大宰府天満宮に行った日
2008年2月16日 (土曜日)
きょうは完全オフの日。朝、熊本のホテルで朝食を済ませたあと、高速バスで福岡に向かった。
福岡に着いたら、「ぜったい行こう!」と心に決めていた場所がある。
・・・それは、大宰府天満宮と、そこに隣接して建築された九州国立博物館だ。
大宰府天満宮は、小学校6年生のときの修学旅行で行ったっきり。実に、36年ぶりの訪問(参拝)だ。
大宰府天満宮といえば有名なのが、“東風(こち)吹かば にほひをこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ ”という和歌だ。
菅原道真が、左遷され京を離れるとき、庭の梅に対して詠んだ。すると、その梅は、一夜にして大宰府の道真のもとに飛んで行き、花を咲かせたという。いわゆる『飛梅』伝説だ。なんともロマンを感じさせる話ではないか。
さだまさしが、その昔、まさにこの『飛梅』というタイトルの歌を唄っていた。大宰府を訪れた男女の、切ないラブストーリーを唄ったものである。
心字池、三つの赤い橋、梅ヶ枝餅、などなど、この唄にでてくる風景を見ることができ、“隠れ さだまさしファン”だった僕は、なかなかの満足だった。
大宰府天満宮では、お参りのあと、お守りを買った。大宰府天満宮といえば、学問の神様。
買ったお守りも『学業御守』である。もちろん僕がいまさら学業を成就させてもしょうがない。この御守は娘にプレゼントしようと思う。
さて、この大宰府天満宮に隣接するところにあるのが、九州国立博物館。平成17年10月にオープンしたばかりの博物館だ。国立博物館としては、東京、京都、奈良に次いで、4番目の建物らしい。
「おおっ」とびっくりするくらいに立派な博物館だ。展示物もすごい。
旧石器時代、縄文時代、弥生時代、古墳時代、奈良・平安時代、鎌倉・室町時代、安土桃山・江戸時代までの、それぞれの文化を示す展示物が勢ぞろい。歴史好きの人にはたまらないだろう。
また今は、京都五山についての展示が、足利義満没後600年を記念して行われており、こちらも、なかなか見ごたえのある内容だった。
大宰府駅に着いたのが午後1時過ぎ。展示を見終えたのが午後5時(そもそも閉館がこの時間)。なんと、まるまる半日が経っていた。
きょうは日本人(というか人間かな)の文化や歴史の偉大さを、あらためて感じることのできた日だった。
すごいぞ人類!!
熊本のホテルで日記を書く日
2008年2月15日 (金曜日)
きょうは夕方から、熊本に入った。コンサル先の会社の社長Mさんとの打ち合わせのためだ。
熊本に通いはじめて、かれこれ1年以上になる。この会社の社長Mさんは、パフの10周年記念式典にも、わざわざ熊本からお越しくださったりで、とても懇意にしていただいている。
Mさんと食事をしながらの打ち合わせ。今夜は(いや、“も”)、かなりまじめな打ち合わせだった。
打ち合わせを終えてホテルに着くと、すでに夜10時を回っていた。
翌日は、福岡に行かねばならないため、今夜の宿は、移動に便利な(高速バス発着の起点である)交通センター内のホテルにした。
安いわりに部屋が広々としており、なかなか快適なのだが、一方で(広いからなのか)とても寒い。
昨年もこのくらいの時期に熊本に来ていたが、これほど寒くはなかった気がする。今年はやっぱり全国的に寒いんだな。温暖化が進む中で、気休め程度かもしれないが、この寒さには、ちょっとだけ安心する。
これから3月、4月にかけて、日本中のあちこちに出張の予定が入っている。ちょうど冬から春に季節が変わり行くタイミングだ。
九州、関西、北陸、東北、北海道。春の訪れ を、それぞれの地でどのように感じることができるか。楽しみにしながら、過ごしていくことにしよう。
男塾だった日
2008年2月14日 (木曜日)
『男塾』……。なんじゃ、そりゃ?
