パフ代表の徒然ブログ「釘さん日記」

明日は「破壊と創造」の日

2009年8月27日 (木曜日)

明日は、パフの企業向けセミナー。今月は、先週に続いて二回目だ(正確に言うと、先週は一日に三回やったので四回目かな)。

明日の日記では、 「いやー、大成功だった!」と自画自賛することになるのか、 「うーん。反省の多いセミナーだった…」と書くことになるのか、ひょっとして、何もなかったことにしてしまうのか…(苦笑)。

何しろ明日のセミナーは、「破壊と創造」なので、壊されるのが嫌な人や保守的な人にとっては、不評なものとなるに違いない。

人事には(一般的にその仕事柄)、保守的な人が多いので、ちょっと心配。

でもまあ、保守的な人は所詮パフのお客様にはならないので、構わないといえば構わないのだが…(これまた苦笑)。

講師を務める常見さんのブログを覗いてみたら、

「明日はいよいよパフさんのセミナー。思ったことを思ったようにズバリ言う。うん、就活・採活ビッグバンが始まるのだ!」

と決意表明の言葉が書かれていた。常見さん、やる気だな。

僕も明日は、 「就職と採用のあるべき姿」を、常見さんや来場の人事のみなさんと一緒に考えてみたいと思っている。セミナーの後半で、常見さんと一緒にパネルディスカッションを行うことになっているのだ。

僕はどっちかというと(いや、まったくといっていいほど)ロジカルな人間ではなく、感覚で生きている人間。あることを説明したり、理解を求めたりする時、自分の中では筋が通っているのだが、相手には、論理的な説明ではなく、 「おまえわかるだろ?わかるよな? え、わかんない? おいおい、わかってくれよなー」というような、強制や脅迫や懇願といった、情に訴える方法をとることが多かったりする。

さて、明日はどんな話の展開になることやら。自分で自分を破壊しちゃったりしてね。

ゆすられた日

2009年8月26日 (水曜日)

たちの悪いヤクザまがいの借金取りや強盗に、ゆすられているわけではない。

心を揺すられたのだ。

パフで営業支援やマーケ、販促の仕事を担当しているナガサキが、社内のメンバー向けに、 『ゆする通信』というメルマガを毎週発行している。彼女は、社内に蓄積された過去のお宝情報を発掘し、このメルマガを通じて社員に知らせてくれる。「心を揺する」情報と、「useful(ユースフル)=役立つ」情報・・・という意味を兼ねたネーミングなのだという(だっけ?)。

今週の『ゆする通信』を、ついさっき読んだ。まんまと心揺すられた。まいった。

パフの新卒一期生であるヨシカワが、若手社会人向けに「歩歩(ふふ)通信」というメルマガを8~7年前に執筆していたのだが、今回の『ゆする通信』では、彼女が入社2年目になったばかりのときに執筆したメルマガが紹介されていた。それがすごい中身なのだ。そんじょそこらのプロのライターの文章より優れていると思う。自分ちの社員を褒めるのもなんだが、7年前の社員なので、まあ勘弁してもらいたい。

ということで、以下、僕が揺すられた、7年前の(当時入社二年目の社員が書いた)メルマガを転載する。

※「釘さん日記」読者の皆さんからも、感想をお寄せいただけると嬉しいです。

——————

Puffの新社会人コミュニティサイト   http://www.puff.co.jp/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2002/5/19 Puff Co.,ltd

パフの新社会人メルマガ「歩歩(ふふ)通信」

            ==第14号==

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

※メールアドレスが変更になった方、退会を希望される方

http://www.puff.co.jp/  からお願いいたします。

★.*・¨☆☆¨・*・.★.*・¨☆¨・*・.★.*・¨☆¨・*・.★.*

  『歩歩(ふふ)通信』とは。。。

 これから新しい道を歩んでいく、新社会人のみなさんを応援する

 メンバーメールを将棋の駒である「歩」になぞらえ命名しました。

 「歩」は、一歩ずつしか前に進む事が出来ず、即戦力にはならな

 い弱い駒ですが、「後ろには退かない」強さを持ち、将来「金」

 に成る無限大の可能性を秘めている駒です。

 パフは、未来に向かって一歩ずつ歩き出す、そんな新社会人の皆

 さんを応援します。

★.*・¨☆☆¨・*・.★.*・¨☆¨・*・.★.*・¨☆¨・*・.★.*

みなさん、こんにちは!パフのヨシカワです。

お久しぶりです。時が経つのは早いもので。。。と恒例の‘配信さぼり’

の言い訳の前に今日はまず。。。

 新社会人の皆さん、おめでとうございますっ!!

