスとしてみれば、とってしかるべき手段なのである。
で、僕は何が言いたいのかというと、「同社がとった今回の手法は(個人的感情として)面白くないし好きではない」ということと、「学生諸君は、大人の表の顔と裏の顔を、ちゃんと見分ける目を養ったほうが良いよ」ということだ。
最後に、同社の採用担当者の皆さんにも激励のメッセージを……。
勇気を持って宣言したことなのですから、決して後戻りはしないでくださいね。少なくとも学生の就職環境が好転するときまで(つまり、企業が再び採用難になるときまで)、この主張を貫き通してほしいです。キヤノングループ各社にも影響を及ぼしてほしいです。本当に世の中の就職や採用のことを考えたものであってほしいです。そうすれば僕も、無邪気な学生たちと同様、貴社のことを称賛&尊敬したいと思います。僕らのような、貴社の業績に責任を持たない者の好き勝手な意見に惑わされることなく、正しいと信じた道を(それが本当に正義と信じるのなら)まっすぐとお進みください。健闘をお祈りしています。
#読者の皆さんも、遠慮なくご意見のコメント投稿をお願いします。
龍馬が江戸行きを許された日
2010年1月10日 (日曜日)
「龍馬伝」の二回目。今回は大きな動きはなかったものの、来週以降の展開のためには大事な回だ。
タイトルが「大器晩成?」というものだった。
「?」がお尻にくっついているのがいいね。
僕も昔は、自分の出来が悪いことを言い訳するために、「俺は大器晩成やから、今は出来んでもいいんじゃ!」と、やかましい母親によく口ごたえしたものだ。
それはさておき今夜の龍馬。いちばん最後の、龍馬(福山雅治)と父・八平(児玉清)の二人のやりとりの場面を、自分が18歳だったころと重ね合わせながら観ていた。
龍馬は、八平(昼間から酒を飲んでおりフラフラ道を歩いていた)と道端でばったり会う。雨が降っていたので、龍馬は持っていた傘を八平に差しだして一緒に歩き出す。
龍馬は、ここぞとばかりに意を決して、「江戸に行かせてほしい。ひとりで生きてみたい。この狭い土佐ではなく、広い世界を見てみたい」と、八平に土下座して願い出る。
八平は、「そんな曖昧な理由では江戸にはやれん!」と一喝するのだが、そのすぐあとに龍馬の前(泥の道)にしゃがみ込んで懐から書状を取り出す。
書状の中身は、龍馬が通っている日根野道場の師範が江戸の千葉道場に宛てて書いた龍馬の推薦状だ。
「お前の取り柄は剣術だけじゃ。その腕を江戸で磨くいうんやったら、わしは認めてもいい。千葉道場の猛稽古に堪えられるか? 」
八平は、龍馬を江戸に行かせるために、日根野道場の師範にお願いし、推薦状を書いてもらっていたのだ。
「 ち、父上…… 」
龍馬は、父の思いやりに感動する。
龍馬をじっと見つめて、「・・・行け、龍馬。土佐を出て江戸に行ってこい! 」という八平。
このときの父・八平を演じる児玉清の表情が実にいい。可愛い息子を、遠く厳しい世界に送り出そうとする父親の気持ちを絶妙に表していた。
なんて親馬鹿なんだろうと思いつつも、ウルっときた。
僕も高校を卒業する直前。1月の共通一次試験のすぐ後だったかな。父親が自宅で一人で酒を飲んでいるときに、東京行きを願い出たことがある。父親はあれこれ言わず、「よかたい」の一言だけだったが、どんな気持ちだったんだろうなあ。
息子のひとり立ち。嬉しくもあり、寂しくもあり、心配でもあり・・・っていうところかな。
ともかくも来週からの龍馬伝の展開に、さらに期待なのである。
夕暮れ時の風景が美しかった日
2010年1月9日 (土曜日)
きょうは土曜日だけど、午前中から築地の事務所で仕事をしていた。
今週は、毎晩どこかで飲みながらの打ち合わせが続いていたので、ひとり落ち着いて個人の仕事をする時間がなかったのだ。
でも考えてみたら、今年の仕事が始まってまだ1週間である。なんだかもうずいぶん経ったような気がする。この一週間だけでも、相当数の人と会い、打ち合わせをし、飲んでもいる。かなりのハイペースだ。
12時半に、有楽町のイトシアにあるレストランへ。
そのレストランでは、まぶだちのポンタ(本田勝裕)さんと、パフのホサカとナガサキが、12時前からランチミーティングをやっていたのだ。
2月5日(金)に開催する『キミは就職できるか?』という、パフが創業時から開催している就活応援イベントのコーディネータを、ポンタさんにお願いすることになっており、その打ち合わせがホサカとナガサキの目的。打ち合わせは30分程度で終わると聞いていたので、僕は打ち合わせの終わる12時半ころに、このランチミーティングの現場に押し掛けたというわけだ。
僕もポンタさんに大事な相談があった。
現在水面下で進行中の、『職サークル・ルネッサンス』の一大プロジェクト。ポンタさんにもぜひ力になってもらいたいと考え、そのお願いをしたのだった。
答えはもちろんYES!
その後の打ち合わせの内容は、いろんな方向に拡散したのだが、それでも太い筋は一本ピシッと通っている。
ポンタさんが職サークル・ルネッサンスに加わってくれることで、さらに復興のスピードが速まりそうだ。
協力者は(同じ志を持っていることが前提だが)多ければ多いほどいい。たとえライバル企業であってもいい。結果的にコラボできずに競争関係になったとしてもいい。全体として考えれば、それだけ市場が活性化し、盛り上がるということだから(ねっ、ポンタさん)。
打ち合わせが終わり会社に戻ってひと仕事。その後ちょっと寄り道(歯医者なんですけどね)をした後の帰り道。
時刻は、もう午後5時を回っていた。
隅田川にかかる佃大橋から見える夕暮れ時の風景がやたらに美しかった。川の色、夕焼け空の色、ビルの灯り。絶妙な組み合わせだ。
東京もなかなか捨てたもんじゃない。
さて、明日は久々の休日(考えてみたら今年に入って完全に休んだのは元日だけだったな)。体もアタマもじっくりと放電したうえで充電することにしよう。
あ、明日の夜は、「龍馬伝」の2回目だ。楽しみ楽しみ♪
http://blog.livedoor.jp/yoheitsunemi/archives/50951158.html
まあ、この会社の今回のやり方を、上手とみるか、苦肉の策とみるか、姑息とみるか、無意味とみるか……。
結果として一石は投じたのは確かだけど、僕はこの会社のことを立派だとは思えないなあ。宣言文も、いかにもプロ(コピーライター)が作った台詞で気持ち悪いし。
これも、人それぞれの解釈の仕方しだいですね。