という感想を持つ人もいるだろう。
パフの超少人数イベント『月見塾』の変形版である。というより、昔の『つきしま村塾』の復刻版である。
骨のあるやつらを集めて、将来を語りあおう!という趣旨のイベント・・・だったはずである。
が、日程設定が間違っていた。
2月14日。世の中は、バレンタインデイである。まあ、男らしい男は、なかなか予定を空けづらい日であろう。
ということで、バレンタインデイとはまったく無縁のパフの社内の男どもが集まる飲み会となった。
それはそれで、楽しかった。
男同士の世界は、やっぱり楽だ。とくに年長者にとっては、これほど心地よい世界はない。
理屈など必要ない。ただ年上というだけで、威張っていられる。
年少者は、“いまさえ乗り切れれば”という思いで、どうにかこうにか頑張れる。
気がつけば、10周年記念でいただいた高級ワインを三本も空けてしまった。でも、きっと、ワインをプレゼントしてくださった人(株主さん)も、こういう飲まれ方をして、とても本望であろう。
それにしても、男たちには、目の前の評価や成果などにとらわれず、もっと大きな目標に向かって突き進んでほしいものだ。
雑誌インタビューを打診された日
2008年2月13日 (水曜日)
本日、仲のよい(と僕だけ勝手に思っているかもしれない)某社の社長がお見えになった。
聞くところによると、同社は今度、某有名ビジネス誌の特集で取り上げられることになったとのこと。しかも、同社のコアビジネスに関して、ずいぶんと詳しく取り上げられる予定なのだという。
「ほー、そりゃたいしたもんですねっ! すっごい宣伝効果じゃないですかあ!!」
と、ウラヤマシイなあと思いながら、感心していた。
で、社長のパフへの訪問の目的は、ここから。
その取材に、パフも協力してもらえないか、ということだった。そのビジネス誌の副編集長が足を運んでインタビューしてくれるので、パフの事例を説明してもらえないだろうか、ということだったのだ。
実はこの某社のコアビジネスに、パフは、いちユーザーとしてお世話になっており、そのことがいろんな面でいま、効果を表してきている。雑誌が取り上げるケーススタディとしては、まさにうってつけなのだという。
これはパフにとっても、いい話。多方面への宣伝効果が期待できる。
「もっちろん。任せてください。なんでも話しますよ」と、引き受けた。
が、あまりに軽い僕の引き受け方に、逆に某社長は心配になったご様子。
「大丈夫かなあ、こいつ……。人選を間違えたかな……」 と、思ったかどうかは別として(苦笑)、インタビューで聞かれるであろうことや、きちんと説明してほしい箇所などの詳細なレクチャーが始まった。
が、某社長。僕の“いい加減さ”や“調子のよさ”は、ある程度理解してくれてはいるが、僕の記憶力の悪さ までは想定していなかったであろう。レクチャーからまだ半日も経っていないのに、すでに記憶が曖昧になってしまっている。
でも、社長! 心配することなかれ。
本番にギリギリ強い僕です。みごと取材を乗り切って見せましょう!
と、あえて某社長を心配させるようなことを書いてしまった、本日の日記でした。
# Iさん、匿名とはいえネタにしてゴメンなさい! 取材のときは、ちゃんと真面目にやりますので……。
帰り道の吉野家を書く日
2008年2月12日 (火曜日)
僕はお付き合いがない日は、夜の9時から12時までの間に帰宅するようにしている。
付き合いがある日でも、(最近、品行方正になってきた僕は)できる限り一軒目で終了になるよう努力している。
まあ、どんなに遅くなったとしても、「翌日にならないうちに家に帰る」ことを努力目標としているわけだ。
で、きょうの帰り道。お付き合いもなく、会社からまっずぐ家に向かった。打ち合わせや社員との面談が終わったのが夜10時近くだったため、会社を出た時間はすでに11時を回っていた。
きょうの帰り道は、ひときわ寒かった。北風が吹きすさび、ポリバケツが道路のうえをコロコロと転げ、新聞紙が宙を舞っていた。