5月になって、いまさら。。。とも思われるかもしれませんが、私から

もお祝いの言葉、言わせてくださいっ。

新しい生活にキラキラと目を輝かせている人も、すでにヘトヘトになっ

ている人も、とにかく、まずは社会人としてスタートを切れたあなたは、

「すばらしい」と思います。

 よっ!立派な大人!!

「社会に自分の足だけで立つのは、思ったよりしんどかったですが、自

分に対する評価や他人のやさしさ・心遣いが直に感じられて、今まで生

きてた中で一番感動に触れられた1年だったなぁ。。。。」

というのが吉川の社会人1年目の感想です。

いっぱい働いて、いっぱい遊んで、いっぱい苦労して、いっぱい感動し

てくださいね。そして、その感動を私にも少し分けてくれれると吉川、

サイコーに嬉しいでス。お便りください。

社会人2年目になって、ちょっぴり先輩気分の吉川でした。

社会人2年目の皆さん、後輩できるってやっぱいーっすよねぇー。

それでは! 今年度も肩の力を抜いていきましょう。

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      パフ2年目社員イッパイイッパイ奮闘記

      〔 第1回  ~頑張ります!~  〕

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  ♪よしかわ、がんば~れ!がんばれ!がんば~れ!♪

これは、よく仕事中に自分を奮い立たせるため唄う、吉川作詞作曲の歌。

9時も過ぎて、まだパフで仕事をしていると、脳みそがとろけてきて、

わけもわからない「つくり歌」を唄ってしまう。。。

ふと我に返ると、私はこの『頑張る』という言葉をよく使っているなぁ

と思う。

「未熟者ですが、精一杯頑張りますので、よろしくお願いします!」

入社1年目の昨年、何度この『頑張ります!』という発言をしたかしれ

ない。ガムシャラにただ頑張ってきた1年を振り返って、ふと思い出し

たことがあった。

—————–

「頑張りますので、よろしくお願いします!」

「頑張りたいと思いますので、よろしくお願いします!」

言い回しを代えただけで、ほとんど同じ挨拶が永遠に繰り返されていた。

これは、高校時代所属していたハンドボール部の年1回の父母会で、生

徒が父母へ向けて挨拶をしていた時のセリフ。とても退屈な時間だった

のを今でも覚えている。

私は高校時代、都でベスト8に入ったこともある、かなり強いハンドボ

ール部に所属していた。(自分はヘナチョコだったが。。。)