「うわっ、さぶっ」と、一瞬、タクシーで帰ろうかという誘惑に負けそうになったが、メタボな僕は「いや、いかん!」と思いなおし、早足で歩き始めた。
帰り道で、いつも考えること。 「きょうの夜は何を食べるか」 。
平日の夜は、原則として家で食事をしない。仕事柄(社長という役職柄)、夜のお誘いが多く、しかも急なお誘いも結構あるものだから、家に食事が用意されていると、たいへんな重圧になってしまうからだ。
よって付き合いがない日は、帰り道の途中で食事をとることになる。
とはいえ、築地から月島への帰り道。選択肢は非常に限られている。
1.シナ麺(ラーメンとは少し違う)
2.吉野家
3.ふくちゃん(博多ラーメン)
の3つだ。
1と3は、最近メタボな(くどいっ)僕は、できる限り避けるようにしている。そうすると、残る選択は、2の吉野家ということになる。
そう、あの偉大な牛丼の吉野家である。
僕は大昔からの牛丼ファン。東京に生まれて初めて出てきた15歳のころ、牛丼の旨さにびっくりしたものだ。
以来、30年以上、牛丼を食べ続けているが飽きない。ほんとに旨いと思う。その日の気分にあわせて生卵を入れたり、“つゆだく”にしたり、紅しょうがをたっぷり入れたり、お新香をオーダーしたり、バリエーションも楽しめる。
ということで今夜も、帰り道の途中で、吉野家に立寄った。
深夜の吉野家の従業員には、外国人の若者労働者が多い。たどたどしい日本語で、一生懸命はたらいている姿には、とても好感が持てる。客が多く、オーダーに追いつかないときなど、“がんばれ、がんばれ”と応援したくなる。
が、今夜の従業員は、いつもと違い、初老のおじさん だった。年齢は60代なかばくらいだろうか。動きがテキパキしており、挨拶もしっかりし、物腰も低い。タダモノデハナイという雰囲気を感じる。
・吉野家の現場たたき上げで、管理職くらいまで務めた方なのではないだろうか?
・現社長の安部修二さんより少し上の年齢なので、ひょっとしたら再建の苦楽をともにした人なのではないだろうか?
・30数年前の吉野家全盛期に入社して、店長を長くやっていた人なのかも知れないぞ……。
などと、想像が膨らんでいく。そうこうするうちに、出てきた今夜のメニューは、牛すき鍋定食(ご飯少なめ)。
「お待たせして申し訳ありません」 と、低姿勢に、でも明るくさわやかに、おじさんは僕のまえにお膳を置く。
牛丼も旨いが、牛すき鍋も、なかなかだ。
満足のうちに食べ終わって、勘定を済ませ、出口に向かう。
「どうもありがとうございました。またお待ちしております!」
と、爽やかな声で見送られる。
完璧だ。旨かった食事が、このおじさんの一声で、さらに心地よいあと味になる。
このおじさんの素性を、いつか聞いてみたいなあ、と思いながら、家路を急ぐ僕なのであった。
「すごい!」と唸った日
2008年2月11日 (月曜日)
「いやぁ~、映画って、ほんっとうにいいもんですねっ!」とは、映画評論家の水野晴郎氏の決め台詞。
僕が映画を観て、心底これはスゴイ!と思ったのは、2年前に観た『ALWAYS三丁目の夕日』だった。
もともと僕は、映画を観に行くのが好きなほうの人間なのだが、同じ映画を複数回観るということは殆どなかった。
が、『ALWAYS~』は、人生の中でほぼ初めて、複数回(DVD含めると10回ほど?)観尽くした映画だった。
“ほぼ”と書いたのは、実は高校生のとき、 『さらば宇宙戦艦ヤマト』を同じ日に立て続けに2回(当時、田舎の映画館は入れ替え制ではなかった)、その後、録音を目的にして(今なら犯罪行為だが)、1回、計3回観たことがあったからだである。
ALWAYSを観てからというもの、さらに映画が好きになった。話題作はできるだけ観てみようと思うようになった。
この日記でも、よく映画の感想を書いたりしているが、ALWAYS後のことだと思う。
映画を頻繁に観に行くようになったのは、昨年、歩いて20分少々のところ(豊洲)に、シネコンが出来たのも大きな原因となっている。新しくキレイなシネコンなのに、いつでも並ぶことなく座れる。封切り直後の映画でも、座れなかったという経験がない。「いつでも座れる」というのは、経営的にはマズイのかもしれないが、個人的には大感謝だ。
そんななか、この豊洲のシネコンで、前からずっと気になっていた映画を、本日やっと観た。約1年前に話題になっていた『それでもボクはやってない』 (周防正行監督)だ。
“2007年心に残った映画アンコール上映” ということで、1週間限定で上映されていたのだ。
観終わった後、いや鑑賞している最中から、 「こりゃあ、すごい!たいへんな映画だ」 と思った。一年前の周囲の評判もあり、それなりにスゴイ映画だろうという期待はあったのだが、その期待を遥かに上回る映画だった。
ALWAYが僕の人生の中で“最大の感動”の映画だとすれば、きょうの『それでもボクはやってない』は、 “最大の感心・敬服” の映画だろう。脚本も、演出も、テーマも、訴えたいメッセージも、俳優陣の演技にも、すべてに感心・敬服させられた。
二時間半という長い映画であったにもかかわらず、まったく長さを感じさせなかった。スクリーンに吸い込まれていく自分を感じた。周囲の観客も同じだ。エンドロールが流れ出したのに、誰一人として、ぴくりともしない。
ここではこれ以上の感想や評論は書かない。僕のような素人が感想を書くと、なんだか映画が安っぽくなってしまいそうだ。
ただひとこと。
「いやぁ~、映画って、ほんっとうにいいもんですねっ!」
気がつけば、この土、日、月の3日間。毎日、映画館に通ってしまっていた。
若者もおじさんも捨てたもんじゃないと思った日
2008年2月10日 (日曜日)
昨日に続き、きょうも映画を観た。きょうの映画は『陰日向に咲く』。劇団ひとりが書いた小説を映画化したものだ。
原作を読んだことはないのだが、ポスターの雰囲気とキャスト陣に惹かれて観に行った。
昨日の『結婚しようよ』とうって変わり、観客は若者同士のカップルが多く、ちょっと不安になりながら、席に座った(ちなみに僕の両隣には、それぞれ若いカップルが座っていた)。
しかし、映画が始まると両隣のカップルなど気にする暇もなく、映画の世界に入っていった。
いや、なかなかの映画だった。
ストーリーも僕の好みにあったものだったのだが、それ以上に、キャスト陣の秀逸な演技力に感心した。
岡田准一がいい。3年ほどまえ、『冬の運動会』という向田邦子脚本のドラマに出演したころから、若いのにいい俳優だなあと思っていた(そのときはV6というグループの存在すら知らなかったんだけど)。最近のドラマ、SPの演技もなかなかだった。もはやジャニーズのアイドルとしてではなく、ひとりの役者として、かなりのハイレベルに達しているのではないだろうか。
宮崎あおいがいい。大河ドラマの篤姫もいい。2年前のNHK朝ドラの『純情きらり』から注目していた。あどけない色気と芯の強さと知性を感じさせる。まだ22歳だというが、これから先が楽しみな女優だ(昨年、結婚しちゃったのがちょっと心配だけど)。
西田敏行はさすが。まいった。これだけ幅広く奥の深い演技のできる俳優は他にはいないだろう。
三浦友和もいい。もはや“百恵ちゃんの旦那さん”という呼び方は失礼だろう。年を経るごとに味がある。三丁目の夕日のタクマ先生役と同じくらい、いい味を出している。
見おわった後、ちょっと幸せな気持ちになれる映画だった。
一方、今夜、昨年の年末、TBSで放映された小田和正の『クリスマスの約束』のVTRを観た。還暦(60歳)とは思えない声。センス。若い女性は目に涙を浮かべながら聞き入っていた。彼の音楽に向き合う姿には、凡人は近寄りがたいものがある。まさに“本物”のオーラがあるのだ。小田が卒業した中学校、高校、大学の現役の生徒や学生たちと一緒に歌ったり演奏したりしていたのが印象的だった。
映画や音楽の世界では、若者もおじさんも、みな同じ舞台で一生懸命がんばっている。日本の若者もおじさんも捨てたもんじゃない。ビジネスの世界でも、もっともっと若者とおじさんが尊敬しあいながら競演・共存共栄しなければいかんよな。