強いだけあって、練習もきつい。授業が終わると毎日練習。休みの日も

朝から練習。合宿や遠征もちょくちょくあり、試合の日はまだ暗い時間

から家をでたりしていた。

スポーツとは一見健康に良さそうだが、ここまできつい練習だと、逆に

怪我や疲労が尽きない。また、合宿やウエアなど意外とお金もかかった

りする。

こんな、ある意味追い詰められた(単に私が根性なしなので、追い詰め

られていたという説もあるが。)チームメンバーには、「我が子を支え

る理解ある親」の存在が不可欠なのだ。

そのため、年に一度家族が練習を見学に来てお食事会をする『父母の会』

が存在していた。

が、私はこの父母会が大嫌いだった。

なぜなら、なんだか「来年度の豊富」みたいなものを、大勢の前で表明

しなくてはいけないからだ。

どうせ皆、同じことを言うのだから、言っても言わなくても一緒だと思

っていた。

「頑張ります!」

私たちチームのメンバーは、いつも精一杯の力で、監督の指示に忠実に、

言われるがままに、皆一緒にガムシャラに頑張っていた。

だから、皆同じように、この言葉以外のことが頭に浮かばなかったのか

もしれない。

  ●

ちょうどこの日は、父も参加していた。もちろん挨拶は全員参加だから、

父にも回ってくる。

父が大勢の人の前で話をする姿など生まれて初めてみるので、少しの期

待とたっぷりの不安で見守っていた。

父は自分の順番が回ってくると、とても不機嫌そうな顔で話し始めた。

「今、皆さんが挨拶で言っていた『頑張る』という言葉ですが、私は

 この‘ただ’『頑張る』ということが嫌いです。

 私が会社を起こした時、

 『頑張りますので、よろしくお願いします。』と先輩に話した時、

 『おまえは何を頑張るんだ?』と聞かれ、何も答えられなかった

 ことを憶えています。

 皆さんの挨拶で、『頑張ります』という言葉がたくさんでてきまし

 たが、ただ『頑張る』のではなく、是非‘何を’『頑張る』のかを

 しっかり考えてほしいと思います。」

簡略化しているから、大して悪い印象は受けないが、主婦ばかりが集ま

る和やかな会で、この挨拶は確実に浮いていた。

皆が一斉に「あいつ何?真面目に語って雰囲気壊してんな」的目線を

おくっていたのを今でも憶えている。

————-

その場では、「何でわざわざあんな発言すんのよ!」とぶちキレていた

が家に帰って冷静になった時、「結構イイこと言っているな」と思い返

した記憶がある。

要は、どれだけ一生懸命やるのではなくて、『何をやるか』なんだろう。

今社会人となって、「頑張らなくていいから、結果を残せばいい」とい

う場面によく遭遇する。

とはいうものの、結局「結果」を残すためには、一生懸命頑張るという

「情熱」や「思い入れ」がないと達成なんてできない。

だからこそ、「‘何をどのように’『頑張る』のかを考えることが大事」

ということを、あの時父は言いたかったのだろう。

何も自分を守ってくれない「社会」では、「自分で考える」ことがとっ

ても大事なのだと最近つくづく思う。

部活に夢中の高校生の私は、監督の言う事にいかに忠実に実行するかば

かりを考えて、自分で「何を頑張るか」なんて考えたこともなかった。

この父母会の日から、ただ「頑張る」と言うのをやめようと、誓った記

憶がある。

だけど最近、本当にここまで考えて『頑張る』という言葉を使っている

だろうか。正直不安になった。

父への尊敬の思いと、『頑張る』ことについて少し真剣に考えて帰った

その日。

酔って帰ってきた父が、大声で私を呼びつけた。

「あゆ~、おまえ、頑張れよ!!」

それだけ一言いって、その場にゴロリ。ぐ~すか寝だした。

ちょっと、ちょっと!どう見ても、『頑張る』についてあそこまでこだ

わっていた人の発言とは思えないよ。

急に真剣に『頑張る』ことについて考えていた自分がバカらしくなって

私も部屋に帰って、ぐーすか寝た。

ま~、頑張ってもダメな時もあるし。

でも、どうせやるなら、仕事も遊びも目一杯頑張りたいなぁ。

ぐーすか寝る前に、『頑張る』ってことの奥深さを少しだけ痛感した。。

■吉川ココロの一句

  頑張ります!

   言ってるだけじゃ

    意味が無い

  行動しなけりゃ

   成し得ない

  ダイエットとは

    つらいです

   

  ⇒吉川はGWの11日間で3kg太りました!ちくしょーっ!!

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2ヶ月のご無沙汰、申し訳ありません。今回は結構長くなってしまい

ましたが、最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!

つい一昨日、生まれて初めて野球観戦に行ったのですが、大きな声で

「まつい~!!よしのぶー!!」

とか叫んだら、なんかとってもスッキリして、逃げつづけていたこの

歩歩通信執筆もさら~っと終えてしまいました。

今回「頑張れ」とふんだんに書きましたが、あまり頑張りすぎず、リ

フレッシュも大事ってことですよね。

新しい生活で慣れない日々が続いている人も多いかと思いますが、

お互い元気にがんばりましょー!(って、吉川は何を頑張るんだー!)

よければ、皆さんの思いを ※※※ までお寄せ下さい!

その他、ご意見・ご感想もお待ちしています。

                  2002/05/19   吉川 安由

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今回のメーリングサービスは以上です。

企画・運営 株式会社パフ http://www.puff.co.jp/

メールの転送は自由ですが、編集を施さず必ず原文を転送して下さい。

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先日の日記で、200名の株主の皆さんに手紙を送ったことを書いた。以来、多くの株主さんからご連絡をいただくことが多くなった。激励のメールや、お手紙や、お電話もたくさん頂戴している。とてもありがたいことだ。

株主さんの中には創業時にお会いして、それっきりになっている人も多い。あるいは、創業からしばらくして投資してくださった方の中でみると、まだお会いできていない方々もかなりいらっしゃる。

今回の手紙がきっかけで、そのような懐かしい方々や初めての方々から、ご連絡をいただいている。

また、わざわざ会社まで訪ねてくださる方もいらっしゃる。昨日も今日もいらっしゃった。明日以降も、予定がびっしりと入っている。

お会いしてびっくりなのが(いや当たり前なのかもしれないが)、皆さんお金持ちだということ。お金持ちだからこそ、好んでパフの株主になってくださっているのだろうが……。

これを機会に、あらたな縁が広がっていくといいのになぁ…と思う。

まずは、自分たちがどんな価値を、株主の皆様にご提供できるのかを、じっくりと考えてみたい。

嗚呼、井上陽水の日

2009年8月24日 (月曜日)

NHK教育テレビがやってくれた。今夜から4夜連続で、井上陽水の特集をやるのだ。

『LIFE井上陽水~40年を語る~』という番組だ。

井上陽水は、いま60歳(8月30日で61歳)。僕より12歳年上。僕と同じ、ねずみ年でもある。

デビューしたのが40年前ということは、陽水が20歳。僕がまだ8歳。小学校3年生のときなのだが、残念ながらこのときの陽水のことを僕は知らない。それは当然といえば当然。陽水はこのときまだ陽水ではなかったのだ。

1969年。“アンドレ・カンドレ”の芸名で陽水はデビューした。デビュー曲は、『カンドレ・マンドレ』。なんじゃそりゃあ?・・・という芸名とデビュー曲である。

当然のごとくまったく売れず、陽水は3年間、沈黙する。

1972年。陽水は、芸名を“井上陽水”(いのうえようすい)と本名と同じ字に改める(本名の読みは、“いのうえあきみ”である)。

僕らが陽水を陽水として認識するのは、ここからだ。僕が小学校6年生のときだ。そこからの活躍は、もうここには書ききれないくらいだ。僕たちに大きすぎるくらいの影響を与え続けた。

「拓郎と陽水、お前はどっちが好きだ?どっちが上だと思う?」なんてことを、よく友達と言いあっていた。

どっちも凄いシンガーだが、僕の好みは、断然、井上陽水だった。

あるときは過激で、あるときは美しいメロディー。あるときは繊細かつ情緒あふれ、あるときは支離滅裂かつ難解(でも深い意味がありそう)な詩。甲高くも深みと透明感あふれる歌声。掴みどころのない天才シンガーソングライターだった。

1972年12月、アルバム『氷の世界』がリリースされた。いま聴いても、ちっとも陳腐じゃない、すごい曲が詰まったレコードだった。一曲たりとも感動しない歌はない。

Koori

 

 

あれ、きりがなくなってきたな。

まあ、ともかくも。この井上陽水を40年の歴史とともに4夜連続で放送するNHK教育テレビはエライ!という話だ。

月曜日(24日)から木曜日(27日)までの4日間。夜11時~11時54分まで。これは見逃せない。

といいつつ、実は僕は今夜帰宅したのが11時半だった。なので初日から前半の30分を見ることが出来なかった。なんてことだ。

でも大丈夫。ちゃんと録画しているのだ。

今週末は、4時間連続で録画された陽水を観まくる(聴きまくる)ことになるだろう。

これで土曜日の日記ネタは、井上陽水で決まりなのだ。

世界陸上最終日だった日

2009年8月23日 (日曜日)

先週の土曜日に始まった世界陸上。9日目の本日がいよいよ最終日。スポーツ好きの人にとっては寝不足の一週間だったのではないだろうか。

僕もテレビをつけっぱなしにして寝る日が多かった(結局、ボルトの100メートル決勝も200メートル決勝も見逃したのだが)。

最終日の今日は、女子マラソンを見ていた。尾崎好美選手、銀メダルおめでとう!である。ママさんランナーの赤羽有紀子選手は体調悪かったのかな?惜しかったですね。でも完走できて良かった。

女子マラソンを見ていると、現代の女性の強さ、逞しさを象徴しているような気がしてくる。年齢も比較的、上の年代が頑張っている。尾崎選手28歳、赤羽選手29歳、藤永選手28歳、加納選手30歳である。そういえば、ルーマニアのシモン選手も出場していたが、彼女はもう36歳なのである。ビジネス社会で頑張っている女性たちにとっても、このアスリートたちの活躍は心強いのではないだろうか。

この日記、夜の23時過ぎに書いているのだが、いまテレビでは男子5000m決勝を生中継している。

男子やり投げの決勝はまだかな。22年ぶりに決勝進出を決めた村上って、ぱっと見た目、女性かと思ったら男なんだね。「男子やり投げ」なんだから当たり前なんだけど(苦笑)。

では今夜は、世界陸上を最後まで見てから寝ることにしよう。頑張れニッポン村上!!

大人倶楽部で午前様だった日

2009年8月22日 (土曜日)

いまの若い人たちは「午前様」なんていう言葉を使うんだろうか……と、日記のタイトルを書いてから思った。

#まあ、若者が使う言葉だろうがなんだろうが、そんなことはどうでもよいんだけど(笑)。

昨夜は、(日記にも書いた)バスツアーが終わり、関係者の皆さんと別れたのが午後6時半。解散後すぐ、僕は東京駅から地下鉄丸ノ内線に乗って、杉並区の高円寺を目指した。

杉並区というのは、東京23区のなかでは最も西に位置する。かたや、東京駅やパフや僕の自宅があるのは中央区で、東京の東の端っこである。

東京の東端から西端に向かった目的は、【大人倶楽部】という、いかにも怪しい名前の会合に参加するためだ。

この大人倶楽部。初会合が行われたのは、いまから2年前。最初は4人だけの会合だったのだが、その後、6人に増えた。全員パフがきっかけで出会い、親しくなった熟年世代の大人たちだ。大人倶楽部には、尻(ケツ)の青いガキは入会できないことになっている。さらに加えるならば、人格、能力ともに秀でており、バカができ、ノリが良く、酒好きで、オヤジギャグに抵抗感を示さないことが入会の条件である。とても排他的な組織なのだ(ホントかよ?苦笑)。

この6名の内訳は、社長が4名、部長が1名、その社長と部長にとってのマドンナが1名なのだから、やっぱり怪しい団体なのかもしれない。

昨夜の会合は、この6名に加えて、会員候補が1名、特別ゲストが2名、合計9名にて開催された。

杉並の住宅街のなかにある手打ち蕎麦の店が会場だったのだが、なっかなか落ち着いた雰囲気の店で、料理も酒も、楽しく進んだ。何しろ全員がそろったのは一年ぶりということもあり、異様な盛り上がりを見せた。時節柄(僕も含めて)たいへんなはずの社長たちが特に盛り上がっていた。大人倶楽部は、それだけ気の許せる仲間たちなのだ。

蕎麦屋さんでの一次会ののちは当然のごとく二次会へ。これがまた地元の寂れた(失礼!)カラオケスナック。貸切状態で、盛り上がったのだが、ここから僕の記憶が途切れている。

翌日は仕事の予定がなく、しかも自宅や会社から遥か遠い場所に来ているという解放感からだろうか。すっかりくつろいでしまった。

ということで、久々の大人倶楽部は、僕にとって束の間のオアシス。午前様程度は許してもらえると嬉しいのである。

この日記でも何度か触れたことがあったが、いま、とある大手企業(連結子会社含む)の障害者雇用(特に知的障害をもっている人たちの雇用)に取り組んでいる。

知的障害者の雇用を拡大するためには、まずは、雇用主である企業(とりわけ経営者や人事担当者)の意識を変えるところから始めなければならない。

僕らは、知的障害者の方々といっしょに遊んだり、勉強したり、仕事をした経験がほとんどない。つまり知的障害者のことを知らない。無知なのだ。

無知のくせして、先入観や偏見や間違った解釈から、「知的障害者にできる仕事はない」と決めつけてしまっている。あるいは、無知であるがために、何をどうすればいいのかが、分からない。

この先入観や偏見や間違った解釈を取り払い、「何をどうすればいいのか」を勉強するための企画を考えた。そして、この大手企業の本社人事部の皆さんと、二か月ほど前から準備を着々と進めていた。

その企画とは、「障害者雇用の現場を巡るバスツアー」である。

知的障害者の雇用に取り組み、大きな成果をあげている複数の企業を訪問させていただいたり、知的障害者のみなさんとの懇談会を実施したりする企画だ。

答えは現場にある。実際に知的障害者が働く現場を見ることで、正しい理解を促そうと思ったのだ。

提出した企画書に、この企画の目的と期待される効果として、次のことを僕は書いた。

—– 

<目的>
障がい者(特に知的障がい者)雇用に対する基本的な知識の習得と、雇用イメージの醸成

<期待される効果>
① 障がい者雇用に対する、担当者の意識面でのハードルを下げることにつながります。
② 知的障がい者の実際の働く現場をみることで、自社の環境での雇用イメージを掴めます。
③ 実際に働いている障がい者と直接会話することにより、雇用の使命感が醸成されます。

—–

この企画を対象のグループ企業各社に告知したところ、予想を遥かに上回る参加希望があった。定員20名のところ40社60名の人事担当者からの申込みがあったのだ。

すごい。皆さんの関心の高さが嬉しかった。

でもさすがに60名をいっぺんに連れまわすことは物理的に不可能である。泣く泣く20社20名に絞り込ませてもらった(残りの方々にはまた10月に追加開催する)。

そしていよいよ本日が、この企画「バスツアー」の実行日。

朝8時に、丸の内(とある大手企業の本社ビル玄関)に集合し、バスに乗り込み、赤坂(2か所)、品川、渋谷の現場に向かった。

詳細なレポートは割愛させてもらうが、参加した皆さんの満足度はとても高かったように思う。

僕もそうだったのだが、知的障害者の方々が、嬉しそうに、楽しそうに、働いている現場を見ることで、あらためて「働く意味や意義」を考えさせられた。

知的障害者の方々の礼儀正しさ、挨拶の声の大きさ、ひた向きに仕事に取り組んでいる姿を目のあたりにし、(自分の会社の社員たちや自分自身と比較して)懺悔したり、恥ずかしくなってしまった参加者も多かったようだ。

手前味噌ではあるが、企画書で掲げた「目的」どおりの、「期待される効果」が十分に得られたバスツアーであったと思う。

 

最後に、今回の「バスツアー」の企画・運営を全面的にお手伝いいただいたパートナー企業をご紹介しよう。

株式会社福祉ベンチャーパートナーズ(略称FVP)という会社である。障害者が「あたりまえ」に働ける機会や環境をつくりだすための取り組みを懸命に行っている会社である。しかも、そのことをボランティアやNPOとしてではなく、ビジネスとして成立させようとしている会社である。

このFVPの創業者であり社長である大塚さんは、鉄のような意志をもった、たくましくも、しなやかな女性。きょう一日のプログラムのすべてを、ものの見事にファシリテートしてくださった。大塚さん抜きには、今回の企画は成立し得なかった。大・大・大感謝である。

これからも大塚さんと組んで、知的障害者の雇用を「あたりまえに」拡大させる施策を、ビジネスとして考えていきたい。

<追>

今回多大なるご協力をいただいた、コマツ(人事部ビジネスクリエーションセンタ)の木村所長、大東コーポレートサービスの山崎社長、スワンカフェ&ベーカリー赤坂店さん、ハローワーク渋谷さん、JACCSさん、VSNビジネスサポートさん、また、それぞれの会社で働いておられる障害者のみなさん、本当にありがとうございました。心より感謝申し上げます。

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